概要:
【開講学期】春・夏学期週2時間
「材料」の発展は最近特に著しく、化学、電気・電子工学、機械工学、土木工学等あらゆる分野に新素材を提供している。この講義では、固体材料の結晶構造と材料などの特性について学ぶと共に、今日の工業技術の中でも中心的な役割を担っている機能性無機材料、金属材料などの各論について講義する。
※実務との関係
この科目は、全15週のうち、第8週から第15週において、企業で金属素材製造プロセスの改善・評価、高付加価値素材の製造方法の設計等の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、材料設計に資する金属材料の一般的性質、構造材料や機能性材料の特徴や性質ならびに金属資源動向などを講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
1.固体の結晶構造についてX線結晶学の基礎を交えながら講義を行う。また、固体材料の中でも多用されている磁性体および誘電材料の特性や無機材料の合成技術について学ぶ。
2.金属全般の一般的性質(強度・物性など)や加工方法と代表的な金属素材の特徴・用途について学ぶ。
(補充試験の場合は、試験の点数のみで合格となる。)
〇評価方法
・定期試験80%、小テスト、レポートを20%として評価を行う。
・答案およびレポートは採点後返却し、達成度を伝達する。
・総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
注意点:
1.本科で学習した化学や物理の知識が基礎になるので、必要に応じて復習および補強しなければならない。
2.各自の専門分野と関連づけて考察することが必要。
3.一般的な「材料」の重要性に対する関心を常に持ち、認識を深めること。
・自学自習は試験にて評価する。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 4 | 前8 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 1 | |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 4 | 前1 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 4 | 前1 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 2 | |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 2 | |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 1 | |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 2 | |
水の状態変化が説明できる。 | 2 | |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 2 | |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | |
同位体について説明できる。 | 2 | |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 1 | |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 1 | |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 2 | |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 4 | |
イオン結合について説明できる。 | 4 | |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 4 | |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 4 | |
共有結合について説明できる。 | 2 | |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 1 | |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 4 | |
金属の性質を説明できる。 | 4 | |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 1 | |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 1 | |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 1 | |
酸化還元反応について説明できる。 | 4 | |
イオン化傾向について説明できる。 | 1 | |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 1 | |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 2 | 前12 |