制御工学特論

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 制御工学特論
科目番号 0085 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 担当教員作成資料、本科で使用した以下の参考テキストを使用
参考テキスト:小林・鈴木「基礎制御工学」(共立出版)、添田・中溝「自動制御の講義と演習」(日新出版)、中溝・小林「システム制御の講義と演習」(日新出版)
担当教員 小野寺 良二

到達目標

1.フィードバック制御による古典制御理論が十分にわかる。
2.現代制御理論の基礎概念がわかる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 古典制御理論に基づくフィードバック系を理解し、適用できる。古典制御理論に基づく、制御系の設計が十分に行える。補償要素を組み入れることでフィードバック制御系の特性を改良できる。伝達関数による制御システムの設計が不十分。
評価項目2 現代制御理論の基礎概念を理解している。離散時間システムにおける可制御性、可観測性を理解し、判定できる.可制御性と可観測性を理解している.可制御性と可観測性の理解が不十分.

学科の到達目標項目との関係

③専門分野に加えて基礎工学をしっかり身につけた生産技術に関る幅広い対応力 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科で学習した自動制御について特性の改良を目的とした補償について掘り下げた学習を行う。
さらに機械や装置の制御系において、コンピュータを組み込みディジタル制御が広く利用されるようになっている。そこで、多入力多出力システムの解析手法を習得し、制御技術者に必要な制御システムの解析・設計法の基礎を学習する。
授業の進め方・方法:
*講義内容をオンデマンド配信による方法での授業をベースとし、状況によっては対面とすることもある。
*講義の理解度の確認のため、試験および最終レポートの実施、不定期に課す演習課題に取り組む形をとる。
*試験問題のレベルや具体的な進め方については、初回授業のガイダンスで詳細を説明する。
注意点:
*本講義に臨む上で、準備学習として本科で学習した自動制御(主に古典制御理論)を復習しておくこと。
*総合評価で「不可」となった者のうち、総合評価成績が50点から59点だった学生に対しては、1回のみ再試験を実施する。ただし、未提出の課題がある者については再試験は行わない。

事前・事後学習、オフィスアワー

*事前・事後学習:取り組み方等については、初回授業のガイダンスで説明する。
*オフィスアワー:講義内容、課題などに質問がある場合、在室時は随時対応する。(1号館1階ロボメカ研究室)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
計測の基礎、各種測定量の測定法
物理量の計測方法と計測機器
伝計測の定義と種類が理解できる。
測定誤差、国際単位系の構成が理解できる。
代表的な物理量の計測方法と計測機器が理解できる。
2週 古典制御論と現代制御論の基礎概念 伝達関数による古典制御論とシステム方程式を用いた現代制御論について理解できる。
3週 自動制御の基礎数学 ラプラス変換、逆ラプラス変換の基本性質が理解でき、それらを用いた微分方程式解法が理解できる。
4週 伝達関数とブロック線図 伝達関数の定義を理解し導出できる。
簡単なモデルをブロック線図にて表現できる。
5週 フィードバック系の過渡応答・定常応答 過渡応答および定常応答を理解し、その応答から制御系の特性が説明できる。
6週 フィードバック系の周波数応答 ベクトル軌跡、ボード線図が図示でき、周波数応答との関係が理解できる。
7週 中間試験 講義前半の内容の理解度を確認する。
8週 講義の前半の振り返り これまでの内容を復習し、理解度の向上をはかる。
4thQ
9週 制御系の安定不安定 特性方程式を理解し、安定不安定について説明できる。
10週 安定判別法(1) ラウス・フルビッツの判別法を理解し、特殊なケースも含め安定判別ができる。
11週 安定判別法(2) ナイキストの判別法を理解し、特殊なケースも含め安定判別ができる。
安定余裕について理解ができる。
12週 状態方程式の解とシステムの安定性理論 システムの状態方程式を導出し、その解を求めることができる。
13週 システムの可制御性と可観測性 システムの可制御性と可観測性について理解ができる。
14週 講義の後半の振り返り 講義後半の内容の理解度を確認する。
15週 講義の総まとめ これまでの内容を復習し、理解度の向上をはかる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。5後1,後8
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。5後1,後8
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。5後1,後8
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。5後1,後8
自動制御の定義と種類を説明できる。5後2,後8
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。5後2,後8
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。5後3,後7,後8
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。5後3,後7,後8
伝達関数を説明できる。5後4,後7,後8
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。5後4,後7,後8
制御系の過渡特性について説明できる。5後5,後7,後8
制御系の定常特性について説明できる。5後5,後7,後8
制御系の周波数特性について説明できる。5後6,後7,後8
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。5
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。5後4,後7,後8
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。5後4,後7,後8
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。5後5,後7,後8
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。5後5,後7,後8
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。5後6,後7,後8
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。5後9,後10,後14,後15

評価割合

中間試験レポート演習課題取組姿勢合計
総合評価割合35351515100
基礎的能力101051540
専門的能力252510060