応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0072 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 「微分積分」(数理工学社),高専テキストシリーズ「線形代数」(森北出版),「応用数学」(数理工学社)
担当教員 長岡 耕一

到達目標

1. 2重積分の定義を理解し,いろいろな2重積分の値を計算できるようになる。
2. 1階と2階の典型的な微分方程式が解けるようになる。
3. 行列の固有値・固有ベクトルを求めることができ,行列を対角化できる。
4. 複素数を複素平面上に図示することができ,ド・モアブルの公式を使うことができる。
5.複素変数の関数について理解し,コーシー・リーマンの関係式を用いて正則性を判定できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12重積分の値を様々な領域に対して計算でき,体積を求める問題などに応用できる。2重積分の値を計算できる。極座標を用いて2重積分の値を計算できる。2重積分の値を簡単な領域の場合に求めることができない。
評価項目2同次形,1階線形微分方程式が解ける。2階非同次線形微分方程式の解を求めることができる。変数分離形の微分方程式,定数係数2階同次線形微分方程式の解を求めることができる。変数分離形の微分方程式,定数係数2階同次線形微分方程式の解を求めることができない。
評価項目31次変換による図形の像を求めることができ,行列の固有値固有ベクトルを用いて,行列を対角化できる。1次独立・1次従属を判定できる。行列の固有値・固有ベクトルを求めることができ,これを応用して行列を対角化できる。行列の固有値・固有ベクトルを求めることができない。
評価項目4ド・モアブルの公式を利用して,複素数のべき乗およびn乗根を求めることができる。複素数の極形式を求めることができる。ド・モアブルの公式を利用して,複素数のべき乗を計算できる。複素数の極形式を求めることができない。
評価項目5複素関数の正則条件を用いることができる。複素関数が正則であることを判定できる。複素関数が正則であることを判定できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる
JABEE A-1 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
応用数学Ⅰでは,2重積分の計算法およびその応用について学び,1階および2階の微分方程式の解法を学ぶ。次に,1次変換および行列の固有値と固有ベクトルの概念を学び,行列を対角化する。最後に,複素数の初歩的な事項および複素関数の正則性を扱う。
授業の進め方・方法:
学習内容を解説する講義とテキストにある問いをいくつかとり上げ演習する。テキストまたは問題集の問題をレポート課題として課す。授業計画を確認して,テキストの例題はあらかじめ予習し,疑問点を整理して授業へのぞむこと。授業後は,レポート課題に取り組みながら理解を確認するとともに,各自問題集等により知識の定着を図ること。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標はA-1とする.
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)ついては,日常の授業(60時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【「微分積分」】 第6章 2重積分
6.1 重積分
2重積分の定義を理解できる。
2週 6.1 重積分(その2) 累次積分の順序を変更できる。
3週 6.2 重積分の変数変換 極座標を用いて2重積分の値を計算できる。
4週 6.3 体積
(次週, 小試験)
2重積分を応用して立体の体積を求めることができる。
5週 【「応用数学」】 第1章 微分方程式
1.1 微分方程式とは
1.2 1階常微分方程式(その1)
与えられた関数が微分方程式の解であることを確かめることができる。
変数分離形の微分方程式の一般解を求めることができる。
一般解の任意定数を初期条件から決定できる。
6週 1.2 1階常微分方程式(その2)
1階線形微分方程式の解を求めることができる。
様々な現象に微分方程式を応用できる。
7週 1.3 2階常微分方程式
次週,中間試験を実施する。
2階線形微分方程式の解の構造を理解する。
定数係数同次線形2階線形微分方程式の解の構造を理解する。
定数係数斉次微分方程式の一般解を求めることができる。
8週 【森北出版:線形代数】
第3章 線形変換
7.1 固有値と固有ベクトル(その1)
階線形微分方程式の解の構造を理解する。
2次の正方行列の固有値および固有ベクトルについて理解し,それらを求めることができる。
2ndQ
9週 7.1 固有値と固有ベクトル(その2) 3次の正方行列の固有値および固有ベクトルを求めることができる。
10週 7.2 行列の対角化 正方行列を対角化できる。
11週 7.3 対称行列の対角化
(次週,小試験)
対称行列を対角化できる。
12週 【森北出版:応用数学】
第2章 複素関数論
1.1 複素平面
複素平面を利用して,複素数の極形式を求めることができる。
13週 1.2 極形式 ド・モアブルの公式を利用して,複素数のべき乗,n乗根を求めることができる。
14週 2.1 複素関数
2.2 基本的な複素関数
複素関数の基本的な事柄について理解できる。

複素変数の多項式や指数関数,三角関数について理解し,具体的な値を求めることができる。
15週 2.3 複素関数の極限
2.4 コーシー・リーマンの関係式
複素関数が正則であるかどうかを判定できる。
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3前1
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3前2
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3前3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3前4
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3前5
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3前6

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力801595
専門的能力000
分野横断的能力055