工作実習Ⅱ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 工作実習Ⅱ
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電子制御工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 鹿児島高専実習書
担当教員 新田 敦司,鎌田 清孝

到達目標

1.グループ実習において,他者と協力して実習に取り組むことができる.
2.実験目的,原理を理解し,正しい手順で実習を遂行することができる.
3.測定装置の使用法,機械・電子部品の基本特性を理解し,正しく使用することができる.
4.結果に対する考察等をレポートにまとめることができ,その内容を他者に発表することができる.
5.技術者として必須の知識である,安全確保のための方法を説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1グループ内で役割分担しながら,他者と協力して実習に取り組むことができる.グループ内で役割分担しながら,他者と協力して実習に取り組むことができる.グループ内で役割分担しながら,他者と協力して実習に取り組むことができない.
評価項目2実習目的・原理を理解し,教員に質問しながら適切な機器を選定し正しい手順で実験を行うことができる.実習目的・原理を理解し,実験書に基づいて正しい手順で実験を行うことができる.実習目的・原理を理解し,実験書に基づいて正しい手順で実験を行うことができない.
評価項目3測定装置の使用法,機械・電子部品の基本特性を理解し,正しく使用することができる.測定装置や機械・電子部品を正しく使用することができる.測定装置や機械・電子部品を正しく使用することができない.
評価項目4結果を客観的に整理・分析し,他者に報告・発表することができる.結果とそれに対する検討を他者に報告・発表することができる.結果とそれに対する検討を他者に報告・発表することができない.
評価項目5各種機器の使用に関して注意すべき点を自ら判断し,安全な使用を他者に促すことができる各種機器の使用に関する注意を十分理解し,安全確保のための方法を説明することができる各種機器の使用に関する注意を十分理解し,安全確保のための方法を説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 4-a 説明 閉じる

教育方法等

概要:
各種工作法の基礎実技習得を通して,理論と実際の対比,原理・原則に基づく仕組みの体得,応用力・判断力・総合力の養成を図り,あわせて安全作業の重要性を体得させる.
授業の進め方・方法:
・自分自身で実験回路を構成して実験をし、実験結果と理論(講義内容)とを比較・検討して、レポートを作成、討論する訓練を行う。
・実験は、9~11人のグループ単位でおこなう。
・各週の実験テーマは、グループごとに異なる。
注意点:
実習心得を守り安全に作業すること.テーマ毎に実習レポートの提出があるので指示された日時までに必ず提出すること.また,レポート作成のため実習内容や実習手順などをノートにメモしておくこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション 工作実習の意義について把握できる.
実習に際しての注意事項と安全対策について把握し,実践できる.
実習報告書の書き方について把握し,実践できる.
2週 電気I テスターとデジタルマルチメータの取扱い方を把握し,実践できる.
3週 電気I 倍率器と分流器の取扱い方を把握し,実践できる.
4週 電気I 重ね合わせの原理を把握し,実践できる.
5週 電気I キルヒホッフの法則を把握し,実践できる.
6週 電気I 電熱器の効率試験を把握し,実践できる.
7週 電気I オシロスコープの取扱い方を把握し,実践できる.
8週 レポート指導 報告書の内容について個別指導を受け,報告書の書き方を理解できる.
2ndQ
9週 NC加工 NC(数値制御)の概要及び特徴について把握し,実践できる.
CNC旋盤における加工プログラムの作成法を把握し,実践できる.
10週 NC加工 CNC旋盤における加工プログラムの作成法を把握し,実践できる.
11週 NC加工 CNC旋盤における加工プログラムの作成法を把握し,実践できる.
12週 NC加工 CNC旋盤の取扱い方を把握し,実践できる.
13週 NC加工 CNC旋盤の取扱い方を把握し,実践できる.
14週 NC加工 CAD/CAMシステムの取扱い方を把握し,実践できる
15週 レポート指導 報告書の内容について個別指導を受け,報告書の書き方を理解できる.
16週
後期
3rdQ
1週 溶接加工 被覆アーク溶接機とMAG溶接機の取扱い方を把握し,実践できる.
2週 溶接加工 被覆アーク溶接機とMAG溶接機の取扱い方を把握し,実践できる.
引張試験片製作(V型突合せ溶接)の方法を把握し,実践できる.
3週 溶接加工 被覆アーク溶接機とMAG溶接機の取扱い方を把握し,実践できる.
引張試験片製作(V型突合せ溶接)の方法を把握し,実践できる.
4週 溶接加工 引張試験を把握し,実践できる.
5週 熱処理 焼入れ作業を把握する.
6週 熱処理 焼入れ作業を実践できる.
硬さ試験を把握し,実践できる.
7週 レポート指導 報告書の内容について個別指導を受け,報告書の書き方を理解できる.
8週 制御II リレーシーケンス制御を把握し,実践できる.
4thQ
9週 制御II 論理回路や応用回路,タイムチャートを把握し,実践できる.
10週 制御II 直流モータの回転方向制御回路を把握し,実践できる.
11週 制御II はんだによる電子回路基板の製作方法を把握し,実践できる.
12週 制御II はんだによる電子回路基板の製作方法を把握し,実践できる.
13週 制御II はんだによる電子回路基板の製作方法を把握し,実践できる.
14週 レポート指導 報告書の内容について個別指導を受け,報告書の書き方を理解できる.
15週 オリエンテーション 工作実習の意義について把握できる.
実習に際しての注意事項と安全対策について把握し,実践できる.
実習報告書の書き方について把握し,実践できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3
電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験態度合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000