有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 ブルース 有機化学概説 第3版、Paula Y. Bruice 著、大船泰史・香月勗・西郷和彦・富岡清 監訳、化学同人
担当教員 越村 匡博

到達目標

1. 立体化学を理解し,表記法により正しく表示できる。
2. アルケンとアルキンについて命名できる。
3. アルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを巻矢印で書ける。
4. 芳香族求電子置換反応の反応機構が書ける。
5. 求核置換反応と脱離反応について,反応機構が書ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)R-S表示,Fisher投影式が書けるR-S表示,Fisher投影式がほとんど書けるR-S表示,Fisher投影式が書けない
評価項目2 (到達目標2)アルケンとアルキンに命名でき,名称より構造が書けるアルケンとアルキンに命名できるアルケンとアルキンに命名できない
評価項目3 (到達目標3)アルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを巻矢印で書いて説明できるアルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを巻矢印で書けるアルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを理解できない
評価項目4 (到達目標4)芳香族求電子置換反応の反応機構が書ける芳香族求電子置換反応の反応機構がほとんど書ける芳香族求電子置換反応の反応機構が書けない
評価項目5 (到達目標5)求核置換反応と脱離反応について,反応機構を書ける求核置換反応と脱離反応について,反応機構をほとんど書ける求核置換反応と脱離反応について,反応機構が書けない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年次に引き続き,有機化学の基礎(共役と電子の非局在化、カルボニル化合物、ハロゲン化アルキル、立体化学)について学習する。
さらに演習問題を解くことによって理解を深める。
授業の進め方・方法:
予備知識:1年次の「化学」における電子配置,イオン,共有結合,電気陰性度,酸・塩基について復習しておく。
講義室:3C教室
授業形式:講義,演習
学生が用意するもの:教科書,ノート
注意点:
自己学習の指針:教科書本文中の問題および章末問題を解いておくこと。授業中に解答者を指名するので,担当者は解答を板書すること。自己学習時間を1時間以上確保する。
オフィスアワー:随時

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 アルケンの幾何異性体 cis-trans, E-Z表記を使って幾何異性体を指定できる。
2週 キラリティと対掌体,不斉中心 鏡像異性体について説明することができる。
3週 R-S表示法 立体異性体を表記法により正しく表示できる。
4週 光学活性,複数の不斉中心を持っている異性体 光学活性とジアステレオマーについて説明できる。
5週 環状化合物の立体化学,メソ化合物 メソ化合物について説明できる。
6週 まとめと演習問題1 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
7週 まとめと演習問題2 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
8週 中間試験 これまでの内容に関する問題を解くことができる。
2ndQ
9週 アルケンの命名法 アルケンについてIUPAC命名法に基づき,構造から名前,名前から構造の変換ができる。
10週 アルケンの反応,電子の流れと曲がった矢印 巻矢印を用いて各種有機化学反応機構を書くことができる。
11週 アルケンの反応と熱力学,速度論 アルケンの付加反応中について,反応における平衡と反応速度について理解できる。
12週 求電子付加反応とカルボカチオンの安定性 求電子付加反応の反応機構が理解できる。
13週 アルケンへの水の付加,アルケン反応の立体化学 アルケンの反応について立体化学的に理解できる。
14週 まとめと演習問題1 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
15週 まとめと演習問題2 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 アルキンの命名法と構造 アルキンについてIUPAC命名法に基づき,構造から名前,名前から構造の変換ができる。
2週 アルキンへの付加反応 アルキンへの付加反応について理解できる。
3週 共鳴寄与体と共鳴混成体 共鳴寄与体と共鳴混成体について理解し,書くことができる。
4週 電子効果 芳香族における電子効果について理解することができる。
5週 ジエンの反応,Diels-Alder反応 ジエンの反応について理解し,反応機構を書くことができる。
6週 芳香族求電子置換反応 芳香族化合物の求電子置換反応の機構について理解し、説明できる。
7週 まとめと演習問題 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
8週 中間試験 これまでの内容に関する問題を解くことができる。
4thQ
9週 ハロアルカンの求核置換反応とSN2反応の機構 求核置換反応について理解できる。SN2反応の機構について理解できる。
10週 SN1反応の機構 SN1反応の機構について理解できる。
11週 SN1反応とSN2反応の比較,分子間反応と分子内反応 SN1とSN2の競争について理解できる。
12週 ハロアルカンの脱離反応(E2反応、E1反応) 脱離反応について理解できる。
13週 脱離反応の位置選択性 脱離反応の位置選択性を説明できる。
14週 置換反応と脱離反応の競争 置換反応と脱離反応の競争について理解できる。
15週 まとめと演習問題 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
16週

評価割合

試験演習合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000