到達目標
・マイコンのハードウェア構成を理解し,アーキテクチャ等について説明できる.
・アセンブリ言語やC言語を用いて,デジタル入出力,タイマー割込み,A/D変換などの外部装置を活用するプログラムを作成できる.
・具体的な利用状況を想定して,マイコンを用いた基本的なシステムの設計ができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
内部構成と基本動作 | PICマイコンの内部構成としてアーキテクチャ、命令構成、メモリ構成を理解し、説明できる。 | ノイマン型アーキテクチャとハーバードアーキテクチャの違いを理解し,説明できる. | マイコンの基本内部構成を説明できない. |
アセンブリ言語の基礎 | アセンブリ言語の基本命令を理解し、効率的なプログラムを記述できる。
アセンブリ言語を用いてI/Oポートを利用した入出力プログラムを記述し、動作の確認をできる | アセンブリ言語の基本命令を理解し、基礎的なプログラムを記述できる。 | アセンブリ言語を用いて基礎的なプログラムを記述できない. |
C言語プログラミング、割り込み、タイマ | C言語を用いてI/Oポートを利用した入出力プログラムを記述し、動作を確認できる.
割り込みの必要性を理解し、割り込み処理プログラムを記述できる.
タイマの仕組みを理解し、タイマ処理プログラムを記述できる. | C言語を用いてI/Oポートを利用した入出力プログラムを記述し、動作を確認できる.
割り込みの必要性を理解し、割り込み処理の流れを説明できる。
タイマの仕組みを理解し、タイマ処理の流れを説明できる。 | C言語を用いて基礎的なプログラムを記述できない. |
システム設計演習 | 割り込みやタイマ,シリアル通信などのハードウェアを活用したプログラムを作成し、動作を確認できる。
要求される機能をハードウェアとソフトウェアで実現するための要求分析ができる.
要求される機能を実現するシステム構成ができる. | 割り込みやタイマ,シリアル通信などのハードウェアを活用したプログラムを作成し、動作を確認できる。
要求される機能をハードウェアとソフトウェアで実現するための要求分析ができる. | 割り込みやタイマ,シリアル通信などのハードウェアを活用したプログラムを記述できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
コンピュータの動く仕組みを理解しておくことは、効率の良いプログラムを作成するのに役立つ。マイコン(Microcontroller)は規模が小さいのでコンピュータの動く仕組みを理解しやすい。マイコンは家電や情報機器に限らず多種多様な電子製品や機械装置に用いられており、組込みシステムと呼ばれている。本科目では、Microchip社のPICマイコンを取り上げて、マイコンの内部構成と基本動作を学び、アセンブリ言語とC言語によるプログラムを作成できる基礎技術を修得する。マイコンで欠かせない割り込みやタイマー、シリアル通信に関する技術を利用する演習課題に取り組む。さらに、Arduinoマイコンと互換性のあるIntel Galileo Gen 2を用いて、より実践的な技術の修得を目指す。
授業の進め方・方法:
前期では、マイコンに関する知識を講義を中心に学び、演習によって動作を確認する。
後期では、与えられた課題に取り組む演習中心の授業を行う。
注意点:
講義だけでマイコンの知識を全て理解することは難しい。プログラムを作成し、演習装置を用いて試行錯誤的に動作を確認しながら理解を深めることが大切である。
本科目は2単位科目であり,規定授業時数は60時間である.授業以外に30時間の自学自習時間が求められます.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
内部構成と基本動作(1) |
PICマイコンの内部構成としてアーキテクチャ、命令構成、メモリ構成を理解し、説明できる。
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2週 |
内部構成と基本動作(2) |
同上
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3週 |
内部構成と基本動作(3) |
同上
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4週 |
アセンブリ言語の基礎(1) |
アセンブリ言語の基本命令を理解し、基礎的なプログラムを記述できる。 アセンブリ言語を用いてI/Oポートを利用した入出力プログラムを記述し、動作の確認をできる
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5週 |
アセンブリ言語の基礎(2) |
同上
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6週 |
アセンブリ言語の基礎(3) |
同上
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
中間試験の解説 |
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2ndQ |
9週 |
I/O入出力(1) |
C言語による記述方法を理解し、基礎的なプログラムを記述できる。 C言語を用いてI/Oポートを利用した入出力プログラムを記述し、動作の確認をできる
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10週 |
I/O入出力(2) |
同上
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11週 |
I/O入出力(3) |
同上
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12週 |
割り込み処理,タイマー |
割り込みの必要性を理解し、割り込み処理の流れを説明できる。 タイマの仕組みを理解し、タイマ処理の流れを説明できる。 割り込みやタイマを利用した基礎的なプログラムを記述し,動作を確認できる.
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13週 |
割り込み処理,タイマー |
同上
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14週 |
割り込み処理,タイマー |
同上
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15週 |
定期試験 |
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16週 |
定期試験の解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
シリアル通信 |
USARTによる調歩同期式シリアル通信を利用したプログラムを記述し,動作を確認できる.
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2週 |
シリアル通信 |
同上
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3週 |
シリアル通信 |
同上
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4週 |
A/D変換 |
A/D変換を利用したプログラムを記述し,動作を確認できる.
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5週 |
A/D変換 |
同上
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6週 |
A/D変換 |
同上
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
中間試験の解説 |
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4thQ |
9週 |
システム設計演習(1) |
Aruduio互換マイコンを利用して,割り込みやタイマ,シリアル通信などのハードウェアを活用したプログラムを作成し、動作を確認できる。 要求される機能をハードウェアとソフトウェアで実現するための要求分析ができる. 要求される機能を実現するシステム構成ができる.
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10週 |
システム設計演習(2) |
同上
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11週 |
システム設計演習(3) |
同上
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12週 |
システム設計演習(4) |
同上
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13週 |
システム設計演習(5) |
同上
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14週 |
システム設計演習(6) |
同上
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15週 |
レポート作成 |
システム設計演習で取り組んだ内容をレポートとしてまとめることができる。
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16週 |
レポート作成 |
同上
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。 | 3 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
コンピュータシステム | システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。 | 2 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 10 | 30 |
専門的能力 | 40 | 30 | 70 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |