本科で学んだ材料力学Ⅰ及び材料力学Ⅱを基礎として、弾性力学を学ぶ。これまでの2次元とは異なる3次元での変形を理解し、習得できる。また、演習問題などの解決方法についても習熟できる。
概要:
本科ではカリキュラムの都合上、学習できることができなかった部分に加えて、既に理解している事項についてもさらに深く学習するため、材料力学や応用数学の知識が必要である。
授業の進め方・方法:
教科書を中心として、その内容を適宜、説明を行う。
注意点:
2次元での変形にとどまった材料力学ⅠおよびⅡとは異なり、3次元での変形を学ぶため、偏微分関数(テンソル)などの数学的知識や計算力が必要となる。したがって、講義での理解を深めるため応用数学の関数理論の予・復習が重要である。毎回、140分程度の予習をし、参考書などを用いて70分以上の復習をすること。課題についてもノートの整理などが必要である。疑問点があれば、その都度、質問すること。
<参考書> 「基礎弾性力学」,野田直剛他共著,日新出版/「弾性論」,竹内均著,裳華房/「応用弾性学」,大久保肇著,朝倉書店/「弾性学」,前沢成一郎著,森北出版/「現代弾性力学」,平修二著,オーム社ほか
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1. 直交座標によるフックの法則 |
(1) 力の表示、座標の採用と力の分解、応力を理解し、応用できる。
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2週 |
1. 直交座標によるフックの法則(続き1) |
(2) 変位とひずみを理解し、応用できる。
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3週 |
1. 直交座標によるフックの法則(続き2) |
(3) フックの法則を理解し、応用できる。
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4週 |
2. 二次元問題の基礎式 |
1) 平面応力理論を理解し、応用できる。 (2) 平衡方程式と境界条件式、適合条件式を理解し、応用できる。
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5週 |
2. 二次元問題の基礎式(続き1) |
(3) エアリーの応力関数を理解し、応用できる。
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6週 |
2. 二次元問題の基礎式(続き2) |
(4) 平面ひずみとフックの法則を理解し、応用できる。 (5) 平面ひずみの平衡方程式とエアリーの応力関数を理解し、応用できる。
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7週 |
中間期試験 |
1. 直交座標によるフックの法則、及び2. 二次元問題の基礎式の内容についての達成度を確認できる。
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8週 |
3. 極座標による二次元問題の基礎式 |
(1) 極座標の採用と応力変換式を理解し、応用できる。
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2ndQ |
9週 |
3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き1) |
(2) せん断応力τrθとτxyの矢印の不一致を理解し、応用できる。
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10週 |
3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き2) |
(3) 平衡方程式、ひずみ式を理解し、応用できる。
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11週 |
3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き3) |
(4) フックの法則を理解し、応用できる。
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12週 |
3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き4) |
(5) エアリーの応力関数を理解し、応用できる。
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13週 |
3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き5) |
(6) ひずみ変換式、変位の計算式を理解し、応用できる。 (7) 平面ひずみの基礎式を理解し、応用できる。
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14週 |
3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き6) |
(8) 平面ひずみのエアリーの応力関数を理解し、応用できる。 (9) 平面ひずみの変位式を理解し、応用できる。
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15週 |
期末試験の返却と解説 |
試験において間違えた部分を自分の課題として把握する。 (非評価項目)
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 4 | |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 4 | |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。 | 4 | |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 4 | |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 4 | |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 4 | |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 4 | |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 4 | |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 4 | |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | |
許容応力と安全率を説明できる。 | 3 | |
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。 | 4 | |
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。 | 4 | |
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。 | 4 | |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 4 | |
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。 | 4 | |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 4 | |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 3 | |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 4 | |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 4 | |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。 | 4 | |
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。 | 4 | |
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。 | 4 | |
多軸応力の意味を説明できる。 | 4 | |
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。 | 4 | |
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 4 | |
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 4 | |
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。 | 4 | |