概要:
本科目では電磁気学と前期量子論に関する基本的な理論を学ぶ。電磁気学では身の回りの様々な現象や身近にある電子機器に使用されている基本的な物理法則について講義を行う。また前期量子論ではミクロな世界における物理法則についての説明を行う。加えて原子力エネルギーなどの原子核に関する範囲も取り扱う。
授業の進め方・方法:
シラバスに記載の内容に沿って授業を行う。方法としては座学を中心とする。進度については理解度の程度に応じて変更する可能性がある。
評価基準については「試験」に関しては中間と期末のテストの成績で評価する。また、単元毎にレポート課題を設定、提出をもって「演習・レポート」の評価とする。
注意点:
①授業及び学習について
授業内容を理解し、自分で問題が解けるようになることまでが重要なので、問題集などを用いて自学自習を行うようにすること。
②評価について
成績は中間期末試験の点数が80点、途中で配布するレポートの点数が20点の計100点満点で評価をする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
シラバスの説明
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2週 |
静電気力 |
電子が持つ性質について学び、帯電した物体同士に働く力について理解する。
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3週 |
電場 |
「電場」の概念について学び、点電荷の作る電場について理解する。また点電荷の場合の電場の計算ができる。
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4週 |
電気力線とガウスの法則 |
「電気力線」と「ガウスの法則」について学び、点電荷以外の帯電体が作る電場について計算することができる
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5週 |
電磁気における仕事と位置エネルギー |
エネルギーと仕事の観点から電位と電位差について理解する
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6週 |
点電荷による電位と電位差 |
点電荷の周りにできる電位について学び、複数の点電荷がある空間の電位について理解する。
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7週 |
物質と電場 |
導体および絶縁体内部の電場と電位について学ぶ。またそれを通して「静電遮蔽」、「誘電分極」、「静電誘導」の意味を理解する。
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8週 |
中間試験 |
1~7週の授業内容について理解度の確認を行う
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2ndQ |
9週 |
コンデンサーの基本的性質 |
コンデンサーの基本的な性質について理解する。
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10週 |
コンデンサーの直列と並列 |
複数のコンデンサーが回路内に存在する場合の計算ができるようになる。
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11週 |
電流とオームの法則 |
電荷と電流について数式を使って理解ができるようになる。 またオームの法則の意味を理解する。
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12週 |
ジュール熱と電力 |
物質と抵抗率について学び、その上で回路内で発生する熱について理解する。
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13週 |
抵抗の直列と並列、キルヒホッフの法則 |
複数の抵抗がある場合の回路について、合成抵抗や電流などの法則について理解する。また、キルヒホッフの法則について学び、複雑な回路に関して計算ができるようになる
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14週 |
コンデンサーを含む直流回路 |
コンデンサーと抵抗を含む回路の計算ができるようになる
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15週 |
期末試験 |
1~14週の授業内容について理解度の確認を行う。
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16週 |
答案返却など |
答案の返却と解説
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後期 |
3rdQ |
1週 |
電流が作る磁場 |
「磁場」という概念について学び、静電気力と磁力の関係について知識をつける。また、電流がつくる磁場を計算することができるようになる
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2週 |
電流が磁場から受ける力 |
電流が磁場から受ける力を計算することができる
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3週 |
電磁誘導と誘導起電力 |
ファラデーの電磁誘導の法則に従い、誘導起電力に関する計算ができる
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4週 |
自己誘導と相互誘導 |
電気回路内におけるコイルの役割である自己誘導および相互誘導について理解する
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5週 |
交流の発生 |
交流の発生について電磁誘導に基づいて理解する。 抵抗、コイル、コンデンサーに流れる交流をそれぞれ計算できるようになる
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6週 |
交流回路 |
電子機器が直列または並列しているときの交流回路においてインピーダンスなどの物理量を計算することができる。
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7週 |
変圧器と電磁波 |
変圧器の原理を学び、交流の有用性を理解する。 電磁波についての知識をつける
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8週 |
電子の発見と電気素量の測定 |
電子の発見の歴史について理解できる
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4thQ |
9週 |
中間試験 |
1~7週の授業内容についての理解度の確認
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10週 |
光の粒子性 |
光電効果の実験により得られた結果を光量子仮説により理解する。「仕事関数」や「阻止電圧」の計算ができる
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11週 |
X線と物質波 |
X線の性質(ブラッグ反射、コンプトン効果)を通してX線が粒子としての性質を持つことを理解する。 また、それとは逆に電子などの粒子も波としての性質を持つことを理解する。
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12週 |
ラザフォードの原子模型とボーアの量子条件 |
ボーアの量子条件により水素原子のエネルギーが連続的ではなく離散的になることが導出できる。また、それが実験によって示されていることを知る。
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13週 |
原子核崩壊 |
放射線の種類(α、β、γ線、中性子線)について学び、原子核の崩壊の種類について理解する。 半減期やベクレルの計算ができるようになる。 また、上記を踏まえて放射線について正しい知識をつける
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14週 |
核反応と核エネルギー |
「核反応」、「核分裂」、「核融合」について核反応式を書くことができる。また、それぞれについて発生するエネルギーを計算することができる
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15週 |
期末試験 |
8~14週の授業内容について理解度の確認を行う
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16週 |
答案返却など |
答案の返却と解説
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 3 | |
電場・電位について説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則が説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 3 | |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 3 | |
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。 | 3 | |
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。 | 3 | |
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。 | 3 | |
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。 | 3 | |
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。 | 3 | |
静電エネルギーを説明できる。 | 3 | |
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。 | 3 | |
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。 | 3 | |
自己誘導と相互誘導を説明できる。 | 3 | |
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。 | 3 | |
電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 3 | |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 3 | |
原子の構造を説明できる。 | 4 | |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 4 | 前10 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | |