熱工学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 熱工学
科目番号 0116 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:1
教科書/教材 教科書: 一色 尚次,北山 直方 「わかりやすい熱力学 SI版」 森北出版田坂 英紀 「伝熱工学」 森北出版 参考書:牧野州秀,奥野純平,岐美 格 工業熱力学 森北出版    関 信弘 「伝熱工学」 森北出版
担当教員 益田 卓哉

到達目標

1.伝熱について理解すること.
2.沸騰について理解すること.
3.蒸気サイクルについて理解すること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1伝熱について理解し,これに関する問題を解くことができる.伝熱について理解し,これに関する問題をある程度解くことができる.伝熱について理解されず,これに関する問題を解くことができない.
評価項目2沸騰について理解し,これに関する問題を解くことができる.沸騰について理解し,これに関する問題をある程度解くことができる.沸騰について理解されず,これに関する問題を解くことができない.
評価項目3蒸気サイクルについて理解し,これに関する問題を解くことができる.蒸気サイクルについて理解し,これに関する問題をある程度解くことができる.蒸気サイクルについて理解されず,これに関する問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は,本校の教育目標のうち「基礎力(専門)」を養う科目である.熱工学は,工業製品のほとんどに関わりをもつ学問であり,機械工学において重要な分野である.授業では,熱移動と相変化についてあつかう.熱伝導,熱対流,熱放射を終えた後に沸騰と蒸気サイクルについて講義する.この科目は,製造業関連の職業能力開発支援を担当していた教員が,その経験を活かし,熱工学について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
熱工学は,4年生で学ぶ工業熱力学よりも更に工学的な問題を扱う.将来,現実の問題を扱うときに本質を見抜く力をつけるためにも,工業熱力学を復習しより深い理解につなげてほしい.なお,毎週水曜日の16時~17時をオフィスアワーとするので,質問などがある学生は担当教員の研究室に来ること.
 また,次のような自学自習を45時間以上行うこと.
 ・授業内容を理解するため,予め配布したプリントや教科書で予習する.
 ・授業内容の理解を深めるため,復習を行う.
 ・課題を与えるので,レポートを作成する.
 ・定期試験の準備を行う.
注意点:
授業での到達目標が達成され,専門基礎的な原理の理解と応用力が習得されたかを評価する.成績は定期試験の得点,演習の得点の合計によって評価する.成績の評価は,定期試験,演習・小テストの点数により行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,伝熱概論 伝熱の応用先について理解し説明できる.
2週 伝熱の三形態 伝熱の三形態について理解し説明できる.
3週 定常熱伝導 定常熱伝導について理解し説明できる.
4週 二次元熱伝導 二次元定常熱伝導について理解し説明できる.
5週 非定常熱伝導 非定常熱伝導について理解し説明できる.
6週 強制対流熱の流れ状態 強制対流熱の流れ状態について理解し説明できる.
7週 強制対流熱伝達 層流 強制対流熱伝達 層流について理解し説明できる.
8週 前期中間までの復習(前期中間試験) 前期中間までに習った内容を理解する.
2ndQ
9週 強制対流熱伝達 乱流 強制対流熱伝達 乱流について理解し説明できる.
10週 物体まわりの熱伝達 物体まわりの熱伝達について理解し説明できる.
11週 自然対流熱伝達 自然対流熱伝達について理解し説明できる.
12週 放射の性質 放射の性質について理解し説明できる.
13週 放射伝熱 放射伝熱について理解し説明できる.
14週 相変化を伴う熱伝達 沸騰 相変化を伴う熱伝達 沸騰について理解し説明できる.
15週 前期末間試験 前期末までに習った内容を理解する.
16週 復習 前期末までに習った内容について,自らの課題を認識し修正できる.
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,熱工学の応用事例 熱工学の全体像を理解する.
2週 水の固・液・気体相成立と温度,圧力の関係 水の固・液・気体相成立と温度,圧力の関係を理解する.
3週 圧縮水,飽和蒸気,過熱蒸気,臨界点 圧縮水,飽和蒸気,過熱蒸気,臨界点
4週 温度・圧力基準飽和蒸気表,過熱蒸気表 温度・圧力基準飽和蒸気表,過熱蒸気表を理解する.
5週 乾き度,各状態での状態量の求め方 乾き度,各状態での状態量の求め方を理解する.
6週 蒸気の等圧,等温,断熱変化と絞り 蒸気の等圧,等温,断熱変化と絞りを理解する.
7週 蒸気表と蒸気線図(h-s線図)(T-s線図)(p-h線図) 蒸気表と蒸気線図(h-s線図)(T-s線図)(p-h線図)を理解する.
8週 蒸気表と蒸気線図(h-s線図)(T-s線図)(p-h線図) 蒸気表と蒸気線図(h-s線図)(T-s線図)(p-h線図)を理解する.
4thQ
9週 ランキンサイクル ランキンサイクルを理解する.
10週 入口圧力の影響 入口圧力の影響を理解する.
11週 入口温度の影響 入口温度の影響を理解する.
12週 背圧の影響 背圧の影響を理解する.
13週 再生サイクル 再生サイクルを理解する.
14週 再熱サイクル 再熱サイクルを理解する.
15週 学年末試験 学年末までに習った内容を理解する.
16週 復習 学年末までに習った内容について,自らの課題を認識し修正できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3
熱力学の第一法則を説明できる。3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3
熱力学の第二法則を説明できる。3
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。3
サイクルをT-s線図で表現できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000