到達目標
1.海の波をより詳細に計算できる完全流体の力学について説明できる.
2.海洋,海岸で生じる波と流れに関連する諸現象を解析できる粘性流体の力学について説明できる.
3.海の波の複雑な水理現象を探求するための乱流理論を説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 完全流体の力学が説明できる. | 完全流体の力学が理解できる. | 完全流体の力学が理解できない. |
評価項目2 | 粘性流体の力学が説明できる. | 粘性流体の力学が理解できる. | 粘性流体の力学が理解できない. |
評価項目3 | 乱流理論について説明できる. | 乱流理論について理解できる. | 乱流理論について理解できない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達目標 (B-2)
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JABEE学習・教育到達目標 (B-2)
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教育方法等
概要:
周囲が海に囲まれる我が国は,津波や高潮のように短期で甚大な被害が発生する災害から,海岸侵食のように長期に渡り除々に被害が拡大する災害と様々な問題を抱えている.本講義では,本科5年目で講義した海岸・海洋工学の基礎知識をベースに更に詳細な波の水理現象を取り扱うための流体力学の基礎知識を習得することを目的とする.
授業の進め方・方法:
講義内容の理解を深めるため,講義の中では演習を取り入れる場合が多いので,必ず電卓を持参すること.講義は主にスライドによって進めていくが,口頭で説明したことも十分に注意してメモにとること.講義中に課せられるレポートでは,講義内容をもとに数学を多用する課題を出題するので,日頃からの自学自習は必須である.
注意点:
学年成績は,定期試験(B-2) (80%),課題(B-2) (20%)で評価する.
但し,再試験は普段の当該科目に対する学習意欲や授業態度を総合的に判断し,教員が必要と認めた場合に実施するものとし,100点満点の上限を60点として各期の試験を評価する.
また,レポートは計2~3回程度予定しているが,すべて提出され,完全解答の場合を満点とし,一つでも未提出の場合,評価を零点とするので注意が必要である.
「社会基盤工学専攻」学習教育到達目標:
定期試験80%(B-2:100%),レポート20%(B-2:100%)
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1.ガイダンス・総論 (1) ガイダンス(1hr) (2) 総論 |
○授業の進め方や評価方法が理解できる. ○流体力学とは何か理解できる.
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2週 |
2.完全流体の力学 (0)水理学の復習 (1)流体粒子の追跡
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○本科で習得した水理学の基本を復習し,これまでの水理学の基礎が理解できる. ○Langrange的追跡法とEluer的追跡法により流体粒子を追跡し,物理法則に基づく流体粒子の諸法則を導くことができる.
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3週 |
(2) 流体素分の回転と変形 (3) 流線 |
○流体粒子の塊(素分)の伸縮やせん断といった変形,回転について数学的な記述ができる. ○流線について理解し,流れの可視化ができる.
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4週 |
(3) 渦度と循環 (4)非回転流 |
○流体素分の渦度と循環の違いについて理解できる. ○非回転流・渦無し流れについて理解できる.
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5週 |
(5)速度ポテンシャルと流れ関数 (6)複素ポテンシャル |
○速度ポテンシャル及び流れ関数の物理的な意味を理解し,種々の流れに応用できる. ○複素数を用いて複素ポテンシャルを求め,流れの可視化ができる.
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6週 |
演習問題 |
○これまでの演習問題を通じて,講義内容を理解する.
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7週 |
(7)完全流体の運動方程式 |
○Eluerの運動方程式が誘導でき,それを多種多様な水理現象に応用できる.
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8週 |
(8) 運動量方程式 |
○運動量方程式によって多種多様な水理現象に応用できる.
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2ndQ |
9週 |
3.粘性流体の力学 (1)粘性流体のせん断応力 |
○粘性流体の3次元的なせん断応力について説明できる.
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10週 |
(2)粘性流体の運動方程式 (3)Navier Stokesの式 |
○粘性流体の運動方程式を誘導できる. ○Navier-Stokesの式が誘導できる.
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11週 |
(4)Hagen-Poiseuilliの流れ (5)Cuette流れ |
○円管内の定常層流にNavier-Stokesの式を適用できる. ○2枚平行板の定常層流にNavier-Stokesの式を適用できる.
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12週 |
(6)開水路定流 (7)境界層流 |
○開水路の定常層流にNavier-Stokesの式を適用できる. ○境界層流にNavier-Stokesの式を適用できる.
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13週 |
4.乱流理論 (1) 摩擦応力 (2)Prandltの運動量輸送理論(0方程式) |
○乱流場の摩擦応力の評価が理解できる. ○Prandltの運動量輸送理論が理解できる.
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14週 |
(3) 壁面対数分布則 (4)乱流モデル |
○壁面対数分布則が理解できる. ○Reynolds方程式から,様々な乱流モデルへの応用が説明できる.
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15週 |
演習問題 |
○これまでの演習問題を通じて,講義内容を理解する.
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16週 |
定期試験 |
海岸工学に関わる流体力学の基本的知識を理解し,説明できる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |