送配電工学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 送配電工学
科目番号 0094 科目区分 専門 / 必修選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気・電子コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 電力技術1 新訂版,石井彰三 熊谷文宏 ほか著,実教出版  
担当教員 森谷 克彦

到達目標

本授業の目的は「電力系統の構成」「送配電線路の諸特性」「電線路の故障計算」について理解することである.そのため以下のような達成目標を設定する.
1.電力系統の構成と電気方式,送配電線路の電気的特性について説明できる.
2.送配電線路の機械的特性,電線路に使用される電線,ケーブル等の特徴について説明できる.
3.電線路の故障計算ができる.かつ中性点設置方式,誘導障害対策,異常電圧対策について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 「電力系統の構成と電気方式,送配電線路の電気的特性について説明できるか」電力系統の構成と電気方式の違いや特徴を説明でき,送配電線路の電気的特性について計算も含めて説明できる.左記について,定性的に説明できる.左記ができない.
評価項目2 「送配電線路の機械的特性,電線路に使用される電線,ケーブル等の特徴について説明できる」到達目標2.について,計算も含めて説明できる.左記について,定性的に説明できる.左記ができない.
評価項目3 「電線路の故障計算ができる.かつ中性点設置方式,誘導障害対策,異常電圧対策について説明できる」到達目標3.について,計算も含めて説明できる.左記について,定性的に説明できる.左記ができない.

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。   説明 閉じる

教育方法等

概要:
発電所から電気の使用場所まで,電力を安全・確実かつ効率よく輸送する送配電技術は広範囲の知識を必要とする.これまでに学んだ電気磁気学,電気回路,電気機器,高電圧工学等の知識がどのように応用されているかという視点から講義する.
授業の進め方・方法:
 講義(対面)形式の授業である.定期試験(中間試験40 %,期末試験40 %),課題10%,受講態度・学習への取り組み方10 %を総合的に評価し,総合評価60 点以上を合格とする.ただし,コロナ対応により遠隔授業によるe-ラーニング形式(教材配信)で講義を行う可能性もある.遠隔講義の場合,定期試験の評価は授業中の課題による評価に替わる場合もある.
 各試験は,各到達目標に対応した内容の問題を出題する.試験問題のレベルは,各到達目標が確認できる程度とする.
注意点:
電気主任技術者認定の必修科目である.
なお,「不可」となった者のうち,総合評価成績が55点から59点だった学生に対しては,1回のみ再試験を実施する.
ただし,課題の評価が50%未満の学生については再試験を行わない.

事前・事後学習、オフィスアワー

講義前の事前学習として必ず予習を行う.また,事後学習として復習および対応する教科書の例題,章末問題を解く.
本科目は学修単位のため,事前・事後展開学習として以下のような自学自習を60時間以上行うこと.
1)授業中配布する課題を回答してレポートとする.(約20時間)
2)電線路に使われる電線,ケーブルの調査レポート.(約20時間)
3)電線路の故障計算に関する課題を回答してレポートとする.(約20時間)
【オフィスアワー】16:00-17:00
※会議等で不在となることがあるので,事前に教員の予定を聞いておくことを薦める.実施日,時間は柔軟に対応する(上記時間帯以外も対応します).

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(講義概要,シラバスの説明) 本講義の実施方法および評価方法を理解できる.
2週 送配電の概要 送配電技術の発展過程,電力系統の構成について理解でき,電気方式について説明できる.
3週 架空送電線路とその機械的特性 架空送電線路の構成とその機械的特性を理解できる.
4週 架空送電線路とその機械的特性 架空送電線路の構成とその機械的特性を理解できる.
5週 架空送電線路とその電気的特性 架空送電線路の電気的特性を理解できる.
6週 架空送電線路とその電気的特性 架空送電線路の電気的特性を理解できる.
7週 地中送電線路 地中送電線路の特性を理解できる.
8週 中間試験 中間試験の範囲を包括的に理解できる.
4thQ
9週 答案返却,解答解説
送電と変電の運用
誤答したところを理解できる.
定電圧送電について理解できる.
10週 送電と変電の運用
送電線路の事故
定電圧送電について理解できる.
送電線路の事故について理解できる.
11週 故障計算 故障の種類,故障計算法について理解し,短絡・地絡計算ができる.
12週 故障計算 故障の種類,故障計算法について理解し,短絡・地絡計算ができる.
13週 配電系統の構成
配電系統の構成について理解できる.
14週 配電線路の構成と特徴 架空配電線路および地中配電線路の構成とその特徴を理解できる.
15週 送配電線路の保護対策 送配電線路の保護対策はどのように行われているか説明できる.
16週 卒業試験 本科目に関して包括的に理解している.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4後5,後6,後11,後12
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4後5,後6,後11,後12
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4後5,後6,後11,後12
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4後5,後6,後11,後12
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4後5,後6,後11,後12
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4後5,後6,後11,後12
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4後5,後6,後11,後12
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4後5,後6,後11,後12
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4後5,後6,後11,後12
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4後5,後6,後11,後12
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4後5,後6,後11,後12
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4後5,後6,後11,後12
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4後5,後6,後11,後12
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4後5,後6,後11,後12
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4後5,後6,後11,後12
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4後5,後6,後11,後12
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4後5,後6,後11,後12
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4後2,後6,後10,後13,後14,後15
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4後2,後6,後9,後10,後13,後14,後15
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4後2,後7,後9,後10,後13,後14,後15
電力システムの経済的運用について説明できる。4後2,後7,後9,後10,後13,後14,後15
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4後2,後7,後9,後10,後13,後14,後15

評価割合

中間試験期末試験提出物態度合計
総合評価割合40401010100
基礎的能力0001010
専門的能力404010090