到達目標
(1)マクスウェル方程式の理解に必要となる数学的知識を活用できる.
(2)方程式の構築過程の理解に必要な,電磁気学的な物理現象について理解できている.
(3)マクスウェル方程式を出発点として議論される電磁波の概念について,理解できている.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
マクスウェル方程式の構築にあたって必要な数学的素養 | 応用的な問題に対する解法手順が示せる. | 基礎的な問題に対する解法手順が示せる. | 解法手順の説明が不十分である. |
方程式構築に必要な電磁気学的な物理現象の理解 | 物理現象のイメージを示せ,十分な説明ができる. | 物理現象のイメージを示せ,基礎的な説明ができる. | 物理現象のイメージが示せず,説明ができない. |
マクスウェル方程式の解釈 | 方程式を示すことができ,それについての解釈を説明できる. | 方程式が示せ,最低限の解釈説明ができる. | 方程式を示せず,解釈説明も不十分である. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
まず,既習の基本的な法則を積み上げていくことによって,その集大成であるマクスウェル方程式を再構築し,この方程式がどのような考えにたって作られたのかについて考察する.次に,マクスウェル方程式を出発点として議論される電磁波の概念について考察していく.
授業の進め方・方法:
マクスウェル方程式を構築するにあたって本質的な議論だけに的を絞り,あまり数式にこだわらない解説をしていく.議論を進めていくにあたり必要となる演習を課し,それを踏まえて講義を進めていく.
注意点:
マクスウェル方程式を学ぶには「ベクトル解析」の知識が不可欠であるため,当該分野の書籍・資料があれば持参することが望ましい.なお,必要に応じ数学的な必要事項に関するプリント等を配布する予定である.毎時間の演習、課題(自宅演習)の継続が重要である。
関連科目:電気磁気学Ⅰ・Ⅱ(2・3年)、各種数学、物理
評価方法:総合評定は演習50%、課題(自宅演習)50%の割合で評価算出する。
評価基準:100点満点で60点以上を合格とする。
本科(準学士過程):RB2(◎)
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業概要,電荷の間に働く力,静電場 |
クーロン力,静電場に関する現象のイメージを説明できる.
|
2週 |
マクスウェル方程式の概観 |
マクスウェル方程式を示し,数学的表記法の概略を理解する.
|
3週 |
ベクトルの回転と発散 |
磁場と電場の発生イメージについて,ベクトルの回転・発散と関連付けて理解できている.
|
4週 |
ガウスの法則,ガウスの定理,エネルギー保存の条件,ストークスの定理 |
積分形のガウス則から,微分形のガウス則を導ける.
|
5週 |
静電ポテンシャル |
静電ポテンシャルのイメージを説明でき,その導入必要性について理解できている.
|
6週 |
電束密度の意味,分極ベクトル |
電束密度の導入必要性について理解できている.
|
7週 |
電流による磁場の発生,ビオ・サバールの法則 |
微小な部分電流が作る磁場について理解できている.
|
8週 |
電流密度の導入 |
電流密度の導入必要性について理解できている.
|
2ndQ |
9週 |
ベクトルポテンシャルの導入 |
ベクトルポテンシャルの導入必要性について理解できている.
|
10週 |
アンペールの法則 |
微分形のアンペール則の導出手順を理解できている.
|
11週 |
ローレンツ力,物質中での磁場,分子電流 |
ローレンツ力をベクトル形式で表示できる.透磁率の概念導入について理解できている.
|
12週 |
電磁誘導 |
ファラデーの電磁誘導則について理解できている.
|
13週 |
変位電流,マクスウェル方程式の完成 |
変位電流の導入必要性について理解できている.
|
14週 |
電磁波,波動方程式,電波と磁波の関係 |
マクスウェル方程式を解くことで得られる電磁波の存在可能性について,理解できている.
|
15週 |
まとめ |
学習内容全体を振り返り,不十分な部分について理解する.
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 演習 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 50 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |