概要:
機械や構造物などを安全で経済的に設計するには、それらを構成する部品や部材に生じる力や変形を的確に知る必要がある。材料力学は、機械や構造物などを簡単なモデルに置き換えて、各部分に生じる力や変形を大雑把ではあるものの定量的に明らかにする学問である。4年次では曲げ(主として曲げ応力とたわみ)、座屈、トラス、薄肉容器の基本的な問題に関して基礎力と応用力を養う。
授業の進め方・方法:
おおむね教科書に沿って講義を進め、個々の現象が共通の原理に支配されていることを示すとともに、その物理的意味を把握できるようにする。学習シートを毎回用意し、理解を深めることに役立てる。また、理解度を確認するために、適宜レポートを課す。受講者には、指定した演習問題を自力で解けるように自学自習する姿勢が必要となる。なお、授業の進行度合いに応じて、授業計画を変更することがある。
この科目は学修単位科目のため、年間30時間の自学自習を必要とする。自学自習時間の目安は次の通りである。
事後学習(理解度チェックなど):8時間
課題の実施(レポート):10時間
試験勉強:12時間
注意点:
【評価方法】
最終評価は試験成績(92%)とその他の評価(8%)により行う。
試験は4回(前期中間、前期末、後期中間、後期末)実施する。
前期末評価は前期中間試験と前期末試験の平均点とする。
その他の評価には課題を含めるほか、グループ学習を実施した場合にはその取組姿勢や成果などを含めることがある。
最終評価点=(4回の試験成績)×0.92+その他の評価(8点)
※グループ学習を行うかどうかは新型コロナウイルス感染症等の状況により判断する
※試験成績とその他の評価の割合は,課題やグループ学習の頻度により変更することがある
【関連科目】
本 科:数学、物理、工業力学、材料力学I、弾塑性論、材料学I、材料学II、機械設計論I、機械設計論II、計算力学、有限要素法
専攻科:弾性力学、材料強度学、材料設計工学、CAE
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
【ガイダンス】 材料力学の位置づけや目的を再確認する。 3年次に学んだことを復習する。 |
材料力学の目的や授業の評価方法を理解する。
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2週 |
【せん断力と曲げモーメント】 曲げの重要性、はりと支点の種類、せん断力と曲げモーメント |
曲げの具体例を挙げる。 せん断力および曲げモーメントの符号を示す。
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3週 |
【せん断力と曲げモーメント】 片持ちはり |
集中荷重や分布荷重が作用する片持ちはりの反力、せん断力、曲げモーメントを求め、SFD、BMDを描く。
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4週 |
【せん断力と曲げモーメント】 片持ちはり、単純支持はり |
種々の負荷が加わる片持ちはりや単純支持はりの反力、せん断力、曲げモーメントを求め、SFD、BMDを描く。
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5週 |
【せん断力と曲げモーメント】 荷重とせん断力および曲げモーメントの関係 |
荷重とせん断力および曲げモーメントの関係を理解する。
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6週 |
【はりの応力】 曲げ応力の基礎式、はり全体の応力分布状態 曲げ応力の基礎式を導き、その意味するところをはり全体の応力分布状態を描くことで説明する。 |
横断面における中立軸の位置と曲げ応力分布、軸線方向の曲げモーメント分布と曲げ応力の関係を理解して、はり全体の応力分布状態を描く。
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7週 |
【はりの応力】 断面二次モーメント、断面係数 長方形の断面二次モーメントを定義式から導出する。断面二次モーメントに関する加法定理を理解する。上下対称形状の断面係数を求める。 |
断面二次モーメントに関する加法定理を使用して上下対称形状の断面係数を求める。(課題)
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8週 |
【中間試験】 右に記載の内容について確認する。 |
はりのせん断力や曲げモーメントに関する応用問題(含基本問題)を解ける。 はり全体に生じる曲げ応力分布を理解できている。 断面二次モーメントを求めることができる。
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2ndQ |
9週 |
【中間試験の解答。はりの応力】 中間試験の解答。はりに生じる曲げ応力の求め方を説明する。 |
上下対称な断面形状のはりについて、曲げ応力を求める。
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10週 |
【はりの応力】 断面二次モーメントと断面二次極モーメントの関係 |
断面二次極モーメントを使って円形断面と正方形断面の断面二次モーメントを求める。
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11週 |
【はりの応力】 図心と断面一次モーメント |
断面一次モーメントを用いて図心を求める。
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12週 |
【はりの応力】 断面二次モーメントの平行軸の定理 |
上下が非対称な断面形状のはりについて断面二次モーメントを求める。
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13週 |
【曲げに強い断面形状(断面係数の比較)】 曲げに強い形状が断面係数の比較により判定できることを説明する。正方形と同じ断面積をもつさまざまな形状について比較し、その特徴を把握する。 |
正方形と同じ断面積をもつさまざまな形状について断面係数を求め、曲げに強い形状を判定する。
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14週 |
【はりの応力】 平等強さのはり |
平等強さのはりの形状を求める。(課題)
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15週 |
【期末試験】 右に記載の内容について確認する。 |
さまざまな形状の図心や断面二次モーメントを求められる。 上下非対称な断面形状のはりの曲げ応力を求められる。 曲げに強い断面形状を理解できている。
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16週 |
【答案返却など】 前期末試験の答案を返却し、解答。 |
曲げ応力に関する総復習。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
【ガイダンス】 シラバスで学習状況を確認し、前期の学習内容を復習する。 |
はりの反力、せん断力、曲げモーメント、SFD、BMD、曲げ応力を復習する。
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2週 |
【はりのたわみ】 たわみ曲線(たわみの微分方程式) |
はりのたわみ、たわみ曲線、たわみ角の定義を憶え、たわみ曲線の微分方程式を憶える。
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3週 |
【はりのたわみ】 微分方程式による解法(たわみ曲線が1つの式で表せるはり) |
たわみ曲線が1つの式で表せるはりについて、たわみの微分方程式を使ってたわみ曲線を求める。
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4週 |
【はりのたわみ】 微分方程式による解法(たわみ曲線が2つ以上の式で表せるはり) |
たわみ曲線が2つ以上の式で表せるはりについて、たわみの微分方程式を使ってたわみ曲線を求める際に必要な境界条件を求める。
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5週 |
【はりのたわみ】 重ね合わせによる解法、切断法による解法 |
L形フレームの問題を通し、切断法でたわみを求める。
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6週 |
【はりのたわみ】 断面が変化するはりのたわみ |
断面が変化するはり(平等強さのはり)のたわみを求める。
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7週 |
【これまでに学習した内容の復習】 はりのたわみの復習 |
これまでに学習したはりのたわみについて確実に理解する。(課題)
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8週 |
【中間試験】 右に記載の内容について確認する。 |
さまざまな静定はりについて、たわみ曲線が解けるか確認する。
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4thQ |
9週 |
【中間試験の解答、複雑なはり】 中間試験の解答。不静定はり(一端固定・他端支持はり) |
一端固定・他端支持はりについて、せん断力、曲げモーメント、SFD、BMDを求める。
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10週 |
【複雑なはり】 不静定はり(両端固定はり) |
両端固定はりについて未知反力を求めるとともに、最大曲げモーメントと最大たわみを求める。
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11週 |
【内圧を受ける薄肉構造物の応力】 内圧を受ける薄肉円筒には二つの引張力が生じることを理解し、導出できるようにする。その大小関係から、薄肉容器の特性を理解する。 |
円筒薄肉容器および球形薄肉容器の問題を解く。
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12週 |
【長柱の座屈(Eulerの式)】 曲げの式からEulerの式を導出し、両端の拘束条件により座屈荷重にかかる定数の変化を説明する。 |
座屈が曲げによって生じることを理解し、Eulerの式を使って座屈荷重と座屈応力を求める。
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13週 |
【骨組み構造(トラス)】 トラスの部材に作用する応力と節点の変位 |
トラスの部材に作用する応力と節点の変位を求める。
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14週 |
【総復習】 |
これまでに学習した内容を復習する。(課題)
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15週 |
【期末試験】 右に記載の内容について確認する。 |
不静定はり、座屈、トラス、流体圧を受ける物体の問題が解けるか確認する。
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16週 |
【答案返却など】 期末試験の解答。まとめ。 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 3 | 前11 |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | 後12,後13 |
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。 | 4 | 後12,後13 |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5 |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,後10 |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5 |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。 | 3 | 前6,前9 |
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。 | 3 | 前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |