機械材料学ⅠA(1087)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械材料学ⅠA(1087)
科目番号 3M26 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科機械・医工学コース 対象学年 3
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q) 週時間数 1st-Q:1 2nd-Q:1
教科書/教材 よくわかる材料学/宮川大海ほか /森北出版
担当教員 赤垣 友治,田口 恭輔,沢村 利洋

到達目標

機械材料としての金属材料を基礎から学び,性質・特性を理解し,設計条件を満足する材料の選択ができるようになること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械材料としての金属材料の基礎的性質・特性を理解できる機械材料としての金属材料の基礎的性質・特性をある程度理解できる。機械材料としての金属材料の基礎的性質・特性を理解できない。
評価項目2設計条件を満足する最適材料の選択ができる。設計条件を満足する候補材料の選択ができる。材料の選択ができない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械システムに使用する材料は,システムの寸法や形状だけでなく,機械システムの性能にも多大な影響を与える.適切な材料の選択が,高精度・高性能な機械システムを製作するためには必要不可欠である.従って,本授業は,機械工学を専攻する学生にとって重要な科目で必修科目である.本授業は学習教育目標の『得意とする専門分野の知識と技術の修得』を目指している.具体的には,金属材料の一般的な性質,冶金的特性,機械的特性,熱処理,鉄鋼材料,非鉄材料について学び,材料の適切な選択ができることを目標とする.
授業の進め方・方法:
機械材料を学習していく上で必須である金属の基礎的かつ一般的な各種事項、基本的な平衡状態図及び代表的な機械的特性などについて学ぶ.授業は全部で14回実施する.到達度試験は各学期末に、中間試験・期末試験との位置付けでそれぞれ実施する.
評価は到達度試験100%で2回の試験の平均が60点以上を合格とする.
注意点:
・化学や物理学の基礎知識は材料を理解する上で必須であることから,関連科目と連動しながら学習すること。
・原則的に補充試験は行わないので、十分留意のこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 金属および合金の結晶構造 機械材料に求められる性質を説明できる。金属と合金の結晶構造を説明できる。塑性変形の起りかたを説明できる。
2週 平衡状態図1 一般的な2元合金の状態図の見方を理解できる。
3週 平衡状態図2 金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。
4週 金属材料の機械的性質とその試験法1 引張試験の方法を理解し、応力ひずみ線図を説明できる。硬さの表しかたおよび硬さ試験の原理を説明できる。
5週 金属材料の機械的性質とその試験法2 衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。脆性および靱性の意味を理解し説明できる。
6週 金属材料の疲れと疲れ強さ1 疲れ破壊とは何かを説明出来る。疲れ強さとその試験法を説明出来る。
7週 金属材料の疲れと疲れ強さ2 疲労の意味を理解し説明できる。疲労試験とS-N曲線を説明できる。疲れ強さへの各種因子の影響について説明できる。
8週 到達度試験(中間) 60点以上。
2ndQ
9週 低温脆性 金属の破壊様式、低温脆性とこれに影響する因子、低温靭性の評価法としての衝撃試験について説明出来る。
10週 冷間加工による硬化と高温加熱による軟化 加工硬化、回復・再結晶、熱間加工と冷間加工について説明出来る。
11週 クリープ クリープ現象とクリープ速度、クリープに対する強さとその試験法について説明出来る。
12週 金属材料の製造法 鋼の製造工程について説明出来る。
13週 鋼鉄の分類 鉄鋼の分類について説明出来る。
14週 Fe-C系平衡状態図と炭素鋼の組織1 Fe-C系平衡状態図と炭素鋼の組織について十分に理解し、説明できる。
15週 Fe-C系平衡状態図と炭素鋼の組織2 Fe-C系平衡状態図と炭素鋼の組織について十分に理解し、説明できる。
16週 到達度試験(期末) 60点以上。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4前9
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4前9,前10
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4前13
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4前14
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4前15,前16,後4
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4後1,後2,後3
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4後6
金属と合金の結晶構造を説明できる。4前10
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4前11
合金の状態図の見方を説明できる。4前11,前12
塑性変形の起り方を説明できる。4前10
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4後5
鉄鋼の製法を説明できる。4
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000