1. 温度と熱、圧力と仕事について理解し、計算ができる。
2. 熱力学の第一法則を理解し、熱量、仕事、内部エネルギー、エンタルピーなどの計算ができる。
3. 完全ガスの性質や状態変化を理解し、熱量、仕事などの計算ができる。
4. カルノーサイクルの特性を理解し、効率などの計算ができる。
5. 熱力学の第二法則やエントロピーについて理解し、完全ガスなどのエントロピー変化が計算できる。
6. 環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の分野において熱力学が係わる事象を説明できる。(B1-3)
概要:
熱力学は、熱の授受によって引き起こされる物質の諸変化を考える学問である。18世紀後半の産業革命以降後,各種熱機関が考案され、現在、これらの熱機関が我々の生活を支えている。一方で、熱機関を動作させるために我々は大量の化石燃料を消費しており、地球温暖化に代表される種々の環境問題を引き起こしている。これらの問題を解決する環境負荷の少ないシステムを開発するには、熱力学を学ぶことが必要不可欠である。
本講義では、工学や工業への応用に主眼を置くこととし、エネルギー保存則(熱力学の第一法則)およびエネルギーの価値、変化の方向性(熱力学の第二法則)を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に、演習を混ぜつつ行う。
適宜レポート課題を課すので、期限を守って提出すること。
注意点:
1. 評価については、評価割合に沿って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
2. 中間試験を授業時間内に実施することがあります。
3. この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学修が必要となります。
4. 授業目標6(B1-3)が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、温度と熱 |
熱力学を学ぶ必要性や背景を理解できる。 温度や温度目盛(単位)について説明できる。
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2週 |
熱および圧力と仕事 |
比熱や熱容量を理解し、熱量の計算ができる。 ゲージ圧と絶対圧を理解し、換算ができる。 仕事の定義について説明できる。
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3週 |
熱力学の第一法則 (1) |
閉じた系のエネルギー式を理解し、仕事量などの計算ができる。
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4週 |
熱力学の第一法則 (2) |
開いた系のエネルギー式を理解し、仕事量などの計算ができる。
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5週 |
完全ガス (1) |
完全ガスの状態方程式ならびに比熱について説明できる。
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6週 |
完全ガス (2) |
完全ガスの分子運動論について説明できる。
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7週 |
完全ガスの状態変化 (1) |
等温変化、等容変化、等圧変化を理解し、熱量や仕事量などの計算ができる。
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8週 |
完全ガスの状態変化 (2) |
断熱変化、ポリとロープ化を理解し、熱量や仕事量などの計算ができる。
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2ndQ |
9週 |
熱力学の第二法則 |
熱機関の効率と冷凍機の成績係数について理解し、計算ができる。
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10週 |
熱力学の第二法則 |
熱力学の第二法則と可逆変化・不可逆変化について説明できる。
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11週 |
カルノーサイクル |
カルノーサイクルの熱効率を計算できる。
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12週 |
エントロピー (1) |
クラウジウスの積分、エントロピーの定義、エントロピー生成について説明できる。
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13週 |
エントロピー (2) |
完全ガスのエントロピー変化を計算できる。 サイクルをT-s線図上に描くことができる。
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14週 |
課題研究 (1) |
環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学の分野において、熱力学がかかわる事象を説明できる。
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15週 |
課題研究 (2) |
環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学の分野において、熱力学がかかわる事象を説明できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | 前2,前3,前4 |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | 前3,前4 |
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。 | 3 | |
自然科学 | 物理 | 熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 前6 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 前2 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 前2 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 前2 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | 前10 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 前5 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 前3 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 前7,前8 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3,前4 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 前10 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 前9 |
化学(一般) | 化学(一般) | ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 前5 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 前5,前7,前8 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前2 |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前2 |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 4 | 前6 |
熱流体 | 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 4 | 前3,前4 |
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 4 | 前5 |
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 4 | 前5 |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 4 | 前5 |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 4 | 前7,前8 |
熱力学の第二法則を説明できる。 | 4 | 前10 |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 4 | 前9 |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 4 | 前11 |
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 4 | 前12,前13 |
サイクルをT-s線図で表現できる。 | 4 | 前13 |
計測制御 | 国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 4 | 前1,前2 |