流体力学ⅠA

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 流体力学ⅠA
科目番号 0101 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「水力学」森北出版株式会社
担当教員 山岸 真幸

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる.この科目の到達目標と,成績評価上の重み付け,各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連の順で次に示す.
①流体の諸性質を理解する.20%(d1)、②流体の静力学と動力学を理解する.20%(d1)、③流体の運動を支配する方程式や定理を理解し,問題解決法を習得する.60%(d1)(e1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体の諸性質を理解する.流体の諸性質を概ね理解する.左記に達していない.
評価項目2流体の静力学と動力学を理解する.流体の静力学と動力学を概ね理解する.左記に達していない.
評価項目3流体の運動の方程式を支配する方程式や定理を理解し,問題解決法を習得する.流体の運動を支配する方程式や定理を概ね理解し,問題解決法を概ね習得する.左記に達していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物質には,固体とは異なり形の定まらない「流体」という状態がある.この流体の状態における諸性質を学習する.また流体が運動する,すなわち「流れる」ときの諸原理を解説し,理解と応用力を身に着ける.講義では流体を取り扱う機械や,流体の諸性質を利用した装置などを紹介する.
〇関連する科目:物理(前年度履修),物理演習(前年度履修),初等力学B(前年度履修),流体力学ⅠB(後期履修)
授業の進め方・方法:
内容の区切りで課題を課す.必要に応じてプロジェクターを利用した講義を行う.
注意点:
一般力学の知識が必要不可欠である.また「材料力学」,「熱力学」の内容が必要となる場面もあるので,これらの基礎学習もおろそかにしないこと.問題解決には数学の力が必要であり,特に微分・積分が重要である.随時課題を課すので,期限までに提出すること.成績評価で不合格の場合、再試験を行う.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流体の諸性質 (1)密度・比重・比体積 流体の定義と各種物理量を定義を理解する.
2週  (2)圧縮率,(3)粘性 流体の圧縮性と粘性について理解する.
3週  (4)表面張力 表面張力と毛管現象について理解する.
4週 静水力学 (1)静止流体の圧力 圧力の概念,絶対圧とゲージ圧による表し方を理解する.
5週  (2)流体の圧力,密度と高さの関係 圧力の密度と高さの関係,パスカルの原理を理解する.
6週  (3)圧力の測定 液柱計の原理を理解し,圧力測定方法を学習する.
7週 中間試験 試験時間:50分
8週  (4)容器壁に及ぼす液体の力 全圧力と圧力中心を理解し、計算できる.
2ndQ
9週  (5)浮力と浮揚体 浮揚体の安定について学習する.
10週  (6)相対的に静止している流体の性質 相対的に静止した流体の性質について理解する.
11週 完全流体の流れの諸定理 (1)連続の式 完全流体の概念について学習し,連続の式を理解する.
12週  (2)運動方程式 オイラーの運動方程式を学習する.
13週  (3)ベルヌーイの式 流体のエネルギー保存則とベルヌーイの式を理解する.
14週  (4)ベルヌーイの式の応用 ベルヌーイの式を用いた計算方法を習得する.
15週 期末試験 試験時間:50分
16週 試験解説と発展授業(流速・流量の測定) 試験の確認及び流量・流速の測定方法を学習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4前1,前7
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4前1,前7
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4前2,前7
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4前4,前7
パスカルの原理を説明できる。4前5,前7
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4前6
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4前8
物体に作用する浮力を計算できる。4前9
定常流と非定常流の違いを説明できる。4前11
流線と流管の定義を説明できる。4前11
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前11
オイラーの運動方程式を説明できる。4前12
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前13

評価割合

試験(中間)試験(期末)レポート合計
総合評価割合303535000100
基礎的能力15202000055
専門的能力15151500045
分野横断的能力0000000