熱力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 熱力学Ⅱ
科目番号 0098 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 基礎から学ぶ工業熱力学,佐野正利ほか2名著, コロナ社 〔教科書〕/ 例題で学ぶ工業熱力学,牧野州秀・芹沢昭示著,森北出版社
担当教員 三角 利之

到達目標

 熱力学の基礎的知識を基に、各種エネルギー機器の設計・製造および取扱い等に応用できる能力を養うために、以下の項目を到達目標とする。
 (1)内燃機関の基本的なサイクルについて理解し、熱効率や出力に関する性能計算ができる。
 (2)基本的な蒸気サイクルの構成と蒸気の状態変化との対応を説明でき、性能計算ができる。
 (3)冷凍サイクルの原理と冷媒の基本的な状態変化について説明でき、性能計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実際の内燃機関のサイクルと理論的なサイクルを比較し,サイクルの状態変化の違いや性能について説明できる.内燃機関の基本的なサイクルについて理解し,熱効率や仕事量に関する性能計算ができる.内燃機関の基本的なサイクルや性能評価について,説明できない.
評価項目2種々の蒸気サイクルについて,機器の構成や蒸気の状態変化を説明でき,性能計算ができる.基本的な蒸気サイクルの構成と蒸気の状態変化との対応を説明でき,性能計算ができる.基本的な蒸気サイクルやその性能評価について説明できない.
評価項目3実際の冷凍サイクルにおける機器の構成と冷媒の状態変化について説明でき、性能計算ができる。冷凍サイクルの原理と冷媒の基本的な状態変化について説明でき、性能計算ができる。冷凍サイクルにおける冷媒の基本的な状態変化や冷凍の原理について、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
JABEE 2.1(1)④ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 本科目では、熱力学Ⅰで取扱った熱力学の基礎知識を基に、各種内燃機関(オットーサイクル、ディーゼルサイクル、サバテサイクル、ブレイトンサイクル)、蒸気サイクル、冷凍サイクルに関する基本的なサイクルの構成および性能計算方法を学習する。
授業の進め方・方法:
 熱力学Ⅰの基礎知識を基に,教科書および配布資料により自学自習を推進し、授業内容に関する解説および質問を行いながら授業を進める。また、学生の理解度を把握するために適宜小テストを行う。
注意点:
 1年次から3年時に学んだ数学および物理学の知識を必要とする。また、熱力学Ⅱは、熱力学Ⅰの内容を基に行うので、熱力学Ⅰを十分に理解しておくこと。予習・復習および演習問題等の課題を含む自学自習として,毎回240分以上の自学自習が必要である.講義内容をその都度良く理解し、疑問点があれば,質問すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガスサイクル オットーサイクルについて説明でき,性能計算ができる.
2週 ガスサイクル ディーゼルサイクルについて説明でき,性能計算ができる.
3週 ガスサイクル サバテサイクルについて説明でき,性能計算ができる.
4週 ガスサイクル ガスタービン機関の理論サイクルを説明でき,性能計算ができる.
5週 蒸気の性質 水の等圧蒸発過程および未飽和液,飽和水,湿り飽和蒸気,かわき飽和蒸気、過熱蒸気の状態を説明できる.
6週 蒸気の性質 蒸気の状態量を,蒸気表および蒸気線図から求めることができる.
7週 蒸気の性質 蒸気の状態変化に伴う熱量,仕事量の計算ができる.
8週 蒸気の性質 蒸気の状態変化に伴う熱量,仕事量の計算ができる.
4thQ
9週 蒸気サイクル ランキンサイクルについて説明でき,性能計算ができる.
10週 蒸気サイクル 再熱サイクルについて説明ができ、性能計算ができる.
11週 蒸気サイクル 再生サイクルについて説明でき、性能計算ができる.
12週 冷凍サイクル 冷凍サイクルにおける熱量と仕事量の関係および成績係数について説明できる.
13週 冷凍サイクル 蒸気圧縮式冷凍サイクルについて、機器の構成および冷媒の状態変化について説明できる.
14週 冷凍サイクル 蒸気圧縮式冷凍サイクルのp-h線図について説明でき、性能計算ができる.
15週 後期期末試験答案の返却・解説 後期末試験において間違えた部分を理解できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4
熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度小テストその他合計
総合評価割合75000250100
基礎的能力0000000
専門的能力75000250100
分野横断的能力0000000