応用物理Ⅳ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 応用物理Ⅳ
科目番号 0014 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 高専の応用物理(小暮陽三編集,森北出版)
担当教員 高廣 政彦

到達目標

応用物理Ⅰ,Ⅱ、Ⅲに引き続き,数学的手法を用いて物理現象を表現,解析することを目的とする
1.特殊相対性理論と一般相対性理論の概要が理解でき、ローレンツ変換を用いて運動する物体の収縮や時間の遅れを説明できる
2.光の波動性,粒子性、量子仮説に関して説明できる
3.ボーアの模型と原子構造に関して説明でき、かつこれにともなう現象に関してを理解することができる
4.物質波と,シュレディンガー方程式および波動関数に関して説明でき、1次元井戸型ポテンシャルにおいてシュレディンガー方程式により、波動関数、エネルギーを求めることができる
5.原子核および構成素粒子の性質に関して量子力学的な観点から説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1動いている物体の収縮や時間の遅れに関して具体的に計算できる動いている物体の収縮や時間の遅れを定性的に説明できる動いている物体の収縮や時間の遅れの原因を理解できない
評価項目2光電効果に基づく仕事関数を計算でき、物質波の波長と運動量の関係を求めることができる光電効果やコンプトン効果を定性的に説明でき、光の波動性,粒子性に基づく現象を説明できる物質波の概念ならびに光の粒子性が理解できない
評価項目3ボーアの模型を仮定することによる原子の線スペクトル現象を定量的に解析できるボーアの模型を仮定することによる原子の線スペクトル現象を定性的に説明できるボーアの模型を仮定することによる原子の線スペクトル現象の関係を説明できない
評価項目41次元井戸型ポテンシャルにおいてシュレディンガー方程式を与えられた条件で解き、波動関数、エネルギーを求めることができる波動粒子のエネルギーがとびとびの値をとることや波動関数の意味について定性的に説明できる波動関数の概念が理解できない
評価項目5放射能に関してその性質を説明でき、原子核に基づく強い力、弱い力について説明競ることができる。原子核の構造および核反応について定積的に説明できる。核反応と化学反応の違いが理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代物理学の代表である相対性理論と量子力学に関してその概要を理解し,更にこれらの学問がどのように利用されているかを学ぶ
授業の進め方・方法:
講義と平行して現代物理学に関する各種問題演習を行う。
注意点:
線形代数(ベクトル,座標変換)および微分方程式の解法を復習しておくと同時に,比較的複雑な積分計算ができるように復習しておくこと.授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ローレンツ変換と特殊相対論 ローレンツ変換とガリレイ変換の違いについて説明できる
2週 ローレンツ変換の性質,ローレンツ短縮 動いている物体に固有のローレンツ収縮現象を定量的に解析できる
3週 ローレンツ変換の性質(2),時間の遅れ 動いている物体の時計が遅れる理由をを定量的に解析できる
4週 相対論的運動方程式 ニュートンの運動方程式を相対論的に補正し、力と運動量の関係を解析する
5週 静止質量とエネルギー 静止質量エネルギーとは何か理解でき、
定量的な計算ができる
6週 一般相対性理論の概要
加速系における等価原理と一般相対性原理について説明できる
7週 熱放射と量子仮説 物質の黒体放射を量子仮説を用いて説明できる
8週 光電効果,コンプトン効果 光電効果やコンプトン効果がどのような現象なのかを説明できる
4thQ
9週 電子線と回折 電子に付随する波動性に関して定性的に説明でき、電子線の波長を求めることができる
10週 原子模型,ボーアの量子論 ボーアの模型を仮定することにより原子の線スペクトル現象を説明できる
11週 電子の波動性とシュレディンガー方程式 物質波と,それが従うシュレディンガー方程式について説明できる
12週 エネルギー固有値と波動関数 波動関数の意味が理解でき、1次元井戸型ポテンシャルにおいて波動関数、エネルギーを求めることができる
13週 原子構造,原子核 原子の構造に関して量子力学的に説明できる
14週 素粒子論の概要 原子核を構成する各種素粒子についてその性質を説明できる
15週 期末テストの解答、解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合800000080
基礎的能力400000040
専門的能力200000020
分野横断的能力200000020