到達目標
○運動中の物体の運動方程式を立てられること.
○運動方程式を解き,固有振動数や減衰などの振動の性質を表現できること.
○振動の性質を理解し、その低減・防止方法について述べられること.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 複雑な二自由度および多自由度系であっても,運動中の物体の運動方程式を立てられる. | 簡単な二自由度および多自由度系であれば,運動中の物体の運動方程式を立てられる. | 簡単な二自由度および多自由度系であっても,運動中の物体の運動方程式を立てられない. |
評価項目2 | 運動方程式を解き,固有振動数や減衰などの振動の性質を計算でき,さらに,その低減・防止方法について具体的に検討できる. | 運動方程式を解き,固有振動数や減衰などの振動の性質を計算できる. | 運動方程式を解くことができず,固有振動数や減衰などの振動の性質を計算できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
【開講学期】前期週2時間
高速化・軽量化を求められる近年の機械設計において、その振動やそれによる騒音をいかに低減・防止するかは安全面、性能面、環境面で重要な問題である.この問題の解決には振動する機械要素の動力学的挙動の解明が必要である.本科目は本科5年次に開講された「機械力学」に引き続き,より実用的な問題である、2自由度系の振動および連続体の振動についてその現象を数学的に明らかにし,得られた式から各種の振動現象の性質について理解することを目標とする.
授業の進め方・方法:
本科目では、2自由度系の振動,多自由度系の振動,回転機械の振動,連続体(弦、棒,はり)の振動について,それらの動力学的挙動の定式化について議論する.振動解析は運動方程式を立てることが基本となる.授業での例題や課題のみならずより多くの問題に取組み,種々の問題について運動方程式が立てられるようにしてもらいたい.振動の種類により、運動方程式はある特定の型になる.講義では、その解法を解説し、得られる式からその振動の性質について議論する.演習問題により、その解法を身に付けたか理 解度を確認する.
定期試験(80%)、課題提出(20%)を100点満点で総合評価し、60点以上を合格とする.
注意点:
数学的素養が必要とされるので、特に微分積分の基礎は十分に復習しておくこと.「機械力学」や「材料力学」における学習内容の理解を前提として進める.工学的な振動問題はもちろん、身近な場面で体験する振動現象にも目を向け、講義で学んだ考え方や式などに当てはめて考えてみる姿勢を持ってほしい.
自学自習の成果は到達度試験によって評価する.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
復習:1自由度系の振動の性質 |
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2週 |
2自由度系の自由振動 |
2自由度系の振動の固有振動数を解析できる.
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3週 |
2自由度系の強制振動 |
2自由度系の強制振動の特性を解析できる.
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4週 |
粘性減衰のある2自由度系の振動 |
粘性減衰のある2自由度系の振動特性を解析できる.
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5週 |
吸振器 |
強制振動や粘性減衰のある振動における吸振器の効果を説明できる.
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6週 |
回転機械の危険速度 |
回転機械の危険速度を求められる.
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7週 |
回転機械のつりあわせ |
不釣り合いにある回転機械のつりあわせを解析できる.
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
多自由度系の運動方程式 |
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10週 |
運動方程式のマトリックス表示と慣性および剛性マトリックス |
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11週 |
モーダル解析 |
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12週 |
伝達マトリックスによる固有振動数の計算、マトリックスの反復操作法 |
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13週 |
連続弾性体の振動(弦の横振動、丸棒のねじり振動、棒の自由縦振動) |
弦の横振動などに対して運動方程式を立て,境界条件を適用し,固有振動数・振動モードを求めることができる.
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14週 |
はりの自由横振動 |
はりの自由横振動に対する運動方程式を立てることができ,基本的な場合(両端単純支持,両端固定,両端自由,一端単純支持他端固定など)について適切な境界条件を与えて解を求めることができる.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末試験の答案返却とまとめ |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 6 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 6 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 6 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 5 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 5 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 5 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 5 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 5 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 5 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 5 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 5 | |
評価割合
| 定期試験 | 演習課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |