基礎生物学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 基礎生物学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 高等学校 生物基礎(第一学習社))/基礎からしっかり学ぶ生化学(羊土社)
担当教員 小林 渡

到達目標

1. 細胞の構造,細胞内小器官の由来や働き,核とゲノム及び細胞分化について理解し,説明出来る。
2. 生体膜,膜タンパク質の化学的性質の理解を通して,細胞の恒常性及び細胞間情報伝達物質とその受容体について説明出来る。
3. 免疫系による生体防御の仕組みを説明出来る。
4. 光合成における光合成色素,光化学反応,炭酸固定反応について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1細胞の構造,細胞内小器官の由来や働き,核とゲノム及び細胞分化について理解し,詳細に説明出来る。細胞の構造,細胞内小器官の由来や働き,核とゲノム及び細胞分化について理解し,簡潔に説明出来る。左記に達していない。
評価項目2生体膜,膜タンパク質の化学的性質の理解を通して,細胞の恒常性及び細胞間情報伝達物質とその受容体について詳細に説明出来る。生体膜,膜タンパク質の化学的性質の理解を通して,細胞の恒常性及び細胞間情報伝達物質とその受容体について簡潔に説明出来る。左記に達していない。
評価項目3免疫系による生体防御の仕組みを理解し,詳しく説明出来る。免疫系による生体防御の仕組みを理解し,簡潔に説明出来る。左記に達していない。
評価項目4光合成の反応に係わる各反応を正確に理解し,正しく説明出来る。光合成の概要を理解し,簡潔に説明出来る。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・生物の構成単位である細胞の機能を生体分子の化学的特性を基に把握し,生命現象のエネルギー的基盤である光合成を化学の観点から把握できる。
・細胞核とDNA,ゲノムの関係,さらには細胞分化について学ぶ.
・細胞膜の透過性、膜輸送について、小腸上皮細胞による吸収を例に学ぶ。
・免疫系による生体防御のしくみとそれにおける細胞間情報伝達物質とその受容体の働きを学ぶ.
・葉緑体の構造と光合成反応の概要を学ぶ。
授業の進め方・方法:

・毎回の講義では、重要箇所や参考画像を示しつつ、板書による講義形式で行う。各テーマ毎に復習のためのプリントを課すので、期日まで作成して提出する。
注意点:
・評価は試験(80%)及び課題提出の状況(20%)を総合して決定し、60点以上を合格とする。
・履修にあたっては,2学年一般科目の生物の内容や3学年年の生化学,微生物学を適宜復習する。また,同時期に開講される生化学実験のテーマとの関連も深いので,互いに参照しつつ復習する。さらに,日常的に農業,水産業、工業分野でのバイオ関係のニュース,及び医療問題などに関心をもつこと,さらに生物である自分の身体に関心を持ち講義に臨むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
真核細胞の構造とはたらき1
核の構造及び染色体と遺伝情報の分配について説明出来る.
2週 真核細胞の構造とはたらき2 真核生物の主な細胞小器官の機能を説明できる。膜構造物
3週 真核細胞の構造とはたらき3 真核生物の主な細胞小器官の機能を説明できる。膜構造物以外
4週 生体膜の性質1 真核生物の主な細胞小器官の機能を説明できる。膜構造物以外
5週 生体膜の性質2 リン脂質の性質と生体膜の構造について説明できる。
6週 生体膜の性質3 半透膜と浸透圧について理解し,その重要性を説明することができる。
7週 生体膜の性質4 細胞内外への物質輸送に関する膜タンパク質の役割について説明できる。受動輸送と能動輸送にいて説明出来る。
8週
生体防御1
次週、中間試験を実施する。
ホ乳類の生体防御の概略,防御に関係する細胞についた簡潔に説明出来る.
4thQ
9週 生体防御2 自然免疫系における食作用と情報伝達について説明出来る.
10週 生体防御3 抗体による液性免疫,T細胞による細胞性免疫について簡潔に説明出来る。
11週 生体防御4 アレルギー,自己免疫疾患の仕組みについて簡潔に説明出来る
12週 光合成1 光合成の概要とその意義について説明できる.葉緑体の構造及び光合成色素の種類について説明出来る。
13週 光合成2 可視光の波長と色素による吸収及び光化学反応によるNADPHとATPの生成について説明出来る。
14週 光合成3 光合成の炭酸固定による糖の生成について説明出来る。
15週 光合成4 光合成の環境適応:C3植物、C4植物、CAM植物,光合成と環境条件の関係について説明出来る。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。3
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4
細胞周期について説明できる。3
分化について説明できる。4
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。3
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。3
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
生物化学単糖と多糖の生物機能を説明できる。3
グリコシド結合を説明できる。3
多糖の例を説明できる。3
脂質の機能を複数あげることができる。3
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。3
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3
各種の光合成色素の働きを説明できる。4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4
炭酸固定の過程を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。2
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。2

評価割合

試験発表課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力2501500040
専門的能力550500060
分野横断的能力0000000