概要:
時代やジャンルの異なる様々な文章を読む。現代文では、評論や小説、詩を扱う。評論では、文章構成を分析し、筆者の問題提起、論拠、主張を的確に理解できるようになり、それを自身の文章表現にも活かせるようにする。小説や詩では、多角的な視点から解釈することを行う。古典文法や漢文訓読法は、正確な読みをするために必ず身に付けておかなくてはならない。この授業では、解釈を暗記するのはなく、解釈の方法や論理を理解することを目指す。
授業の進め方・方法:
ひとつの授業を現代文45分、古典45分に分けて行う。現代文では教員による講義のほかに、個人やグループで意見をまとめてもらう活動も行う。その課題に取り組むなかで、評論や小説を読解する力と、自分の考えを説明する力を習得していく。古典では、教員から学生に適宜質問をし、古典の文章を分析的に読んでいく。
注意点:
授業時には、各教科書のほか、辞書を持って臨むこと。現代文の授業には国語辞典、古文の授業には古語辞典、漢文の授業には漢語辞典を持参すること。キャリア教育の入門的な内容として、手紙の書き方体験を組み入れる。評価方法とその割合は、中間試験(35%)、期末試験(35%)、提出物(20%)、発表(10%)である。100点満点で60点以上を合格とする。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
授業の概要をつかむ。
|
2週 |
評論「尋ねあい」(1)/土佐日記「門出」(1) |
評論の構成について理解する。/「土佐日記」の作者や作品の時代背景を理解する。
|
3週 |
評論「尋ねあい」(2)/土佐日記「門出」(2) |
問題提起、論拠、主張をつかむ。/「いささかにものに書きつく」までを読解する。
|
4週 |
評論「尋ねあい」(3)/土佐日記「門出」(3) |
この評論の文章構成を分析する。/「夜更けぬ」までを読解する。
|
5週 |
評論「尋ねあい」(4)/土佐日記「門出」(4) |
この評論の論理の展開について理解する。/「あざれあへり」までを読解する。
|
6週 |
詩「甃のうへ」(1)/孔子の思想(1) |
詩の文学史を理解する。/[学問]から2つを読解する。
|
7週 |
詩「甃のうへ」(2)/孔子の思想(2) |
詩を鑑賞し、朗読する。/[学問]から2つを読解する。
|
8週 |
中間試験 |
これまでの学習をまとめ、表現する。
|
2ndQ |
9週 |
中間試験解説 |
試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。
|
10週 |
小説「城の崎にて」(1)/平家物語「木曽の最期」(1) |
近代文学史について理解する。/軍記物語の文学史を理解する。
|
11週 |
小説「城の崎にて」(2)/平家物語「木曽の最期」(2) |
「よく欄干から蜂の出入りを眺めていた」までを読解する。/「最後の合戦」を読解する。
|
12週 |
小説「城の崎にて」(3)/平家物語「木曽の最期」(3)/【社会とつながる文章】暑中見舞葉書(1) |
「それはしかたのないことだ」までを読解する。/「巴の戦い」を読解する。/暑中見舞葉書の書き方を理解する。
|
13週 |
小説「城の崎にて」(4)/平家物語「木曽の最期」(4)/【社会とつながる文章】暑中見舞葉書(2) |
「自分は~助かった」までを読解する。/「主従の思い」を読解する。/葉書のレイアウトを考え、文章を書く。
|
14週 |
平家物語「木曽の最期」(5)/孔子の思想(3)/【社会とつながる文章】暑中見舞葉書(3) |
「今井の戦い」を読解する。/[政治]から2つを読解する。/葉書の表書きを書き、完成させる。
|
15週 |
平家物語「木曽の最期」(6)/孔子の思想(4) |
「義仲の最期」を読解する。/[政治]から2つを読解する。
|
16週 |
前期まとめ |
前期に行った学習をまとめ、後期の学習につなげる。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
奥の細道「旅立ち」(1)/学校行事対応・弁論大会レポート(1) |
近世の文学史を理解し、「日々旅にして旅をすみかとす」までを読解する。/ディベートテーマについて、意見を出し合う。
|
2週 |
奥の細道「旅立ち」(2)/学校行事対応・弁論大会レポート(2) |
「三里に灸すうるより」までを読解する。/ディベートテーマについて、討論する。
|
3週 |
奥の細道「旅立ち」(3)/学校行事対応・弁論大会レポート(3) |
「表八句を庵の柱に掛け置く」までを読解する。/ディベートテーマについて、意見をまとめる。
|
4週 |
評論「技術としての「教養」」(1)/奥の細道「旅立ち」(4) |
文章構成を分析する。/「涙をそそく」までを読解する。
|
5週 |
評論「技術としての「教養」」(2)/奥の細道「旅立ち」(5) |
問題提起、論拠、主張をつかむ。/「見送るなるべし」までを読解する。
|
6週 |
評論「技術としての「教養」」(3)/唐代の詩(1) |
文章構成について議論する。/「絶句」を読解する。
|
7週 |
評論「技術としての「教養」」(4)/唐代の詩(2) |
評論を100字要約する。/「春望」を読解する。
|
8週 |
中間試験 |
これまでの学習をまとめ、表現する。
|
4thQ |
9週 |
中間試験解説 |
試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。
|
10週 |
小説「友よ」(1)/源氏物語「若紫」(1) |
「私は冗談を言った」までを読解する。/「源氏物語」の作者や作品の時代背景を理解する。
|
11週 |
小説「友よ」(2)/源氏物語「若紫」(2) |
「私は、中田の言葉を思っていた」までを読解する。/「尼なりけり」までを読解する。
|
12週 |
小説「友よ」(3)/源氏物語「若紫」(3) |
「そうではなかったのだ」までを読解する。/「顔はいと赤くすりなして立てり」までを読解する。
|
13週 |
小説「友よ」(4)/源氏物語「若紫」(4) |
「中田の横に立っていた」までを読解する。/「この子の後見なるべし」までを読解する。
|
14週 |
短歌/源氏物語「若紫」(5) |
短歌を朗読し、鑑賞する。/「ついゐたり」までを読解する。
|
15週 |
俳句/源氏物語「若紫」(6) |
俳句を朗読し、鑑賞する。/「涙ぞ落つる」までを読解する。
|
16週 |
一年間のまとめ |
一年間に行った学習をまとめ、今後の学習につなげる。
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | |