到達目標
1、日本中世史・近世史の歴史的事象や特徴を正確に把握するとともに、時代背景や転換点を深く分析・追究することができる。
2、東アジアならびに西ヨーロッパ諸国を含むグローバルな国際環境の中で日本史の流れを捉えることができる。
3、中世・近世と我々の生きる現代社会とのつながりに関心を持ち、学習内容・成果をより身近に感じることができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 中世・近世の歴史用語を記述・選択できる。 | 中世・近世の歴史用語を選択できる。 | 中世・近世の歴史用語を選択できない。 |
評価項目2 | 関連する歴史資料・図表等について具体的に説明できる。 | 関連する歴史資料・図表等について説明できる。 | 関連する歴史資料・図表等について説明できない。 |
評価項目3 | 歴史的事象と現代社会のつながりについて意欲的な意見・感想を持つ。 | 歴史的事象と現代社会のつながりについて意見・感想を持つ。 | 歴史的事象と現代社会のつながりについて意見・感想を持てない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本講義は社会人基礎力・文化的教養を身につけるため、古代から近代までの日本史を通史的に学ぶ日本史概説講座の後半である。各時代の特徴や歴史的事象の関連性、時代の転換点等のポイントを押さえながら、元寇以後のアジア世界との関連から始まりいわゆる「鎖国」に至り、本格的に国民国家システムに参入する近代以降を概観するものである。先人たちが知恵を駆使しながら、各時代の国際社会の中で日本の自立を獲得し国内社会を豊かにしてきたこと、さらには近世・近代と我々の生きる現代社会とのつながりについて理解・認識を深めていく。
授業の進め方・方法:
講義形式(板書)で、教科書・副教材ならびに配布資料(ワークシート)を用いて授業を進める。
注意点:
授業の進度は学生の理解度に応じて変更することがある。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
蒙古襲来と鎌倉幕府の衰退 |
モンゴル襲来の事実経過をおさえ、なぜモンゴルが去っていったかをかんがえてまとめる
|
2週 |
主題学習・蒙古襲来絵詞 |
『蒙古襲来絵詞』を題材に元寇に対応した御家人竹崎季長の思いをとらえる
|
3週 |
鎌倉時代の仏教と文化 |
古代以来の仏教勢力のなかからどのようにして新たな動向が生まれたのかまとめる。絵伝や肖像彫刻を参考にする。
|
4週 |
北条氏の専制と悪党 |
鎌倉の実力者としての北条氏専制がどのように進み、後醍醐天皇らの権力回復が二度失敗に終わり悪党勢力が台頭する背景を把握する。
|
5週 |
建武新政と南北朝の内乱 |
後醍醐天皇の政治が失敗した理由を政権構造や尊氏を中心とした武士の思いなどからとらえる。尊氏の政権が尊氏派・直義派・南朝の3勢力となったことを理解する。
|
6週 |
室町幕府の確立 |
室町幕府3代将軍足利義満が幕府組織と財源を整備し守護大名を統制した。守護大名の成長を6代将軍義教の時は抑えれなくなってきた背景をとらえる。
|
7週 |
室町幕府時代の東アジアと日本 |
東アジア全体から見て明・倭寇・朝鮮半島・日本の関係をとらえる交易図を完成する。義満が進めた日明貿易の発端・経過・貿易品目をおさえ、日本全体の経済に与えた影響を整理する。
|
8週 |
南北朝時代の文化と北山文化 |
内乱期は軍記物や歴史書が編まれ、連帯の文化の始まりと言える連歌が登場した。北山文化は臨済禅五山僧が学問分野で活躍し、義満の保護で田楽・猿楽能が発達したことを理解する。。
|
2ndQ |
9週 |
中間試験 |
鎌倉から室町初期までの時代の流れを確認する。
|
10週 |
答案返却室町時代の流通経済の発達 |
水運・陸運は荘園から領主へ年貢米輸送などから発達した。鎌倉からの経済的進展や明銭の流通で撰銭などの行為があったことをおさえる
|
11週 |
惣村と一揆 |
惣村成立過程と内部組織や地頭請の開始を整理し逃散強訴荘家の一揆へと進展していくことをとらえる。正長の土一揆・嘉吉の土一揆を比較し徳政令の意味を確認する。
|
12週 |
室町幕府の衰退と戦国動乱 |
東国は1454年享徳の乱から、京都では1467年応仁の乱から戦国の動乱が開始される。1485年山城の一揆・1488年加賀の一向一揆でより一層混迷する。その事実経過を史料に即して理解する。
|
13週 |
戦国時代の政治と社会 |
戦国大名の分国統治について分国法など理解する。
|
14週 |
洛中洛外図 |
資料集p142-145『洛中洛外図』(上杉本)を資料集の「読み解く」にしたがって調べてみよう。
|
15週 |
期末試験 |
|
16週 |
答案返却・解説、自己確認 |
鎌倉から室町時代のながれを理解した点不足している点を確認する。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
東山文化と地方への普及 |
戦国時代8代将軍義政の東山文化の象徴である観音殿(銀閣)を調べ、その居住空間に合う文化を確認する。地方に朱子学・教育機関・連歌などが伝播する事例を確認し理解する。
|
2週 |
大航海時代 |
16世紀世界全体を俯瞰し、鉄砲・キリスト教・南蛮文化が伝播した経過と影響を理解する
|
3週 |
織田信長の天下布武 |
1560~82年の信長統一過程を整理し理解する。信長統一事業のなかで一番長く戦ったのは浄土真宗門徒だが、延暦寺・キリスト教と比較してその理由を理解する。
|
4週 |
長篠合戦図 |
1575年の長篠の戦いを描いたとする『長篠合戦図屏風』を調べて歴史的事実と伝わり加えられたことを確認し史料による歴史検証を理解する。
|
5週 |
豊臣秀吉の全国統一 |
1582~92年の秀吉統一過程を把握し、検地・刀狩りの内容を調べて政治的意味を理解する。
|
6週 |
豊臣政権の対外政策 |
秀吉の対外政策は1587・88年に大きく転換する。明や朝鮮半島への認識の違いから朝鮮侵略に至るが、戦いの経過と影響を理解する。
|
7週 |
桃山文化 |
武家の城郭建築とそれに合う文化として障壁画が流行し、茶道やそれに伴う製陶が盛んになった。民衆の娯楽として浄瑠璃・阿国歌舞伎が芽生えたことなど理解する。
|
8週 |
徳川家康の一生 |
家康が人生の節目で描かせた肖像画を使用するなどで家康の一生をたどり理解する。
|
4thQ |
9週 |
後期中間試験 |
室町末期から江戸初期までの時代の流れ理解を自己確認する。
|
10週 |
江戸幕府の成立 |
江戸幕府の法的整備を調べ統制策を理解する。
|
11週 |
幕府と藩の支配体制 |
江戸幕府や藩の統治組織や貨幣制度を調べ、現代との違いを理解する。江戸初期寛永文化の建築と絵画を理解する。
|
12週 |
鎖国と四つの窓口 |
江戸初期の朱印船貿易から禁教政策へ転換して最終的に厳格な統制貿易に至るまでを理解する。1637年の島原の乱の事実経過とその影響を理解する。
|
13週 |
身分制と町の支配 |
士農工商以外の様々な人々の暮らしぶりにふれる、特に農民の負担が大きく厳しく統制されていた実態を理解する。都市民は比較的緩やかな自治的運営であったことを確認する。
|
14週 |
江戸時代の女性たち |
教科書p120-121にある江戸時代の女性が受けた教育や結婚離婚の実態を文書で確認する。
|
15週 |
期末試験 |
|
16週 |
期末試験解答返却質疑応答 |
江戸時代前半の歴史の流れを理解したかどうか自己確認し、理解した点と不足した点を把握する。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 3 | |
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。 | 3 | |
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 3 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 3 | |
工学基礎 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。 | 3 | |
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。 | 3 | |
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。 | 3 | |
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 提出物 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |