計算機構成論Ⅰ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 計算機構成論Ⅰ
科目番号 0105 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 坂井修一「論理回路入門」培風館
担当教員 青山 義弘

到達目標

(1)組合せ論理回路について、実際に使用される部品レベルでの構築方法を理解する。
(2)順序論理回路について、状態制御に関し理解する。
(3)ノイマン方式の計算機の構成を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1要求仕様から複雑な組合せ論理回路の設計が行える。複雑な組合せ論理回路の設計が行える。複雑な組合せ論理回路の設計が出来ない。
評価項目2要求仕様から状態遷移を理解し、順序論理回路の設計が行える。状態遷移を理解し、順序論理回路の設計が行える。状態遷移を理解し、順序論理回路の設計が出来ない。
評価項目3HDL、CADなどを駆使して、論理回路設計ができる。HDL、CADなどのツールを理解する。HDL、CADなどのツールが使えない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
論理回路(組み合わせ)について復習し、簡単な演算回路を理解する。論理回路(順序)を学習し、制御に関する勉強を行なう。計算機内部のデータの動きを把握し、ノイマン方式の計算機の構成について学習する。
授業の進め方・方法:
教科書およびノートに基づく講義により知識を展開し、演習によって定着を図る。
注意点:
本科(準学士課程)の学習・教育目標: RB2(◎)
関連科目:論理回路(本科2年)、計算機構成論Ⅱ(本科4年)、計算機アーキテクチャ(本科5年)
学習教育目標の達成度評価方法:授業内容に関する試験(中間・期末、計4回)を70%、提出された課題を30%で評価する。 合格点に満たない場合はそれまでに出された課題をすべて提出している学生に限り、課題の追加提出および再試験およびレポートを実施し、前期と後期の平均を学年成績とする。
学習教育目標の達成度評価基準:総合評価60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、授業概要説明
2進8進16進数、補数、負数、加減乗除算
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。
基数変換、演算ができる
2週 演算回路の復習 基数変換、演算ができる
3週 回路の設計演習 Logisimにより基本的な回路設計、シミュレーションができる
4週 回路の設計演習 LogisimによりALUの回路設計、シミュレーションができる
5週 その他の組合せ回路の復習 仕様に基づき組合せ論理回路を設計できる
演算フラグが理解できる
ハミングコードが理解できる
6週 SRラッチ、Dラッチ SRラッチ、Dラッチの動作を理解し説明できる
7週 クロック、フリップフロップ、マスタスレーブ型回路、JK-FF、T-FF 各種FFの動作が理解できる
8週 中間学力確認
2ndQ
9週 確認試験の解答、解説、演習
10週 同期/非同期、状態遷移図 同期/非同期の違いを理解し説明できる
Dフリップフロップ、JKフリップフロップ、Tフリップフロップの動作を理解し説明できる
11週 カウンタ、レジスタ カウンタの設計ができる
12週 レジスタ,シフトレジスタ,リングカウンタ,ジョンソンカウンタ レジスタ,シフトレジスタ,リングカウンタ,ジョンソンカウンタの動作を理解し設計できる
13週 応用回路 Dフリップフロップを使った回路設計ができる
14週 その他の回路の設計演習 Dフリップフロップを使った回路設計ができる
15週 前期内容の復習
16週 期末試験の解説、JKフリップフロップを使った順序回路、入力方程式の導出 JKフリップフロップを使った回路設計ができる
後期
3rdQ
1週 入力方程式の導出 JKフリップフロップを使った回路設計ができる
2週 順序回路の解析と設計 順序回路の解析方法を理解する
3週 応用回路(信号機制御) 仕様に基づき順序論理回路を設計できる
4週 応用回路(信号機制御) 仕様に基づき順序論理回路を設計できる
5週 応用回路(自動販売機) 仕様に基づき順序論理回路を設計できる
6週 その他の回路の設計演習
シミュレーション
仕様に基づき順序論理回路を設計できる
CADを用いたシミュレーションができる
7週 その他の回路の設計演習 仕様に基づき順序論理回路を設計できる
8週 中間試験
4thQ
9週 試験の解答、解説、演習、verilogHDL HDL設計の必要性の理解
10週 コンピュータの構成 ノイマン型コンピュータの特徴、構成、動作を理解し説明できる
11週 ALU、コンピュータ制御、命令実行方法 ノイマン型コンピュータの特徴、構成、動作を理解し説明できる
12週 ALU、コンピュータ制御、命令実行方法 ノイマン型コンピュータの特徴、構成、動作を理解し説明できる
13週 命令セットアーキテクチャ 命令セットアーキテクチャについて理解する
14週 命令セットアーキテクチャ 命令セットアーキテクチャについて理解する
15週 後期内容の復習
16週 期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前1
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前1
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前1,前2
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前1,前2
基本的な論理演算を行うことができる。4前2,前3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4前2,前3
論理式の簡単化の概念を説明できる。4前3
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4前3,前4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4前5
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4前5
組合せ論理回路を設計することができる。4前5
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4前6,前7,前10
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4前11,前12,前16
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
順序回路を設計することができる。4前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3後10,後11,後12,後13,後14
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後10,後11,後12,後13,後14
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後10,後11,後12,後13,後14
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後10,後11,後12,後13,後14
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。4後9
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。2後7

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力402060
専門的能力301040
分野横断的能力000