システム設計学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 システム設計学
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 鹿嶋 雅之

到達目標

本科目の受講生は,チーム開発演習を通して,ソフトウェアを中心とするシステム開発の現場で起こり得る問題点を予測できるようになることが求められる.また,チームを組んで互いに協力しながら,与えられた条件下で計画的に調査と開発を進め,Webサーバと情報通信ネットワークを利用したアプリケーション開発の一部を分担できるようになることが求められる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準的な開発工程の作業を状況に合わせて変更して,その作業を実施できた.標準的な開発工程の作業を実施できた.標準的な開発工程の作業を実施できず,指示されても,その作業を実施できなかった.
評価項目2自分の担当する部分について,与えられた仕様よりも優れたソフトウェアを完成できた.自分の担当する部分について,与えられた仕様を満足するソフトウェアを完成できた.自分の担当する部分について,与えられた仕様を満足するソフトウェアを全く完成できなかった.
評価項目3自分の役割について,期待されている以上の作業を実施してチームに貢献した.自分の役割について,期待されているレベルの作業を実施できた.自分の役割について,期待されているレベルの作業を実施できなかった.
評価項目4開発現場の可能性をいくつか列挙して,それぞれに応じて発生する可能性のある問題点を指摘できる.特定の開発現場で,発生する可能性のある問題点を指摘できる.発生する可能性のある問題点を全く指摘できない.
評価項目5開発したアプリケーションについて、第三者に的確にプレゼンを行い、アプリの利点・使用方法などを的確に説明できた。それにより、十分な理解を得られた(最終発表に基づき評価)開発したアプリケーションの説明を行い、第三者にプレゼンを行い、利点・使用方法などの説明を理路整然と行うことができた。また、それについて、ある程度の理解を得られることができた。開発したアプリケーションについて、利点・使用方法を的確に説明することができなかった。また、それについて理解を得られることができなかった。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
大規模システム用のソフトウェアは膨大な量となるため,小規模のプログラムとは本質的に異なる開発方法論が必要になる.本科目の受講生は,チーム開発演習を通して,ソフトウェアを中心とするシステム開発の現場で起こり得る問題点を予測できるようになることが求められる.また,チームを組んで互いに協力しながら,与えられた条件下で計画的に調査と開発を進め,Webサーバと情報通信ネットワークを利用したアプリケーション開発の一部を分担できるようになることが求められる.
授業の進め方・方法:
初回~3回の授業は主に座学でシステム開発論の概要および、具体的な開発手法についての授業を行う。4回目以降はクラスを10名前後のグループに分け、チームを作り、教員が提示した課題に関する開発演習を行う。各チームのメンバーは、班長やサーバ担当など役割分担を決め、それに従い共同で開発を行う。システム開発は課題の要求仕様書をもとにウォーターフォールモデルに基づいて行う。また、授業の最終回には、各チームが開発した課題の発表を行い、他のチームの課題の評価を全員で行う。
注意点:
本科目は10名程度のチームによる開発作業を含む.受講する学生には,自発的に問題の発見と解決を行ってチームに貢献する態度が望まれる.必要な量の自学自習の時間を積極的に確保して担当分の開発作業を遅滞なく行うこと.
また「達成目標に対する評価基準」の評価に不可がないこと.開発演習の評価にはグループの評価と個人の評価を含む.授業妨害行為および正当な理由のない欠席は,その程度に応じて授業態度分を減点する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 システム設計 システムエンジニアの業務と分類を示せる
2週 開発工程モデル 代表的な開発モデルの特徴を示せる
3週 開発工程と作業内容 標準的な開発工程の作業内容を示せる
4週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
5週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
6週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
7週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
8週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
2ndQ
9週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
10週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
11週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
12週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
13週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
14週 チーム開発演習 課題にそって各開発工程の作業ができる
 □ 調査立案工程
 □ 外部設計工程
 □ 内部設計工程
 □ コーディング工程
 □ テスト工程
 □ 成果発表会
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。4
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。4
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。4
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。4
ソフトウェアソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。4
コンピュータシステムシステム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。4
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。4
プロジェクト管理の必要性について説明できる。4
WBSやPERT図など、プロジェクト管理手法の少なくとも一つについて説明できる。4
ER図やDFD、待ち行列モデルなど、ビジネスフロー分析手法の少なくとも一つについて説明できる。4
情報通信ネットワーク主要なサーバの構築方法を説明できる。4
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。4
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。2
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。2
その他の学習内容データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。4
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。4
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。4
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。4
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。2
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。2
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3

評価割合

期末試験開発演習態度態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
専門的能力50500~-40000100