基礎熱力学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 基礎熱力学
科目番号 0107 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 材料工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「アトキンス物理化学 上」 千原,中村訳 (東京化学同人)
担当教員 和田 憲幸

到達目標

熱力学の概念を理解し,それに関わる専門知識を習得するとともに,物質のエントロピー変化やギブスエネルギー状態を計算・推定することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学第2法則,第3法則,平衡状態および熱力学の各種エネルギ―変化を数式によって理解でき,それらの問題および数値問題ができる.熱力学第2法則,第3法則,平衡状態および熱力学の各種エネルギ―変化を数式によって理解できる.熱力学第2法則,第3法則,平衡状態および熱力学の各種エネルギ―変化を数式によって理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
熱力学の基礎を理解し,物質の熱力学的物性を計算するとともに,エネルギーの自発変化,平衡状態について学ぶ.
授業の進め方・方法:
・すべて学習・教育目標(B)<基礎>に対応している.
・授業は,講義・演習形式で行う.講義中は,集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.                   
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を課題および定期試験で出題し,目標の到達度を評価する.授業計画の「到達目標」に関する重みは概ね均等とし,課題および試験は100点法により60点以上の得点で目標の到達を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>中間および期末試験(各100点満点)の平均点で評価する.なお,学業成績で60点にみたない場合は,再試験を実施して60点を上限として評価する.
<単位修得条件>学業成績で60点以上を取得すること.                                 
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>微分・積分(重積分を含む)三角関数および指数関数に対する数学の基礎知識と化学に対する基礎知識が必要である.化学 が基礎となる科目である.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及び適時与える演習問題のレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が,45時間に相当する学習内容である.       

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学とは 1. 熱力学とそれに使う数学が理解できる.
2週 熱力学第2法則 2. エントロピーの定義が理解できる.
3週 熱力学第2法則 3. カルノーサイクルが理解できる.
4週 熱力学第2法則 4. 色々な過程のエントロピー変化が理解できる.
5週 熱力学第2法則 上記4
6週 熱力学第3法則 5. 熱力学第三法則が理解できる.
7週 熱力学第3法則 上記5
8週 反応とエネルギー 6. 反応の進行の有無と各種エネルギーが理解・計算できる.
2ndQ
9週 熱力学の定義式の性質 7. エントロピーとギブスエネルギーまたはヘルムホルツエネルギーの関係が理解できる.
10週 熱力学の定義式の性質 8. 熱力学の定義式の性質が理解できる.
11週 熱力学の定義式の性質 9. マクスウェルの関係式が理解できる.
12週 熱力学の定義式の性質 10. ギブスエネルギーおよびヘルムホルツエネルギーの変化が理解できる.
13週 熱力学の定義式の性質 上記10
14週 化学平衡 11. 化学平衡,平衡定数とギブスエネルギーの関連が理解できる.
15週 演習による復習 上記1~11
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野物理化学内部エネルギー、熱、仕事の符号の規則を説明でき、膨張の仕事を計算できる。4
エンタルピーの定義およびエンタルピーが状態量であることを説明できる。4
断熱変化に伴う温度変化を計算できる。4
標準生成エンタルピーの物理的意味を理解し、反応エンタルピーを計算できる。4
定圧熱容量と定容熱容量の関係式が導出できる。4
エントロピーの定義を理解し、不可逆過程におけるエントロピー生成について説明できる。4
ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギーの定義および自発的変化の方向性との関連について説明できる。4
標準モルギブズエネルギーの定義に基づいて標準反応ギブズエネルギーを計算できる。4
内部エネルギーと巨視的熱力学量の関係を導出できる。4
純物質の化学ポテンシャルの定義と物理的意味を理解し、理想気体の化学ポテンシャルを計算できる。4

評価割合

課題試験合計
総合評価割合5050100
配点5050100