電気回路II

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気回路II
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 柴田尚志「電気・電子系教科書シリーズ 電気回路(1)」コロナ社
担当教員 松岡 祐介

到達目標

交流回路の周波数特性・相互誘導現象および多相交流方式を理解し、回路解析法により実際的な計算法を習得することができる。
(1) 回路網に対する回路方程式の立て方を理解し、計算ができる。
(2) 回路の周波数特性について理解し、共振現象などの説明・計算ができる。
(3) 相互誘導現象を理解し、変圧器などの回路計算ができる。
(4) 多相交流方式の特性や結線方式の等価変換を理解し、各電圧・電流などの計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1回路網に対する回路方程式の立て方を理解し、計算ができる。回路網に対する回路方程式の立て方を理解し、計算がある程度できる。回路網に対する回路方程式の立て方や計算ができない。
評価項目2回路の周波数特性について理解し、共振現象などの説明・計算ができる。回路の周波数特性について理解し、共振現象などの説明・計算がある程度できる。回路の周波数特性についての理解、共振現象などの説明・計算ができない。
評価項目3相互誘導現象を理解し、変圧器などの回路計算ができる。相互誘導現象を理解し、変圧器などの回路計算がある程度できる。相互誘導現象の理解、変圧器などの回路計算ができない。
評価項目4 多相交流方式の特性や結線方式の等価変換を理解し、各電圧・電流などの計算ができる。 多相交流方式の特性や結線方式の等価変換を理解し、各電圧・電流などの計算がある程度できる。 多相交流方式の特性や結線方式の等価変換の理解、各電圧・電流などの計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電気回路は電磁気学とともに電気工学の最も基本となる科目であり、高学年における種々の専門科目の基礎となる。本科目では、2年生で習得した基礎的な解析方法を発展させ、より実際的な回路解析法および回路について学ぶ。具体的な項目は回路方程式による回路解析、回路の周波数特性・相互誘導および多相交流方式である。
授業の進め方・方法:
教科書と講義を中心に授業を行うが、理論の理解を助けるため、適時演習を行う。基本の内容に的を絞るので、自分で考えしっかり理解すること。2年生の電気回路の知識・回路解析手法が基礎となるため、十分に復習を行い理解しておくこと。また三角関数、微分、積分、複素数など、数学の知識をよく復習し、身に付けておくこと。
注意点:
質問について:休憩時間、放課後等に随時応じる。授業での到達目標が達成され、基礎的な事項の理解と応用力が習得されたかを評価する。成績は定期試験 (75%)、演習等(25%)により評価する。定期試験は正しく解答することが大前提であるが、間違っていても解法の説明などがあればその内容を勘案して部分点を与える。原則として再試験は行わない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス、2年次の復習 2年次までの内容の復習をする
2週 グラフ理論と回路について グラフにおける各種定義と回路とグラフの関係が理解できる
3週 回路網方程式と閉路電流法 網目電流法を用いて回路の計算ができる。
4週 節点電圧法とその演習 節点電位法を用いて回路の計算ができる。
5週 電磁誘導現象について 電磁誘導現象について理解ができる
6週 電磁誘導結合回路 電磁誘導を含む回路の計算ができる
7週 各演習問題 これまで内容の演習問題を解くことが出来る
8週 前期中間試験 これまで内容の問題を理解し、計算することが出来る
2ndQ
9週 相互インダクタンスと等価回路 相互インダクタンス等価回路が理解できる
10週 変圧器結合回路 変圧器結合回路の特徴を理解し計算することが出来る
11週 回路の周波数特性について 交流回路の周波数特性を理解することが出来る
12週 フィルタ回路と周波数特性 基本回路の周波数特性を計算し、フィルタ機能を理解することが出来る
13週 直列共振回路と周波数特性 直列共振回路とその周波数特性・フィルタ機能を理解することが出来る。
14週 直列共振回路と周波数特性 直列共振回路とその周波数特性を計算することが出来る
15週 各演習問題 これまでの内容の演習問題を解くことが出来る
16週 前期期末試験 これまでの内容の問題を理解し、計算することが出来る
後期
3rdQ
1週 前期試験問題の解説 これまでの内容の問題を理解できる
2週 並列共振回路と周波数特性 並列共振回路とその周波数特性を計算することが出来る
3週 多相交流方式と性質について 3相交流方式の仕組みと基本特性、定義などが理解できる
4週 平衡Y-Y形回路について 平衡Y-Y形回路について理解が出来る
5週 平衡Y-Y形回路の計算 平衡Y-Y形回路について電流電圧計算ができる
6週 平衡Δ-Δ回路について 平衡Δ-Δ形回路について理解が出来る
7週 平衡Δ-Δ回路の計算 平衡Δ-Δ形回路について電流電圧計算ができる
8週 後期中間試験 これまで内容の問題を理解し、計算することが出来る
4thQ
9週 対称Y形-対称Δ形の等価変換 対称Y形-対称Δ形の等価変換ができる
10週 不平衡Y-Y形回路について 不平衡Y-Y形回路について理解が出来る
11週 不平衡Y-Y形回路の計算 不平衡Y-Y形回路について電流電圧計算ができる理解が出来る
12週 不平衡Δ-Δ回路とその計算 不平衡Δ-Δ形回路について電流電圧計算ができる理解が出来る
13週 不平衡のY形とΔ形の等価変換 不平衡のY形-対称Δ形の等価変換ができる
14週 電力の定常性について 電力の定常性について理解が出来る
15週 各演習問題 これまでの内容の問題を理解し、計算することが出来る
16週 後期期末試験 これまでの内容の問題を理解し、計算することが出来る

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前1
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前1
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前1
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前11,前12
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前11
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前11
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3前12,後2
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3前11,後2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前3,前4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前3,前4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3前13,前14,後2
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3前5,前6,前9
理想変成器を説明できる。3前10
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3後14
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3前3
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3前4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力0000000
専門的能力75000025100
分野横断的能力0000000