概要:
本科目は本校への導入教育の位置づけで開講されており,自身の所属学科以外を理解するためのガイダンスを3コマを利用して実施する.ガイダンスにより,工学に対する興味・関心を高めるとともに,主体的・積極的に学問に取り組む姿勢を身に付けることを目的とする.また、基礎的な化学反応,化学物質の取り扱い,化学系実験の基本操作及び基本測定を学び,また,基本的な実験記録法・報告書の作成法を体得することを目標としている.
授業の進め方・方法:
・授業内容は,学習・教育到達目標(B)<基礎><専門>に対応する.
・授業計画に記載のテーマについて,クラス単位で各学科の実験・実習を行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>報告書の内容により評価する.下記授業計画の「到達目標」の各項目の重みは概ね同じである.満点の60%の得点で,目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>各科実験・実習レポートまたは作品を95%,実験スキル評価シートを5%の重みで評価する.ただし,未提出レポートがある場合は原則的に学年末評価を行わない.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>1年生の授業で学習する基礎的,基本的な内容.ただし必要な基礎知識はその都度解説する.
<レポート等>実験レポートは、各科実験終了後の次の実験を実施する日に提出する.ただし独自のものに限る.
<備考>実験・実習室内では,各実験・実習にて指定した服,運動靴等を着用する.実験中は実験経過や結果をできるだけ詳細に実験・実習ノートに記入し,問題点や着想などもその都度控えておく.また,本実験は,後に履修する実験の基礎知識や技術を学ぶ科目である.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
安全教育・廃液処理講習・その他 |
1 .種々の実験・実習において怪我等の事故を起こさないため,また事故が起きてしまった時の対処法など,安全に関する基礎的な心得を把握している.報告書の書き方を把握している. 2. 実験廃液,取り扱う薬品に関しての人体や環境に対する基礎的な注意事項を把握している.
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2週 |
ガラス細工(ガラスの切断,ガラス管の曲げ) |
3. ガラス細工における火傷,怪我に対する注意事項を把握している. 4. 実験器具に用いるガラスの種類を把握し,ガラスの切断,引き伸ばし,曲げなど基礎的なガラス細工法を体得している.
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3週 |
ガラス細工(ガラス管の曲げ,攪拌棒の作製) |
上記3.4
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4週 |
ガラス細工(ガラス管の曲げ,攪拌棒の作製) |
上記3.4
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5週 |
常圧蒸留の原理と役割,実験装置の組み立て,常圧.蒸留操作 |
5. 常圧蒸留の原理と役割,装置の組み立てと操作法を把握している.
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6週 |
水蒸気蒸留装置の原理と役割, 実験装置組み立て |
6. 水蒸気蒸留の原理と役割,装置の組み立てと操作法を把握している.
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7週 |
水蒸気蒸留操作 |
上記6
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8週 |
前期中間試験期間 |
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2ndQ |
9週 |
融点測定の原理と役割,装置の組み立て,有機物質の融点測定 |
7. 融点測定操作の原理と役目,装置の組み立てと操作法を把握している. 8.融点測定における物質の純度の比較法を理解している.
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10週 |
有機物質の融点測定 |
上記8
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11週 |
混融測定による物質の純度の比較 |
上記8
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12週 |
ガラス器具の洗浄法,各種液量計、ガラス器具の取り扱い方,定められたモル濃度,重量%濃度の試薬の調整 |
9. 代表的なガラス器具の正しい洗浄方法と使用法を把握している. 10. 代表的な受け用,出し用液量計の取扱法を把握している. 11. 液量計を用いて定められたモル濃度の標準液が調整できる.
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13週 |
定められたモル濃度,重量%濃度の試薬の調整 |
上記11
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14週 |
定められたモル濃度,重量%濃度の試薬の調整 |
上記11
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15週 |
固体の密度測定 |
12. 密度計(ピクノメーター)による固体の密度測定の原理と測定法を把握している.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 1 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 1 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 1 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 1 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 1 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 1 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 1 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 1 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 1 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 1 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 1 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 物理化学実験 | 各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。 | 4 | |