工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工学実験Ⅱ
科目番号 0120 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 機械工学実験書,鹿児島工業高等専門学校機械工学科編著
担当教員 田畑 隆英,南金山 裕弘,三角 利之,小田原 悟,東 雄一

到達目標

1.ディーゼルエンジンの性能試験方法を十分に理解した上で,性能試験を着実に実施できる.また性能試験方法,結果および考察をまとめて説明できる.
2.噴流の速度計測を行い,噴流の基本的流動特性について理解し,説明できる.
3.切削加工のメカニズムを力学的に理解するとともに,切削条件や材料特性が切削抵抗に及ぼす影響について理解し,説明できる.
4.引張試験機及び万能深絞り試験機を用いて材料の力学的特性や加工性を調べる.また,抵抗線ひずみゲージ及びひずみ計の原理と測定方法を習得し,ひずみ測定から得られるデータについて理解し,説明できる.
5.減衰振動と強制振動の現象を実験的に再現し,その内容を理解して説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ディーゼルエンジンの性能試験を実施し,そのエンジンの性能について様々な観点から分析,評価できる.ディーゼルエンジンの性能試験方法を十分に理解した上で,性能試験を着実に実施できる.また性能試験方法,結果および考察をまとめて説明できる.ディーゼルエンジンの性能試験を実施し,性能試験方法,結果および考察をまとめて説明することができない.
評価項目2速度測定装置の特性を理解して噴流の速度計測を行うことができる.平均速度分布図,乱れ強さ分布図を作成し,噴流の平均流特性および乱流特性を理解できる.噴流の速度計測を行うことができる.また,平均速度分布図,乱れ強さ分布図を作成し,噴流の流動状態を理解できる.噴流の速度計測を行うことが一部できる.また,平均速度分布図,乱れ強さ分布図を一部作成できる.噴流の流動状態を一部理解できる.
評価項目3被削材の機械的強度による切削がどのように変化するか軟鋼材の切削との比較で,切削抵抗の変化が説明できる.流れ型の切りくずが排出される鋼材の切削で,切りくず厚さを計測することから切削抵抗の概値が計算できる.切削比から見かけのせん断角が求められず,切削抵抗の概値が計算できない.
評価項目4引張試験機及び万能深絞り試験機を適正に使用して材料の力学的特性や加工性を調べることができる.また,抵抗線ひずみゲージ及びひずみ計の原理と測定方法を理解し,ひずみ測定から得られるデータについて説明できる.引張試験機及び万能深絞り試験機を使用してすることができる.また,抵抗線ひずみゲージ及びひずみ計の原理と測定方法を理解・説明できる.引張試験機及び万能深絞り試験機を適正に使用できず,また,抵抗線ひずみゲージ及びひずみ計の原理を理解できないため,材料の力学的特性や加工性を調べたり,ひずみ測定から得られるデータを理解できない.
評価項目5減衰振動の波形から減衰比を算出することができる.また,強制振動の波形から周波数応答特性のグラフを描ける.減衰振動の波形から減衰の様子を理解することができる.また,強制振動の波形から共振現象を理解出来る.減衰振動と強制振動の違いが理解できていない.波形が示す意味を理解出来ていない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 1-b 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 4-4 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 4-a 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(i) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(i) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学に関する各種の実験を行い,基礎知識をより深く理解し,併せて実験方法,実験データの処理,報告書の書き方について習得でき,事象の的確な把握力,思考力,解析能力などを身に付けることが出来る.
授業の進め方・方法:
各専門分野の関連科目を理解し,応用できる.卒業研究とも関連する.
注意点:
実験の目的をよく理解し,関連する必要事項は下調べをしておくとともに,実験に対する注意をよく守り,災害の無いように十分注意して行う.工学実験はグループで協力して行い,単独では困難であるので,欠席は絶対にしないこと.さらに開始時間を厳守すること.また,実験報告書は必要な項目を具備し,正確かつ簡潔で分かりやすい文章で書くことが肝要である.提出期限を厳守すること.実験はクラスを4班に分け,各班とも熱工学,流体工学,機械工作,材料工学,及び 機械力学のそれぞれ1テーマずつ合計5テーマについて行う.
〔参考書〕
「内燃機関」渡辺彬他著コロナ社「ターボ機械入門」ターボ機械入門編
「加工学Ⅰ」日本機械学会

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.熱工学
ディーゼルエンジンの性能に関する実験
ディーゼルエンジンの性能試験方法を十分に理解した上で,性能試験を着実に実施できる.また性能試験方法,結果および考察をまとめて説明できる.
2週 1.熱工学
ディーゼルエンジンの性能に関する実験
ディーゼルエンジンの性能試験方法を十分に理解した上で,性能試験を着実に実施できる.また性能試験方法,結果および考察をまとめて説明できる.
3週 1.熱工学
ディーゼルエンジンの性能に関する実験
ディーゼルエンジンの性能試験方法を十分に理解した上で,性能試験を着実に実施できる.また性能試験方法,結果および考察をまとめて説明できる.
4週 2.流体工学
噴流の速度計測
噴流の速度計測を行い,噴流の基本的流動特性について理解し,説明できる.
5週 2.流体工学
噴流の速度計測
噴流の速度計測を行い,噴流の基本的流動特性について理解し,説明できる.
6週 2.流体工学
噴流の速度計測
噴流の速度計測を行い,噴流の基本的流動特性について理解し,説明できる.
7週 3.機械工作
切削機構の検討
切削加工のメカニズムを力学的に理解するとともに,切削条件や材料特性が切削抵抗に及ぼす影響について理解し,説明できる.
8週 3.機械工作
切削機構の検討
切削加工のメカニズムを力学的に理解するとともに,切削条件や材料特性が切削抵抗に及ぼす影響について理解し,説明できる.
2ndQ
9週 3.機械工作
切削機構の検討
切削加工のメカニズムを力学的に理解するとともに,切削条件や材料特性が切削抵抗に及ぼす影響について理解し,説明できる.
10週 4.材料工学
材料の力学的特性の測定
引張試験機及び万能深絞り試験機を用いて材料の力学的特性や加工性を調べる.また,抵抗線ひずみゲージ及びひずみ計の原理と測定方法を習得し,ひずみ測定から得られるデータについて理解し,説明できる.
11週 4.材料工学
材料の力学的特性の測定
引張試験機及び万能深絞り試験機を用いて材料の力学的特性や加工性を調べる.また,抵抗線ひずみゲージ及びひずみ計の原理と測定方法を習得し,ひずみ測定から得られるデータについて理解し,説明できる.
12週 4.材料工学
材料の力学的特性の測定
引張試験機及び万能深絞り試験機を用いて材料の力学的特性や加工性を調べる.また,抵抗線ひずみゲージ及びひずみ計の原理と測定方法を習得し,ひずみ測定から得られるデータについて理解し,説明できる.
13週 5.機械力学
減衰振動と強制振動
減衰振動と強制振動の現象を実験的に再現し,その内容を理解して説明できる.
14週 5.機械力学
減衰振動と強制振動
減衰振動と強制振動の現象を実験的に再現し,その内容を理解して説明できる.
15週 5.機械力学
減衰振動と強制振動
減衰振動と強制振動の現象を実験的に再現し,その内容を理解して説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

実験態度報告書合計
総合評価割合5050100
%5050100