伝熱工学A

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 伝熱工学A
科目番号 15005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 1st-Q 週時間数 2
教科書/教材 JSMEテキストシリーズ 伝熱工学 日本機械学会
担当教員 德永 敦士

到達目標

1.熱輸送の基本法則を理解し,伝熱三形態の支配方程式から伝熱量を計算できる.
2.フーリエの法則(熱伝導)を理解し,熱流束の計算ができる.
3.ニュートンの冷却の法則(熱伝達)を理解し,伝熱量の計算ができる.

ルーブリック

優れた到達レベルの 目安良好な到達レベルの 目安最低限の到達レベルの 目安未到達レベルの 目安
伝熱三形態身近な熱現象について伝熱三形態を用いた考察ができる.伝熱三形態の支配方程式を用いて複合的な解析ができる.伝熱三形態を理解し,支配方程式を使うことができる.伝熱三形態を説明することができず,支配方程式を用いて計算できない.
熱伝導非定常熱伝導方程式を導出でき,熱抵抗,熱通過について説明,解析及びフーリエの法則を用いた解析ができる.熱抵抗,熱通過率を用いて,熱流束を計算できる.フーリエの法則を用いた計算ができる.フーリエの法則を理解できておらず計算出来ない.
熱伝達ニュートンの冷却の法則,境界層について理解し,平板,円管内の熱伝達率の計算及び熱交換器の伝熱特性の解析ができる.平板,円管内の熱伝達率の計算ができる.ニュートンの冷却の法則を用いた計算ができる.ニュートンの冷却の法則を用いた計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE (C) 説明 閉じる
教育目標 (E)④ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
エネルギーの保存則と熱エネルギーの輸送,さらにはエネルギーの利用システムに関する基礎を学ぶことを目的とする.なかでも熱輸送の基礎理論の修得を目指し,熱伝導,熱伝達,放射伝熱の伝熱三形態を中心として講義を展開する.
授業の進め方・方法:
この授業では,式の導出や問題の解答は積極的に学生に取り組んでもらう.その導出の中でポイントとなる伝熱の知識を示していく.内容は熱の伝わりを考えることであるが,目に見えないためイメージしづらい側面がある.そこで身近な熱現象を紹介しつつ,イメージできるように工夫したい.
注意点:
エネルギー保存則と熱エネルギーの輸送やエネルギー利用の基礎を学ぶ科目になります.機械設計では熱管理の技術は必要不可欠であり,技術者にとって最も重要な知識になります.熱輸送の基礎理論を習得することを目標に,熱伝導,熱伝達,放射伝熱の伝熱三形態を中心に展開します.熱力学と水力学,流体力学の知識が必要になるため,しっかりと復習しておいてください.

近年,エネルギーに関する問題が様々取り上げられており,太陽光発電や燃料電池などのクリーンエネルギーが注目されています.しかし,発電所が完全になくなることは現実的ではなく,引き続き利用されることが想定されます.本講義では発電に用いられる熱交換器の設計手法はもちろん,家屋の断熱技術などを学ぶことができます.身近な熱現象と講義の内容をリンクさせ,熱管理の知識を習得してください.

学期内に成績を再評価する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 エネルギー保存則と伝熱三形態
伝熱三形態について理解し,単純な問題の計算ができる.
2週 熱伝導の基礎,フーリエの法則,一次元定常熱伝導 フーリエの法則を理解し,一次元定常の熱伝導の計算ができる.
3週 熱伝導方程式の導出 エネルギーの収支から熱伝導方程式を導き,非定常の意味を理解できる.
様々な系の熱伝導方程式を導き,熱伝導の理解を深める.
4週 熱通過と熱抵抗と非定常熱伝導(集中定数系)とニュートンの冷却の法則 熱通過,熱抵抗の意味を理解し,伝熱量の計算ができる.また集中定数系の非定常計算及び熱伝達率の計算ができる.
5週 対流伝熱における速度・温度境界層と熱伝達I 層流と乱流の対流熱伝達について理解する.また局所熱伝達率と平均熱伝達率について理解できる.
6週 対流伝熱における速度・温度境界層と熱伝達II
対流伝熱における速度・温度境界層と熱伝達III
平板,円管内の熱伝達について理解できる.
温度と速度の境界層理論について理解できる.
7週 次元解析と熱伝達率の無次元表示 無次元数の意味を理解し,無次元化による式表現ができる.
8週 期末試験
期末試験解説
期末試験を行う.
試験の返却・解説を行う.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体層流と乱流の違いを説明できる。4
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4

評価割合

試験小テストレポート合計
総合評価割合602020100
知識の基本的な理解30102060
思考・推論・創造への適用力3010040