システム工学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 システム工学
科目番号 0143 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書 「システム工学の講義と演習」添田、中溝 著(日新出版) / 参考書「システム工学」室津義定(森北出版)、「線形システムの最適化」坂和正敏(森北出版)、「入門信頼性工学」福井泰好(森北出版)
担当教員 野村 保之

到達目標

(1)エネルギー・資源などの最適化問題を数理モデルとして定式化できる.
(2)最適化問題や信頼性理論の基礎が理解できる.
(3)線形計画問題が具体的に解け、信頼度の確率的定義が理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1最適化のための数理モデル化ができて評価ができる。最適化のための数理モデル化ができる。最適化のための数理モデル化ができない。
評価項目2システムの信頼性設計ができる。システムの信頼性が理解できる。システムの信頼性が理解できない。
評価項目3線形計画法の定式化ができ、最適解が求められる。線形計画法の定式化ができる。線系計画法の定式化ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
システムは「複数の要素が有機的に関係し合い、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体。組織。系統。」(「広辞苑」)であり、システム工学は、システムを工学的に取り扱う学問分野、総合工学・ライフサイクルアセスメントである。相互作用を有する多様な要素の集合体はしばしば予測不可能な挙動(創発的挙動)を示すが、ここでは、システムの予測可能な、制御可能な側面を対象に、システムを扱う研究・開発手法を理解し、学ぶ。。「環境生産システム工学」教育プログラムの学習・教育目標であるJB3の「持続可能な社会の構築を意識したものづくりのプロセスに対応できる」に相当する内容である。
授業の進め方・方法:
教科書の2章「システムの最適化法」及び4章「システムの信頼性・保全性・安全性」を行う。適宜、プリントを配布して参考資料とする。
注意点:
学習教育目標:本科(準学士課程):RB2(◎)
学習教育目標:環境生産システム工学プログラム:JB2, JB3(◎)
関連科目:数理統計学(本科3年)、ソフトウェア工学(本科4年)、情報理論Ⅰ(本科4年)、情報理論Ⅱ(本科5年)、人工知能Ⅰ(本科5年)
学習教育目標(RB2, JB3)の達成および科目取得の評価方法:中間確認試験(50%)・定期試験(50%)で評価する。ただし、各試験100点満点で60点未満の者に対しては、20点満点の再試験を課する。
学習教育目標(RB2, JB3)の達成および科目取得の評価基準:学年成績60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス説明、システム工学の定義と役割、システムの計画と評価 講義の方針とシラバスの説明を行い、成績評価方法を周知する。また、システム工学の目的や意義を理解する。
2週 信頼性への要求、製造物責任と安全性 「信頼」という抽象的性質を定量的に評価する「信頼性工学」の枠組みで理解する。また、安全性の概念とそれに付随した製造物責任について学習する。
3週 信頼性の特性値 信頼性を定量化するための、信頼度・保全度・故障率・アベイラビリティの定義を習得する。
4週 バスタブ曲線と故障分布 システムのライフサイクル故障曲線モデルとしてのバスタブ曲線と各ライフステージにおける故障原因などを理解する。
5週 信頼性の基本式 信頼性の基本関数としての信頼度関数・故障率関数・保全度関数の統計的性質を理解する。
6週 冗長系と信頼性 単独で要求される信頼性を得ることが困難な場合の冗長設計に使用される各種冗長系とその結果としての信頼度向上について学習する。
7週 アベイラビリティ、まとめ 信頼度と保全度との兼ね合いでシステムとしての講義の信頼性を表すアベイラビリティについて学習し、信頼性向上の方策についての知見を得る。
8週 中間確認試験 信頼性工学で学習した内容に対する習熟度を評価する。
4thQ
9週 試験解答・解説、最適設計問題 システムの最適設計問題を定義することにより概要を理解する。
10週 線形計画問題、グラフによる解法 最適化問題の中で最も一般的な線形計画j問題を定義し、グラフによる解放を学習する。
11週 シンプレックス法(1) 線形計画問題を解くためのシンプレックス法の数学的方法を理解する。
12週 シンプレックス法(2) 具体的な生産計画問題についてシンプレックス法を適用してその数学的構造を理解する。
13週 双対シンプレックス法 混合問題のようにシンプレックス法での解法が困難な問題について双対問題を考えることによる双対シンプレックス法を学習する。
14週 感度解析 シンプレックス法に出てくる各種パラメータの値が変化したときの結果に対する影響の度合いを解析する手法を学習し、併せて限界価値・影の価格の概念を理解する。
15週 期末試験 最適化問題で学習した内容に対する習熟度を評価する。
16週 学習のまとめ システム工学で学習した内容の総括を行い、理解度を向上する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力3030
専門的能力3030
分野横断的能力4040