機器分析

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機器分析
科目番号 0064 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 『新版 入門機器分析化学』 庄野利之, 脇田久伸 編著 / 三共出版
担当教員 八須 匡和

到達目標

本授業の目的は分析機器の基本原理を理解することで、正しい操作法を習得し、正確なデータ解析ができるようになることである。そのため以下のような到達目標を設定する。
1. 機器分析測定法に関する測定原理と分析手法 が理解できる。
2. 物質の同定に必要な測定装置を選定し、得られたデータから考察できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各機器分析法の概要・原理・装置を詳細に説明できる。各機器分析法の概要・原理・装置を一部説明できる。各機器分析法の概要・原理・装置を理解しておらず、説明できない。
評価項目2各機器分析法のさまざまな測定法・応用を十分に説明できる。各機器分析法の測定法・応用を一部なりとも説明できる。各機器分析法の測定法・応用を理解しておらず、説明できない。
評価項目3測定データを適正に解析・考察することができる。間違いはあるが、測定データを解析・考察することができる。測定データを解析・考察することができない。

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義は、各種分析機器の運用経験を有する教員が機器分析法の原理・装置論・測定法・データ解析について講義するものである。本講義で取り上げる分析法はいずれも現代の実験科学における測定・評価系の中核的方法論であり、本カリキュラムを修めることで有機化学・無機化学・材料工学・生命科学といった極めて広範な学術領域に対応し得る基礎的知識・素養を醸成することができる。
授業の進め方・方法:
【授業の進め方】 授業は対面形式の講義 (隔週) で行われる。
【授業内容】 本シラバスに従い、各種機器分析法について概要・原理・装置論・測定方法を学ぶ。
【授業方法】 教科書に準拠したスライド講義で行われる。
注意点:
試験問題のレベルは教科書や配布課題に準拠したものとする。年間の総合評価は、定期試験 (前期中間試験20%、前期末試験20%、後期中間試験20%、学年末試験20%)、課題・レポート (10%)、受講態度 (10%) の割合で計算する (小数点以下は切り上げる)。

事前・事後学習、オフィスアワー

受講前の準備学習として、2年次必修の「分析化学」を復習しておくこと。
【事前学習】 事前に教科書の該当部分をよく読んでおくこと。その際、疑問を感じた部分や不明瞭であった部分を書き留めておくこと。
【事後学習】 授業の終わりに確認シートを配布する。授業内容の理解度を測るものであるため、完全解答をする必要は無く、質問や疑問点を積極的に記入すること。これらについての解説は次回授業の冒頭で行う。
【オフィスアワー】 講義日の16:00~17:00。ただしMicrosoftTeamsのチャットによる質疑応答は随時受け付ける。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・序論 機器分析の科目概要を把握する。本講義のシラバスの内容・成績管理上の注意点・予復習について理解する。機器分析の発展と種類についてその概略を説明できる。
2週 吸光光度分析 吸光光度分析の概要・原理・装置論を理解し、ランベルト-ベールの法則に基づいた計算ができる。
3週 蛍光光度分析 蛍光放射を理解し、そのスペクトルデータから得られる情報を説明できる。
4週 赤外吸収スペクトル分析法 赤外吸収の原理と測定ならびにスペクトルデータの解析について理解できる。
5週 中間試験
6週 原子吸光分析 原子吸光分析について概要・原理・装置論・測定法を説明できる。
7週 発光分光分析 発光分光分析について概要・原理・装置論・測定法を説明できる。
8週 X線分析 X線の特性を理解し、この特性を活かした分析機器の特徴や得られるデータについて説明できる。
2ndQ
9週 前期末試験
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 核磁気共鳴分析 核磁気共鳴分析の原理と測定ならびにデータ解析が理解できる。
2週 質量分析 質量分析法 (MS) の概要・原理・装置論・測定法を理解し、質量スペクトルの解釈ができる。
3週 クロマトグラフィー 1 (基礎) クロマトグラフィーの原理を説明できる。
4週 クロマトグラフィー 2 (応用) 各種クロマトグラフィーの概要と、特徴・用途について理解できる。
5週 中間試験
6週 電気分析 電気化学的手法の原理が理解できる。各手法で得られるデータの解釈について説明できる。
7週 熱分析法 熱重量分析 (TG)-示差熱分析 (DTA)・示差走査熱量分析 (DSC) について概要・原理・装置論・測定法を説明できる。
8週 表面分析法 走査型電子顕微鏡 (SEM)・透過型電子顕微鏡 (TEM) の概要・装置論・測定法を説明できる。X線光電子分光法の概要を説明できる。
4thQ
9週 学年末試験
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4
いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
錯体の生成について説明できる。4
錯体の生成について説明できる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前6
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前6

評価割合

前期中間試験前期末試験後期中間試験学年末試験課題・レポート受講態度合計
総合評価割合202020201010100
基礎的能力1010101051055
専門的能力55555025
分野横断的能力55550020