概要:
(1) 物理の科目を学び、自然現象を科学的に説明できるとともに、各学科の専門科目を理解できる能力を身につける授業を行う。
(2) 自動車の様な乗り物の運動や、ボールの運動の様な、速さや動く向きが絶えず変化し、良く観察すると複雑な運動を正確に表す方法を学ぶ。
(3) 物を持ち上げたり運んだりするには力が必要であり、身の回りの運動する物体には、重力や摩擦力が働いている。この様な力の性質を学び、物体に力が働いた時の運動状態について学習する。
授業の進め方・方法:
(1) 講義を行い、ノートをとってもらった後に、演習プリントを配布し、問題を解いてもらう。
(2) 問題を解き、発表する際には、質疑応答を行うことで互いの理解を深める様にする。
(3) 理解した内容をチェックするために、Blackboardのオンラインテストを受講して下さい。
(4) Blackboardから配信している、学習到達度試験対策の電子書籍をダウンロードして、問題演習に役立てて下さい。
注意点:
(1) 物理量の持つ意味と単位を明確に理解する。例えば、電子、電流、磁界、加速度、力、運動の法則、運動方程式、モーメントと重心、熱量、比熱、理想気体といった用語を自分の言葉で説明出来るくらい明確に理解する。用語の捕らえ方の違いから来る誤解を招かない様に注意する。
(2) 用語の意味を踏まえた上で、法則の意味(イメージ)がつかめているかどうか、公式の導出過程が解ったかどうかを確認する。ノートに枠で囲ってある式は必ず覚える。
(3) 特に試験前には、演習プリントを自力で解き直す(最初から、ノートや解答を見て答えだけを探そうとしない)。自分で考えながら解く事で、法則の適用の仕方を身に付ける。
(4) 授業態度を含め、あたりまえの事をきちんとやる。苦手だからこそ、ノート、演習プリントは完全に提出できる様、毎時間、常に整えておきましょう。
試験問題の大半を占める演習プリントの問題を解ける様にしておく。解けない場合は、必ず質問して下さい。質問をする時は、ノートやプリントを持って来て下さい。
(5) 何が足りなかったから解けなかったのか、何が理解出来ていれば解けていたのかを認識出来る様に、ある程度の長時間を掛けて頑張って下さい。
(6) 専門科目の「工業力学」、「材料力学」、「電気回路」、「電子電気工学」、「電磁気学」、「応用物理」等に発展して行く為の基礎を取り扱う。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 後5,後7 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 後6,後8 |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | 後10 |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
運動の法則について説明できる。 | 3 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | |
角運動量を求めることができる。 | 3 | |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | |
重心に関する計算ができる。 | 3 | |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |