到達目標
本科目では工作実習の内容を体系的に学習する.機械工学の総括的知識を必要とするが,専門教科として最初の科目であることから,機械工学の専門用語に慣れること.
講義内容は機械工作法の成形加工に分類される鋳造,付加加工に分類される溶接を扱う.鋳造の単元では,砂型鋳造法と特殊鋳造法での製品の製作法が説明できるようになること.溶接の単元では,ガス溶接,アーク溶接,抵抗溶接について原理を説明できるようになり,溶接の学問として大事な溶接変形や残留応力の発生メカニズムも説明できるようになると尚良い.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 模型製作・鋳型製作・溶解,鋳込み,鋳込み後の処理,鋳物の欠陥についてそれぞれの概略や特徴を説明できる. | 砂型鋳造法を基本とした鋳造工程を説明できる. | 砂型鋳造法を基本とした鋳造工程を説明できない. |
評価項目2 | 精密鋳造法,ダイカスト法およびその他の鋳造法について,それぞれの概略や特徴を説明できる. | 精密鋳造法,ダイカスト法およびその他の鋳造法の違いを説明できる. | 精密鋳造法,ダイカスト法およびその他の鋳造法の違いを説明できない. |
評価項目3 | 溶接の一般的な特徴および融接・圧接・ろう接の原理・特徴を説明できる. | 溶接法の分類できる. | 溶接法の分類できない. |
評価項目4 | ガス溶接の原理および特徴,ガス溶接棒,フラックスの役割を説明できる. | ガス溶接の原理を説明できる. | ガス溶接の原理を説明できない. |
評価項目5 | アーク溶接の原理および特徴,アーク溶接棒,被覆材の役割を説明できる. | アーク溶接の原理を説明できる.
| アーク溶接の原理を説明できない. |
評価項目6 | サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接の概略や特徴を説明できる. | サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接の原理を説明できる. | サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接の原理を説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c
説明
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教育方法等
概要:
講義内容は機械工作法の成形加工に分類される鋳造,付加加工に分類される溶接を扱う.いろいろな加工法の特徴を理解し,目的とする製品をつくるために適切な加工法を選択できる力を身に付ける.
工作実習の1年生で鋳造と溶接(ガス溶接)を学んでおり,また,工作実習の2年生ではアーク溶接を学ぶ.工作実習にて体験的に学び,身に付けた加工技術の実践的知識を本科目により学術的な知識として修得し,工作法で学んだ知識を以後の設計・製図などに効果的に用いる.
授業の進め方・方法:
配布プリントを用いた講義を行う.
中間試験は鋳造の単元について実施し,期末試験は溶接の単元について実施する予定である.
関連科目:工作実習Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,機械工学演習,機械工作法Ⅱ,Ⅲ,材料学Ⅰ,Ⅱ
注意点:
① 日頃の勉強,課題・レポートを怠ることのないようにすること.
② 適宜,小テストを実施し,授業への参加度合いや理解度を確認するため,授業に真摯に取り組むこと.
③ 中間試験,期末試験以外において,実力を確認するための試験を行う場合がある.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 機械工作法の位置づけと学問形態 鋳造の基礎 |
シラバスの説明 機械工作法と工作実習の繋がりを理解し,説明できる. 機械工作法の分類を理解し,説明できる. 模型・鋳型・鋳物に関する基本的用語について理解し,説明できる. 鋳造の特徴を理解し,説明できる. 鋳造組織について理解し,説明できる.
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2週 |
砂型鋳造(作業工程,模型) |
鋳造の作業工程を理解し,説明できる. 模型の種類(主型,中子)について理解し,説明できる. 模型製作での留意事項を理解し,説明できる.
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3週 |
砂型鋳造(鋳型,鋳物砂,造型法) |
鋳型における各部の名称と役割を理解し,説明できる. 鋳物砂に望まれる性質を理解し,説明できる. 手込めと機械込めの特徴と理解し,説明できる. 砂型造型機の造形機構について説明できる.
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4週 |
砂型鋳造(鋳造用金属材料,溶解炉) |
主な金属材料の鋳造性や鋳込み温度等の特性について理解し,説明できる. 鋳込み温度の影響を理解し,説明できる. 溶解炉の種類と構造・用途について説明できる.
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5週 |
砂型鋳造(特殊砂型鋳造) 金型鋳造 |
シェルモールド鋳造法,インベストメント鋳造法の方法や特徴を理解し,説明できる. 重力金型鋳造法,ダイカスト法の方法や特徴を理解し,説明できる.
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6週 |
特殊鋳造 鋳物の欠陥と検査方法 |
連続鋳造法,遠心鋳造法の方法や特徴を理解し,説明できる. 鋳物の欠陥について理解し,説明できる. いろいろな欠陥に対してどのような検査方法があるのかを理解し,説明できる.
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
金属の接合と溶接 開先と溶接継手 |
機械的接合と溶接の違いと特徴を理解し,説明できる. 溶接の一般的な長所と短所,融接,圧接,ろう接の原理について理解し,説明できる. 溶接法の種類について理解し,説明できる. 開先の必要性,種類,開先を設けた板の溶接の仕方について理解し,説明できる. 溶接継手と溶接方法について理解し,説明できる.
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2ndQ |
9週 |
溶接部の組織と機械的特性 残留応力と溶接変形 |
溶接部の組織と機械的特性の関係を理解し,説明でき る. 残留応力と溶接変形の発生メカニズムを理解し,説明 できる.
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10週 |
残留応力と溶接変形 溶接欠陥と対策 金属材料の溶接性 |
溶接変形と残留応力の発生メカニズムを理解し,説明 できる. 溶接変形の対策,残留応力の除去方法を理解し,説明 できる. 溶接部の欠陥と対策,検査方法を理解し,説明できる. 各種金属材料の溶接性を理解し,説明できる.
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11週 |
ガス溶接 |
ガス溶接の原理,アセチレンガス,溶接棒,フラックスについて理解し,説明できる.
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12週 |
アーク溶接 |
アーク溶接の原理,直流アーク,交流アークについて理解し,説明できる. 溶接棒,被覆材の働き,運棒法,ビードについて理解し,説明できる.
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13週 |
いろいろなアーク溶接 |
サブマージアーク溶接,イナートガスアーク溶接,炭酸ガスアーク溶接の原理や特徴を理解し,説明できる.
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14週 |
抵抗溶接 その他の接合法 |
抵抗溶接の原理を理解し,説明できる. 重ね抵抗溶接の原理を理解し,説明できる. 突合せ抵抗溶接の原理を理解し,説明できる. ろう接と固相接合の原理や特徴を理解し,説明できる.
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15週 |
期末試験の返却・解説
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試験において間違った部分を自分の課題として把握する.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 工作 | 鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4 |
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。 | 4 | 前5,前6 |
鋳物の欠陥について説明できる。 | 4 | 前6 |
溶接法を分類できる。 | 4 | 前8 |
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。 | 4 | 前11 |
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。 | 4 | 前12 |
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。 | 4 | 前13 |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | レポート | 小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 40 | 10 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 40 | 40 | 10 | 10 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |