到達目標
1.結晶構造の表現方法を理解する。
2.物質の構造を解析する原理と手法を理解し、実際の研究に利用できるようにする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
X線の性質の理解。 | X線を利用した各種の測定装置の原理と用法の理解。 | X線の発生方法と電磁波としてのX線の性質を理解できている。 | X線の発生方法と電磁波としてのX線の性質を理解できていない。 |
評価項目2
結晶構造の表現方法の理解。 | 結晶構造(結晶面、結晶軸)の数学的な表現方法を理解できていること。 | 各種結晶構造の幾何学的な特徴を理解し、そのイメージを頭の中で描くことができること。 | 各種結晶構造の幾何学的な特徴を理解できていない。 |
評価項目3
X線の回折現象の数学的表現方法。 | 結晶構造の逆空間での表現方法を理解し、実験データの解析ができること。 | X線の解説現象が、数学的にはフーリエ解析により表現できることを理解できていること。 | フーリエ級数およびフーリエ変換が理解できていない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
「物性物理学」では、「固体物理」および「固体化学」の基礎である物質の結晶構造の表現方法と、X線解析の原理と手法を学ぶ。物質の構造を理解することは、物質の物理的・化学的性質を理解するための基礎であり、材料科学を学ぶ者にとっての必須の基礎知識である。
授業の進め方・方法:
結晶を構成する原子や分子の周期構造や対称性の表現には、ベクトルを用いた幾何学の考え方が応用され、X線の散乱・回折現象の表現にはフーリエ変換の手法が用いられる。X線解析では、フーリエ変換と結びついた逆格子ベクトルの考え方が中心となる。このように、物質によるX線の散乱・回折現象を中心に、物理現象の数学的手法による表現に慣れることも、この授業の一つの目的でもある。
注意点:
物性物理学では応用数学や応用物理のいろいろな知識が絡み合ってくるので、その一つ一つを解きほぐすことにより、その方法と内容の理解を深めることができる。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス、結晶構造解析学入門 |
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2週 |
X線の発生法と性質 (電磁波の数学的な表現方法) |
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3週 |
空間格子の幾何学 (格子点、格子面、格子軸、ミラー指数) |
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4週 |
空間格子の幾何学 (ベクトルの内積・外積、平面の方程式) |
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5週 |
逆格子ベクトル (ブラッグの回折条件、Ewaldの作図法) |
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6週 |
結晶格子の対称性と分類 (移動操作と対称性、ブラベ格子) |
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7週 |
X線の散乱 (フーリエ変換、原子散乱因子) |
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8週 |
X線の散乱 (結晶構造因子、消滅則) |
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4thQ |
9週 |
X線の散乱 (ラウエの回折関数、温度因子、結晶の粒径と完全性) |
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10週 |
X線回折法 (ラウエ法、粉末法) |
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11週 |
非晶質物質による散乱 (散乱強度、相関関数、動径分布関数、二体分布関数) |
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12週 |
非晶質物質の構造と性質 |
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13週 |
電子線回折法の原理 |
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14週 |
電子線回折法の応用 |
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |