創造工学Ⅲ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 創造工学Ⅲ
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報科学・工学系共通科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 なし/自作プリント
担当教員 中村 嘉彦

到達目標

工学基礎力(ICT活用、数学活用を含む)を高め、様々な工学分野の課題に対応するための基礎力を身につける。
自身の将来のライフプランや職業観・勤労観を意識し,進路実現のための自己分析ができる。
グループワークを通じて,問題発見から問題解決までのプロセスを理解し実践することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工学基礎力を高め、様々な工学分野の課題に対応するための基礎力を身につけることができる。工学基礎力を高め、様々な工学分野の課題に挑戦することができる。工学基礎力が不十分で、様々な工学分野の課題に挑戦することができない。
評価項目2自身の将来のライフプランや職業観・勤労観を意識し,進路実現のための自己分析ができる。自身の将来のライフプランや職業観・勤労観を意識することができる。自身の将来のライフプランや職業観・勤労観を意識できず,進路実現のための自己分析もできない。
評価項目3問題発見から問題解決までのプロセスを理解し実践することができる。問題発見から問題解決までのプロセスを理解している。問題発見から問題解決までのプロセスを理解せず,実践することもできない。

学科の到達目標項目との関係

学習目標 Ⅱ 実践性
学習目標 Ⅲ 国際性
本科の点検項目 C(コミュニケーション) 日本語で記述,発表,討論するプレゼンテーション能力と国際的な場でのコミュニケーションをとるための語学力の基礎能力を身につける
本科の点検項目 C-ⅰ 自分の考えをまとめてプレゼンテーションできる
本科の点検項目 C-ⅱ 相手の意見や主張を理解し,討論できる
本科の点検項目 C-ⅲ 自分の考えをまとめてプレゼンテーションできる
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅲ 情報技術を利用できる
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の習得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる
本科の点検項目 F-ⅲ 専門とする分野の技術を実践した結果を工学的に考察して,期限内にまとめることができる

教育方法等

概要:
自身の専門分野にとどまらず,幅広い視点から問題解決のためのプロセスを立案し,チームワークによって実践する。また、キャリア形成に必要な能力や態度を身に付ける。
授業の進め方・方法:
通常、実験等と演習等を毎週行う。
授業は基本的にグループ単位での演習や実験を行う。
注意点:
・学習にあたっては、自己のキャリアについて常に意識し、将来の進路選択を行う際の参考にすること。
・ICT活用能力を高めるため、Blackboardに解答する簡単な小テストやアンケートを課すことがある。
・授業時間以外も活用してグループで調査研究や製作活動に取り組むことが必要となる項目もある。
・グループ学習では、自分の役割を見つけ、グループ活動に積極的に参加すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 学習内容を把握する
2週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発1 与えられたより高度なロボット制御を必要とする課題を解決する方法を検討しまとめることができる
3週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発2 与えられたより高度なロボット制御を必要とする課題を解決する方法を検討しまとめることができる
4週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発3 与えられたより高度なロボット制御を必要とする課題を解決する方法を検討しまとめることができる
5週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発4 解決方法にもとづき,LEGOを用いた課題解決のためのプログラムを開発することができる
6週 情報セキュリティ教育 情報セキュリティについて理解できる
7週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発5 解決方法にもとづき,LEGOを用いた課題解決のためのプログラムを開発することができる
8週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発6 解決方法にもとづき,LEGOを用いた課題解決のためのプログラムを開発することができる
2ndQ
9週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発7 解決方法にもとづき,LEGOを用いた課題解決のためのプログラムを開発することができる
10週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発8 解決方法にもとづき,LEGOを用いた課題解決のためのプログラムを開発することができる
11週 キャリア教育(キャリアパス講演) OBからの講演を聞き、職業に対するイメージを明確にする
12週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発9 解決方法にもとづき,LEGOを用いた課題解決のためのプログラムを開発することができる
13週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発10 解決方法にもとづき,LEGOを用いた課題解決のためのプログラムを開発することができる
14週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発11 解決方法にもとづき,LEGOを用いた課題解決のためのプログラムを開発することができる
15週 課題解決のためのロボット制御プログラムの開発12 解決方法にもとづき,LEGOを用いた課題解決のためのプログラムを開発することができる
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 学習内容、機器の取扱方法を把握する
2週 開発ドキュメントの作成 ソフトウェア開発におけるドキュメントの作成方法について理解し、適切なドキュメントの作成方法を説明できる
3週 要求分析 ソフトウェア開発における要求分析について学習し、仕様書の作成ができる
4週 設計1 ソフトウェア開発における設計について学習し、設計書の作成ができる
5週 設計2 ソフトウェア開発における設計について学習し、設計書の作成ができる
6週 課題解決のためのマイコン制御プログラムの開発1 与えられた課題に対する解決方法を検討し,マイコンを用いた課題解決のためのプログラムを開発する
7週 課題解決のためのマイコン制御プログラムの開発2 与えられた課題に対する解決方法を検討し,マイコンを用いた課題解決のためのプログラムを開発する
8週 課題解決のためのマイコン制御プログラムの開発3 与えられた課題に対する解決方法を検討し,マイコンを用いた課題解決のためのプログラムを開発する
4thQ
9週 キャリア教育(ジョブトーク) OB等のエンジニアに対するインタビューを通して、種々の仕事内容や社会人としての役割について知る
10週 テスト設計 テストケースの設計方法を学習し、開発したプログラムに対するテストケースを設計できる
11週 テストとデバッグ 設計したテストケースによるテストの実行、および、その結果に基いたデバッグ処理ができる
12週 追加仕様への対応 テストやデバッグの結果から設計した仕様の修正や追加仕様に対する設計書修正を実施できる
13週 発表準備 与えられた課題の解決方法と,実際に作成したプログラムの動作について纏めることができる
14週 成果発表 与えられた課題の解決方法と,実際に作成したプログラムの動作について発表することができる
15週 授業の振り返り これまでの創造工学の内容について取りまとめ、整理し理解を深める
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
変数の概念を説明できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
データ型の概念を説明できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。3前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。3後4,後5
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3後4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前8,前10
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前3,前4
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前3,前4
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前3,前4
他者の意見を聞き合意形成することができる。3後4,後5
合意形成のために会話を成立させることができる。3後4,後5
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後4,後5
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後2,後3,後4,後5
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後2,後3,後4,後5
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前8,前15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前4,前8
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前3,前4,後3,後4,後5
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前8,前14,前15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前8,前15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前4,後3,後4,後5
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3後2
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3後3,後4,後5
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3後3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前14,前15,後10,後13,後14
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前15,後14

評価割合

工学基礎 キャリア教育PBL合計
総合評価割合302050100
基礎的能力2501035
専門的能力0152035
分野横断的能力552030