弾性力学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 弾性力学
科目番号 0006 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電子システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「弾性力学入門」,伊藤勝悦著,森北出版
担当教員 南金山 裕弘

到達目標

本科で学んだ材料力学Ⅰ及び材料力学Ⅱを基礎として、弾性力学を学ぶ。これまでの2次元とは異なる3次元での変形を理解し、習得できる。また、演習問題などの解決方法についても習熟できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1. 直交座標における、力の表示、座標の採用と力の分解、応力、変位とひずみ、フックの法則を理解し、説明できること直交座標における、力の表示、座標の採用と力の分解、応力、変位とひずみ、フックの法則をよく理解し、その説明ができる。直交座標における、力の表示、座標の採用と力の分解、応力、変位とひずみ、フックの法則を理解し、基本的な説明ができる。直交座標における、力の表示、座標の採用と力の分解、応力、変位とひずみ、フックの法則の基本部分は理解しているが、充分な説明ができない。
評価項目2. 平面応力理論、 平衡方程式と境界条件式、適合条件式、エアリーの応力関数を理解し、応用できること平面応力理論、 平衡方程式と境界条件式、適合条件式、エアリーの応力関数をよく理解し、その応用ができる。平面応力理論、 平衡方程式と境界条件式、適合条件式、エアリーの応力関数を理解し、基本的な説明ができる。平面応力理論、 平衡方程式と境界条件式、適合条件式、エアリーの応力関数の基本部分は理解しているが、充分な説明ができない。
評価項目3.平面ひずみとフックの法則、平面ひずみの平衡方程式とエアリーの応力関数を理解し、説明できること平面ひずみとフックの法則、平面ひずみの平衡方程式とエアリーの応力関数をよく理解し、その説明ができる。平面ひずみとフックの法則、平面ひずみの平衡方程式とエアリーの応力関数を理解し、基本的な説明できる。平面ひずみとフックの法則、平面ひずみの平衡方程式とエアリーの応力関数の基本部分は理解しているが、充分な説明ができない。
評価項目4.極座標の採用と応力変換式、せん断応力τrθとτxyの矢印の不一致を理解し、説明できること極座標の採用と応力変換式、せん断応力τrθとτxyの矢印の不一致をよく理解し、その説明ができる。極座標の採用と応力変換式、せん断応力τrθとτxyの矢印の不一致を理解し、基本的な説明ができる。極座標の採用と応力変換式、せん断応力τrθとτxyの矢印の不一致の基本部分は理解しているが、充分な説明ができない。
評価項目5.極座標による二次元問題で、平衡方程式、ひずみ式、フックの法則、エアリーの応力関数を理解し、説明できること極座標による二次元問題で、平衡方程式、ひずみ式、フックの法則、エアリーの応力関数をよく理解し、その説明ができる。極座標による二次元問題で、平衡方程式、ひずみ式、フックの法則、エアリーの応力関数を理解し、基本的には作図できる。極座標による二次元問題で、平衡方程式、ひずみ式、フックの法則、エアリーの応力関数の基本部分は理解しているが、作図ができない。
評価項目6.極座標による二次元問題で、ひずみ変換式、変位の計算式、平面ひずみの基礎式、平面ひずみのエアリーの応力関数、平面ひずみの変位式を理解し、説明できること極座標による二次元問題で、ひずみ変換式、変位の計算式、平面ひずみの基礎式、平面ひずみのエアリーの応力関数、平面ひずみの変位式をよく理解し、その説明ができる。極座標による二次元問題で、ひずみ変換式、変位の計算式、平面ひずみの基礎式、平面ひずみのエアリーの応力関数、平面ひずみの変位式を理解し、基本的には応用できる。極座標による二次元問題で、ひずみ変換式、変位の計算式、平面ひずみの基礎式、平面ひずみのエアリーの応力関数、平面ひずみの変位式の基本部分は理解しているが、それを応用して問題を解けない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(c) 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 2.1(1)④ 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (3)④ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科ではカリキュラムの都合上、学習できることができなかった部分に加えて、既に理解している事項についてもさらに深く学習するため、材料力学や応用数学の知識が必要である。
授業の進め方・方法:
教科書を中心として、その内容を適宜、説明を行う。
注意点:
2次元での変形にとどまった材料力学ⅠおよびⅡとは異なり、3次元での変形を学ぶため、偏微分関数(テンソル)などの数学的知識や計算力が必要となる。したがって、講義での理解を深めるため応用数学の関数理論の予・復習が重要である。毎回、140分程度の予習をし、参考書などを用いて70分以上の復習をすること。課題についてもノートの整理などが必要である。疑問点があれば、その都度、質問すること。
<参考書> 「基礎弾性力学」,野田直剛他共著,日新出版/「弾性論」,竹内均著,裳華房/「応用弾性学」,大久保肇著,朝倉書店/「弾性学」,前沢成一郎著,森北出版/「現代弾性力学」,平修二著,オーム社ほか

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 直交座標によるフックの法則 (1) 力の表示、座標の採用と力の分解、応力を理解し、応用できる。
2週 1. 直交座標によるフックの法則(続き1) (2) 変位とひずみを理解し、応用できる。
3週 1. 直交座標によるフックの法則(続き2) (3) フックの法則を理解し、応用できる。
4週 2. 二次元問題の基礎式 1) 平面応力理論を理解し、応用できる。
(2) 平衡方程式と境界条件式、適合条件式を理解し、応用できる。
5週 2. 二次元問題の基礎式(続き1) (3) エアリーの応力関数を理解し、応用できる。
6週 2. 二次元問題の基礎式(続き2) (4) 平面ひずみとフックの法則を理解し、応用できる。
(5) 平面ひずみの平衡方程式とエアリーの応力関数を理解し、応用できる。
7週 中間期試験 1. 直交座標によるフックの法則、及び2. 二次元問題の基礎式の内容についての達成度を確認できる。
8週 3. 極座標による二次元問題の基礎式 (1) 極座標の採用と応力変換式を理解し、応用できる。
2ndQ
9週 3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き1) (2) せん断応力τrθとτxyの矢印の不一致を理解し、応用できる。
10週 3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き2) (3) 平衡方程式、ひずみ式を理解し、応用できる。
11週 3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き3) (4) フックの法則を理解し、応用できる。
12週 3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き4) (5) エアリーの応力関数を理解し、応用できる。
13週 3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き5) (6) ひずみ変換式、変位の計算式を理解し、応用できる。
(7) 平面ひずみの基礎式を理解し、応用できる。
14週 3. 極座標による二次元問題の基礎式(続き6) (8) 平面ひずみのエアリーの応力関数を理解し、応用できる。
(9) 平面ひずみの変位式を理解し、応用できる。
15週 期末試験の返却と解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する。 (非評価項目)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。3
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4

評価割合

試験(中間期試験を含む)レポート授業態度合計
総合評価割合701020100
基礎的能力3551050
専門的能力3551050