科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理
科目番号 0039 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般教科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「物理基礎」高木堅志郎、植松恒夫編(啓林館)、「物理」高木堅志郎、植松恒夫編(啓林館)、「学習到達度試験(物理)過去問演習」藤原滋泰( http://dep.hiroshima-cmt.ac.jp/~general/staff/fujiwara1.htm )
担当教員 藤原 滋泰

到達目標

(1) 物体に力が働いた時の運動の状態を理解出来る様になり、具体的な計算ができる様になる。
(2) エネルギーと仕事の関係、エネルギー相互の変換、エネルギー保存則を学び、理解を深められる様になる。
(3) 波の基本的性質を学び、身近な波である音や光について理解し、波についての各種の物理量を計算できる様になる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力の概念と各法則について理解しており、複雑な合成や分解の計算結果を運動方程式に正しく代入し、計算することも出来る。力の種類と単位、フックの法則、力の合成と分解、力の成分、力の釣り合い、作用・反作用の法則、慣性の法則、運動の法則について説明でき、運動方程式を解ける。力についての基本的な概念を説明できず、力についての法則も理解出来ない。運動方程式を立てることも出来ない。
評価項目2複数の力が働く場合でも運動方程式を立てることが出来、それらを正しく連立して解くことができる。摩擦角についての問題も解くことができる。張力が働く場合の運動、押し合う力が働く2物体の運動、摩擦力が働く場合の運動、空気抵抗が働く場合の運動、圧力と浮力について基本的な問題を解くことができる。力の働きについて説明できない。または、力のベクトルを図形に記入することが出来ない。よって、運動方程式を立てることも出来ない。
評価項目3波の位相、横波と縦波、波の独立性と重ね合わせの原理、定常波、自由端反射と固定端反射についての応用的な問題を解くことが出来る。媒質の振動、等速円運動と単振動、波の位相、横波と縦波、波の独立性と重ね合わせの原理、定常波、自由端反射と固定端反射についての基本的な問題を解ける。波や等速円運動、単振動の基本的な概念を理解しておらず、波についての基本的な物理量の計算ができない。自由端や固定端で反射した波についての簡単な作図もできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1) 自動車の様な乗り物の運動や、ボールの運動の様な、速さや動く向きが絶えず変化し、良く観察すると複雑な運動を正確に表す方法を学ぶ。
(2) 物を持ち上げたり運んだりするには力が必要であり、身の回りの運動する物体には、重力や摩擦力が働いている。この様な力の性質を学び、物体に力が働いた時の運動状態について学習する。
(3) 運動がエネルギー保存則により理解出来る事を学び、エネルギーと仕事の関係、エネルギーの種類と相互変換なども学習する。
(4) 波の基本的性質を学び、身近な波である音や光について理解し、波についての各種の物理量を計算できる様になる。
授業の進め方・方法:
(1) 講義を行い、ノートをとってもらった後に、演習プリントを配布し、問題を解いてもらう。
(2) 問題を解き、発表する際には、質疑応答を行うことで互いの理解を深める様にする。
(3) 理解した内容をチェックするために、Blackboardのオンラインテストを受講して下さい。
(4) Blackboardから配信している、学習到達度試験対策の電子書籍をダウンロードして、問題演習に役立てて下さい。
注意点:
(1) 物理量の持つ意味と単位を明確に理解する。例えば、電子、電流、磁界、加速度、力、運動の法則、運動方程式、モーメントと重心、熱量、比熱、理想気体といった用語を自分の言葉で説明出来るくらい明確に理解する。用語の捕らえ方の違いから来る誤解を招かない様に注意する。
(2) 用語の意味を踏まえた上で、法則の意味(イメージ)がつかめているかどうか、公式の導出過程が解ったかどうかを確認する。ノートに枠で囲ってある式は必ず覚える。
(3) 特に試験前には、演習プリントを自力で解き直す(最初から、ノートや解答を見て答えだけを探そうとしない)。自分で考えながら解く事で、法則の適用の仕方を身に付ける。
(4) 授業態度を含め、あたりまえの事をきちんとやる。苦手だからこそ、ノート、演習プリントは完全に提出できる様、毎時間、常に整えておきましょう。
試験問題の大半を占める演習プリントの問題を解ける様にしておく。解けない場合は、必ず質問して下さい。質問をする時は、ノートやプリントを持って来て下さい。
(5) 何が足りなかったから解けなかったのか、何が理解出来ていれば解けていたのかを認識出来る様に、ある程度の長時間を掛けて頑張って下さい。
(6) 専門科目の「工業力学」、「材料力学」、「電気回路」、「電子電気工学」、「電磁気学」、「応用物理」等に発展して行く為の基礎を取り扱う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.運動の法則 1-(1) 慣性の法則、運動の法則について説明でき、問題を解くことができる。
1-(2) 運動方程式、重力と質量、単位と次元について説明でき、運動方程式を解くことができる。
2週 2. 運動方程式の応用 2-(1) 張力が働く場合の運動、押し合う力が働く2物体の運動について説明でき、運動方程式を解くことができる。
3週 2. 運動方程式の応用 2-(2) 摩擦力が働く場合の運動、静止摩擦力、摩擦角、動摩擦力についての問題を解くことができる。
4週 2. 運動方程式の応用 2-(3) 空気抵抗が働く場合の運動について説明でき、運動方程式を解くことができる。
5週 2. 運動方程式の応用 2-(4) 圧力と浮力についての計算ができる。
6週 3. 仕事とエネルギー 3-(1) 仕事の原理、仕事、仕事率
7週 3. 仕事とエネルギー 3-(2) 負の仕事、曲面に沿って動く場合の仕事
8週 前期中間試験
答案返却・解説
2ndQ
9週 3. 仕事とエネルギー 3-(3) 物体の運動エネルギーに関する計算ができる。
3-(4) 運動エネルギーと仕事に関する計算ができる。
10週 3. 仕事とエネルギー 3-(5) 重力による位置エネルギーに関する計算ができる。
11週 3. 仕事とエネルギー 3-(6) 弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。
12週 3. 仕事とエネルギー 3-(7) 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
13週 4. 温度と熱 4-(1) 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について理解している。
4-(2) 物体の熱容量と比熱について理解している。
14週 4. 温度と熱 4-(3) 時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを理解している。
4-(4) 熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。
15週 4. 温度と熱 4-(5) 気体の内部エネルギーについて理解している。
4-(6) 熱力学第一法則について理解している
16週 前期期末試験
答案返却・解説
後期
3rdQ
1週 4. 温度と熱 4-(7) エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを、具体例を挙げて説明できる。
4-(8) 不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。
2週 4. 温度と熱 4-(9) 熱機関について理解し、熱効率に関する計算ができる。
3週 5. 波の伝わり方 5-(1) 波の波長、周期、振動数、速さについて説明と計算が出来る。
4週 5. 波の伝わり方 5-(2) 横波と縦波についての計算や作図ができる。
5週 6. 波の重ね合わせ・干渉と回折 6-(1) 波の重ね合わせの原理を理解している。
6-(2) 波の独立性を理解している。
6週 6. 波の重ね合わせ・干渉と回折 6-(3) 定常波、自由端反射と固定端反射についての計算や作図ができる。
7週 6. 波の重ね合わせ・干渉と回折 6-(4) 波面、2つの波の干渉、波の回折の問題が解ける。
8週 後期中間試験
答案返却・解説
4thQ
9週 7. 波の反射と屈折・音 7-(1) 波の反射と屈折、ホイヘンスの原理についての問題が解ける。
7-(2) 音波について説明でき、音波の性質に関する問題が解ける。
10週 7. 波の反射と屈折・音 7-(3) 音源の振動、ドップラー効果についての計算ができる。
11週 7. 波の反射と屈折・音 7-(4) 弦の長さと、弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。
12週 7. 波の反射と屈折・音 7-(5) 気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。
13週 7. 波の反射と屈折・音 7-(6) 共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。
14週 8. 光 8-(1) 光の進み方、光の性質についての問題が解ける。
15週 8. 光 8-(2) レンズ、光の回折と干渉についての計算ができる。
16週 学年末試験
答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前12
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前10
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前10
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前11
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前13
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前15
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前15
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後1
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3後1
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後2
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701002000100
基礎的能力4050200065
専門的能力305000035
分野横断的能力0000000