工学実験

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 工学実験
科目番号 1116 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:2
教科書/教材 〔教科書〕 機械工学実験書,鹿児島工業高等専門学校機械工学科編著
担当教員 三角 利之,椎 保幸,渡辺 創,東 雄一,德永 仁夫

到達目標

機械工学に関する実験を通じて基礎知識の理解を深める.あわせて各実験項目について実験対象あるいは装置の動作や原理,実験結果の意味やその工学的意義を理解し,説明できる.さらに実験を通じてデータの処理方法,報告書のまとめ方,事象の的確な把握力,結果の考察や解析など技術者の基礎となる能力を養うことができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
実験の目的、原理を理解し、指導された実験方法に基づき実験を遂行できる事前学習より実験の目的と原理を正しく理解し、指導された実験方法を遂行できる実験中に実験の目的と原理を実験中に正しく理解し、指導された実験方法を遂行できる実験の目的と原理を実験中に理解しても、指導された実験方法を遂行できない
実験装置の原理を理解し、正しい取扱いと適切な測定ができる事前学習により実験装置の作動原理を正しく理解し、正しく使用できる実験中に実験装置の作動原理を理解し、正しく使用できる実験中に実験装置の作動原理を理解できず、正しく使用できない
実験結果を整理、分析し、報告書をまとめることができる実験結果を整理、分析し、報告書に自分なりの考察を書き加えることができる実験結果を整理、分析し、報告書を作成することができる実験結果を整理できない
報告書を期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる報告書の提出期限に余裕を持って提出することができる報告書の提出期限を守って提出できる報告書を期限内に提出できない

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 1-b 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 4-4 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 4-a 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(i) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(i) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目の中の特に工作分野は,企業でCAEを用いた機械部品などの評価や実験とのコリレーションを担当していた教員が,その経験を活かし,金属加工の理論と実測の検証や評価等について講義,実験形式で授業を行うものである.
工作実習や機械工学の各分野に幅広く関連している.また5年次の卒業研究とも密接な関係がある
授業の進め方・方法:
受講者を4グループに分け、実験テーマをローテーションしていくため、下記の授業計画通りに示された週毎の授業内容になるわけでは無いことに注意すること。
注意点:
具体的なローテーションは初回オリエンテーションの時に配布される資料に記載されているため、自分が次回の実験でどのテーマを受講するのかを把握し、可能な限り事前の予習に努めること。開始時間を厳守し,実験上の注意をよく守って安全に実験を行うこと.実験は4グループに分かれて行い、各グループとも熱工学、流体工学、機械工作、材料工学、制御工学の分野についてそれぞれ4テーマまたは5テーマ行う.グループ割り振りは学期始めに通知する.原則として全ての実験項目を行い,実験毎に報告書の提出を義務とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーションおよび工場実習利用に関する安全講習 実験に関する注意事項および報告書の書き方を理解して,説明できる。さらに実験では利用しなかった機器も含め、卒業研究で利用する可能性のある機器の安全な使い方を理解し、用途に合わせて利用する機器を選定することができる
2週 ディーゼルエンジンの分解・組立 ディーゼルエンジンの構造と作動について理解し,説明することができる
3週 ディーゼルエンジンの性能に関する実験(1) ディーゼルエンジンの性能試験について理解し,説明することができる
4週 ディーゼルエンジンの性能に関する実験(2) ディーゼルエンジンの性能試験について理解し,説明することができる
5週 レポート指導 熱工学実験について理解し,報告書を作成することができる
6週 レポート指導 熱工学実験について理解し,報告書を作成することができる
7週 絞り流量計の検定 ベンチュリー流量計およびオリフィス流量計について理解し,説明できる
8週 物体周りの流れ計測および流れの可視化(1) 物体周りの流れを観察し、物体表面に掛かる圧力や渦の生成について理解し,説明できる
2ndQ
9週 物体周りの流れ計測および流れの可視化(2) 物体周りの流れを観察し、物体表面に掛かる圧力や渦の生成について理解し,説明できる
10週 レポート指導 流体工学実験について理解し,報告書を作成することができる
11週 旋削における仕上げ面粗さ-幾何学的要因による仕上げ面粗さ- 旋削時における表面粗さについて,切削条件と幾何学的粗さの関係性を理解し,説明できる.
12週 旋削における切削抵抗と動力およびドリルによる穴あけ加工における切削抵抗の測定 切削力の測定原理を理解し,説明できる.
良い切削を行うための条件と切削抵抗の関係を理解し,説明できる.
ドリル加工時の切削条件と切削抵抗の関係を理解し,説明できる.
13週 二次元切削における切削機構の検討 被削材の特性や切削条件による切削抵抗の関係について,二次元切削理論を用いてせん断角,摩擦角,摩擦係数,せん断ひずみ,切削抵抗を概算し,説明できる.
14週 レポート指導 機械工作実験について理解し,報告書を作成することができる
15週 レポート指導 機械工作実験について理解し,報告書を作成することができる
16週
後期
3rdQ
1週 鋼の顕微鏡組織顕出 標準顕微鏡組織を用いて検鏡することができる
2週 鋼の熱処理 顕微鏡観察用試料を作製できる
3週 鋼の硬さと材料組織 各種硬さ試験機の原理と構造を理解し,説明でき,測定できる
4週 レポート指導 材料工学実験について理解し,報告書を作成することができる
5週 マイクロコンピュータ 制御用ワンボードマイコンの基本的なハードウェア及びソフトウェアについて理解し、説明できる
6週 PLCによるシーケンス制御(1) PLCを用いたラダーシーケンスの基礎を理解し, 基本的な接点を利用することが出来る。また、自己保持やインターロックなどシーケンス制御特有の考え方を理解し、それをラダープログラムで実現できる
7週 PLCによるシーケンス制御(2) PLCにおけるカウンタやタイマーの概念を理解し、プログラムできる。また学修した内容を利用して模擬システムの制御を行うことができる
8週 レポート指導 制御工学実験について理解し,報告書を作成することができる
4thQ
9週 レポート返却・指導 これまでに提出したレポートについて,適切に書くことができなかった内容を理解し,次からのレポートに反映させることができる
10週 ものづくりテーマについてグループディスカッション(1) 与えられたテーマを達成するためのアイデアをグループで出し合い、方向性をまとめることができる
11週 ものづくりテーマについてグループディスカッション(2) 与えられたテーマを達成するためのアイデアをグループで出し合い、方向性をまとめることができる
12週 ものづくりテーマについて企画立案(1) まとめた方向性に沿ってアイデアを具体化することができる
13週 ものづくりテーマについて企画立案(2) まとめた方向性に沿ってアイデアを具体化することができる
14週 ものづくりテーマについて企画立案(3) まとめた方向性に沿ってアイデアを具体化することができる
15週 ものづくりテーマについての発表 着想したアイデアをどのように具体化したかを盛り込んだプレゼンテーションができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術工学実験技術実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力機械系分野(実験・実習能力)機械系分野(実験・実習能力)実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3

評価割合

実験態度実験報告書合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000