我々の身の回りにある物質やその変化・性質を理解するため,「物質の成り立ち」,「原子の構造とそれから発現する性質」,「化学結合」,「化学反応」などの基礎を習得する。高校化学要領基礎化学の目標である「日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化への関心を高め,目的意識を持って観察,実験などを行い,化学的に探究する能力と態度を獲得し,化学の基本的な概念や原理・法則を理解し,科学的な見方,考え方ができるようになる」事を基本目標にする。
概要:
原子の電子配置とイオンの概念を学習する。そして、化学反応における物質の量的関係が物質の量の単位「モル」比で理解されることを学習する。物質の変化や化学反応を,物質を構成する基本粒子である原子,分子,イオンの概念を通して理解していく能力を育成する。
授業の進め方・方法:
一般的な講義に加え、アクティブラーニングを取り入れ、調査、ディスカッション、知識の共有を行い、演習によって知識の定着を図る。必要に応じて実験を行い、レポートを提出する。
注意点:
本科目は, 「物理」, 「基礎数学A」, 「基礎数学B」, 「化学特論」に関連する。
目に見えない原子や分子の存在をイメージするうえで,化学の基本法則の理解が重要である。
また,化学では基本単位「モル」を用いる。この化学に特徴的な単位の理解のために,さらに,化学変化の定量性を理解するために,授業前の予習と, 問題集による十分な演習が必要である。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
化学と人間生活とのかかわり |
代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて理解する。洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて理解する。
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2週 |
物質の成分 |
純物質と混合物が説明できる。単体と化合物が説明できる。
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3週 |
物質の成分 |
同素体が説明できる。混合物の分離を理解し、分離法を選択できる。
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4週 |
物質の三態 |
物質を構成する分子・原子が常に運動している事を理解する。物質の三態とその状態変化を説明できる。
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5週 |
原子の構造 |
原子の構造を理解する。同位体を説明できる。
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6週 |
電子配置 |
電子殻を理解する。最外殻電子、価電子を説明できる。
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7週 |
希ガスの電子配置 |
オクテット則を説明できる。
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8週 |
試験 |
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2ndQ |
9週 |
イオンとイオン式 |
オクテット則との関連からイオン化について説明できる。代表的なイオンを化学式で書ける。
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10週 |
元素の周期表 |
価電子数と元素の性質、周期律を理解する。
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11週 |
イオン結合 |
静電的な引力による結びつきを理解する。組成式は物質を構成する原子数の比であることを理解する。
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12週 |
共有結合 |
共有結合を説明できる。構造式を書ける。
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13週 |
電子式と分子の形、分子からなる物質 |
最外殻電子の重要性を理解する。電子式が書ける。電子式から分子の形を推測できる。どのような物が分子からできているか理解する。
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14週 |
試験返却、解説 |
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15週 |
電気陰性度と極性 |
結合に関与する電子の偏りを理解する。
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16週 |
金属結合と金属の結晶 |
自由電子と金属結合を説明できる。金属の性質を説明できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
原子量・分子量・式量 |
相対質量を説明できる。
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2週 |
原子量・分子量・式量 |
同位体を説明できる。
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3週 |
原子量・分子量・式量 |
原子量を説明できる。分子量・式量を説明できる。
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4週 |
アボガドロ定数 |
アボガドロ定数を説明できる。
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5週 |
物質量 |
物質量を説明できる。
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6週 |
物質量 |
物質量を用いて、物質の量を表すことができる。
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7週 |
物質量 |
気体の体積と物質量の関係を理解する。
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8週 |
試験 |
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4thQ |
9週 |
溶液の濃度 |
電離について説明できる。電解質、非電解質を区別できる。質量パーセント濃度、モル濃度を説明、計算できる。
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10週 |
化学反応式 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解し組み立てることができる。
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11週 |
未定係数法、イオン反応式 |
複雑な化学反応式の係数決定法を理解し、計算できる。反応に関与するイオンだけを記述することができる。
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12週 |
化学反応の量的関係 |
化学反応式の量的関係を説明できる。
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13週 |
化学反応の量的関係 |
化学反応式を用いて化学量論的な計算ができる。
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14週 |
反応熱と熱化学方程式 |
化学反応による熱エネルギーの出入りを理解する。
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15週 |
反応熱の分類、ヘスの法則 |
反応熱が分類できる。反応の総熱量が保存されることを理解する。
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16週 |
試験返却、解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | 前1 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 3 | 前2 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | 前2 |
同位体について説明できる。 | 3 | |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | |
イオン結合について説明できる。 | 3 | |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
共有結合について説明できる。 | 3 | |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
金属の性質を説明できる。 | 3 | |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | |