生化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 生化学Ⅱ
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:ホートン生化学 第5版 鈴木紘一・笠井献一 他訳 東京化学同人/参考図書:浜島 晃著「ニューステージ 新生物図表 生物基礎+生物対応」(株)浜島書店,コーン・スタンプ著 八木達彦・田宮信雄訳「コーンスタンプ生化学」東京化学同人,OUTLINES OF BIOCHEMISTRY Fifth Edition E.E.Conn et. al.1987
担当教員 藤田 彩華

到達目標

1)代謝に関わるオルガネラの機能について説明することができる。
2)生物細胞内で行われているエネルギー生産のための異化代謝について説明することができる。
3)生物細胞内で行われている貯蔵・蓄積のための同化代謝について説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1)代謝に関わるオルガネラの機能について説明することができる。1)代謝に関わるオルガネラの機能について説明できる。1)代謝に関わるオルガネラの機能についての基礎的な説明ができる。1)代謝に関わるオルガネラの機能について基礎的な説明ができない。
2)生物細胞内で行われているエネルギー生産のための異化代謝について説明することができる。2)生物細胞内で行われているエネルギー生産のための異化代謝について説明できる。2)生物細胞内で行われているエネルギー生産のための異化代謝について基礎的な説明ができる。2)生物細胞内で行われているエネルギー生産のための異化代謝について基礎的な説明ができない。
3)生物細胞内で行われている貯蔵・蓄積のための同化代謝について説明することができる。3)生物細胞内で行われている貯蔵・蓄積のための同化代謝について説明できる。3)生物細胞内で行われている貯蔵・蓄積のための同化代謝について基礎的な説明ができる。3)生物細胞内で行われている貯蔵・蓄積のための同化代謝について基礎的な説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
細胞小器官の役割,炭水化物代謝,ATP生産,光合成,脂質代謝,窒素代謝など生命現象の発現に関わる多くの化学反応である生体内代謝について教授する。
授業の進め方・方法:
・講義は座学方式で行い,適宜,課題を課すことにより理解を深め,知識定着の状況を点検する。
・学習達成目標を達成できているかどうかを,各講義での演習問題(40%)、定期試験レポート(40%)、小テスト(20%)により総合評価する。合格点は60点である。
・再試験は,学業成績の評価点が40点以上60点未満の者を対象として行うことがある。再試験を受けた学生の成績評価は60点を超えないものとする。
・この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として課題レポートの提出を求める。
注意点:
・生物学および生化学Iで習得した知識が基礎となるので,関連科目を復習し講義に臨むこと。図書館やインターネットを活用して関連事項を参照したり,自学自習に取り組むこと(30時間以上の自学自習を必要とする)。
・講義を聴き,きちんとノートを取ること。なお,講義の理解を深めるためにプリントは適宜配布する。
・授業中もしくは授業外での課題に取り組むこと。
・講義時には,ノートを準備すること(配布したプリントをまとめるファイルを用意するとよい)。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 細胞内小器官の役割 代謝に関わるオルガネラの機能について説明できる。
2週 代謝とは(異化と同化) 異化代謝と同化代謝について説明できる。
3週 呼吸(内呼吸と外呼吸) 生物学における呼吸を分子レベルで説明できる。
4週 解糖系(EMP経路,ED経路,ペントースリン酸経路) 生体内の糖代謝系(EMP経路,ED経路,ペントースリン酸経路)について説明できる。
5週 その他の糖代謝と糖新生系 生体内における糖新生系について説明できる。
6週 TCA回路 TCA回路について説明できる。
7週 電子伝達系と酸化的リン酸化① 電子伝達系と酸化的リン酸化について説明できる。
8週 電子伝達系と酸化的リン酸化② 電子伝達系と酸化的リン酸化について説明できる。
2ndQ
9週 光合成(明反応と光合成色素) 光合成(明反応と光合成色素)について説明できる。
10週 光合成(暗反応) 光合成(暗反応)について説明できる。
11週 C3植物,C4植物,CAM植物の光合成 C3植物,C4植物,CAM植物の光合成について説明できる。
12週 脂質代謝(β酸化,α酸化) 脂質代謝(β酸化,α酸化)について説明できる。
13週 脂質代謝(生合成) 脂質代謝(生合成)について説明できる。
14週 窒素化合物の代謝 窒素化合物の代謝について説明できる。
15週 タンパク質の代謝 タンパク質の代謝について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4前1
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4前1
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4前7,前8,前9
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4前2,前5
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4前3,前9,前10,前11
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前15
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前4,前5
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前5
グリコシド結合を説明できる。4前4,前5
多糖の例を説明できる。4前4,前5
脂質の機能を複数あげることができる。4前12,前13
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前12,前13
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4前12,前13
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前15
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前14,前15
タンパク質の高次構造について説明できる。4前15
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4前2
解糖系の概要を説明できる。4前4,前5
クエン酸回路の概要を説明できる。4前6
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4前4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4前2,前4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4前9
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4前9,前10
炭酸固定の過程を説明できる。4前10
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4前1,前2
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4前1,前2
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4前3
微生物の育種方法について説明できる。4前2
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4前1,前3
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4前4
食品加工と微生物の関係について説明できる。4前4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4前13
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4前4,前14

評価割合

各講義の演習問題定期試験レポート小テスト合計
総合評価割合404020100
基礎的能力30301070
専門的能力10101030