創造工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 創造工学Ⅰ
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 創造工学科(専門共通科目) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:4
教科書/教材 なし/自作プリント
担当教員 村本 充,菊田 和重,小薮 栄太郎,八田 茂実,谷口 陽子,近藤 崇,古崎 毅,佐藤 森,長尾 昌紀,山田 昭弥,山本 椋太,三上 剛,杉本 大志

到達目標

1.キャリアプランニング能力、自己管理能力を意識して行動できる。
2.グループワークを通して,チームワーク・コミュニケーション・プレゼン能力を発揮できる。
3.5つの専門系について理解を深め、その違いを説明できる。
4.実験やものづくりを通じて、創造力や課題解決能力を発揮できる。
5.工学基礎(プログラミング、ICT活用能力を含む)の課題に取り組むことができる。
6.数理・データサイエンス・AIに関する課題に取り組むことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自己管理能力(提出物の期限厳守や報告・連絡・相談の習慣等)を身につけ,実践することができる。自己管理能力(提出物の期限厳守や報告・連絡・相談の習慣等)を身につけることができる。自己管理能力(提出物の期限厳守や報告・連絡・相談の習慣等)を身につけることができない。
評価項目2グループ内での自分の役割を理解し、工学演習(PBLを含む)に取組むことができる。グループに協力して工学演習(PBLを含む)に取組むことができる。グループに協力して工学演習(PBLを含む)に取組むことができない。
評価項目3専門系について理解を深め,自身の系選択に繋げることができる。専門系について理解を深めることができる。専門系について理解ができない。
評価項目4実験の進め方を理解し、実験を正しく円滑に行うことができる。実験の進め方を理解し、実験を正しく行うことができる。実験の進め方を理解できず、実験を正しく行うことができない。
評価項目5工学基礎(プログラミング、ICT活用能力を含む)についての基礎を学び、工学に関して自主的に学習できる。工学基礎(プログラミング、ICT活用能力を含む)についての基礎を学び、工学に興味をもつことができる。工学基礎(プログラミング、ICT活用能力を含む)についての基礎を修得できず、工学に興味をもつことができない。
評価項目6数理・データサイエンス・AIに関する知識・技能を身につけ、実データを用いた応用ができる。数理・データサイエンス・AIに関する知識を身につけ、演習を正しく行うことができる。数理・データサイエンス・AIに関する知識を身につけられず、演習を正しく行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP1 実践的技術者に必要な科学的基礎知識とリベラルアーツ  4 CP1 実践的技術者に必要な科学的基礎知識とリベラルアーツ
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力

教育方法等

概要:
各系の体験やものづくりに関する実験、プラグラミング、ICT活用、数理・データサイエンス・AI等に関する演習を行い、専門系についての理解を深め、工学を学んでいく上で必要となる工学の基礎知識を習得する。また、グループワークを通じて、チームワーク力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、創造力など汎用技能に対する素養を養うとともに、キャリア形成に必要な能力や態度を身につける。
授業の進め方・方法:
毎週、異なるグループで演習や実験を行う。
注意点:
・学習にあたっては、自己のキャリアについて常に意識し、系選択を行う際の参考にすること。
・グループ学習では、自分の役割を見つけ、コミュニケーションを通じてグループ活動を積極的に参加すること。
・授業時間以外も活用してグループで調査研究や製作活動に取り組むことが必要となる項目もある。
・授業の実施場所、持ち物等については、Teams上に掲示するため、授業前日までに必ず事前確認すること。
・ICT活用能力を高めるため、Microsoft365およびWebClassを多用するので使い方に慣れること。
・定期試験は行わず、各項目ごとの課題(小テスト含む)の提出状況で評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・データサイエンス(導入)/ICT活用(ガイダンス) 学習内容・進め方を把握する。技術革新(Society5.0)について理解する。/ICTツールの使用方法を理解する。
2週 専門系の紹介/サイバーセキュリティ講演 専門系の概要を理解する。/サイバーセキュリティについて考えることができる(北海道警察サイバーセキュリティ本部対策本部による講演)。
3週 レポートの書き方/安全教育 高専におけるレポートの書き方の基礎を理解する。/実験・実習等で必須となる安全管理、準備、マナー、ルール等を理解する。
4週 製品分解組立/専門系の体験学習(1) 実際の製品を分解して技術者の工夫について理解する。/専門系の実験・演習に取り組むことができる。
5週 ロケット(説明+設計)/専門系の体験学習(1) ロケットの原理を理解し、ツールを使って設計できる。/専門系の実験・演習に取り組むことができる。
6週 ロケット(製作) グループで協力して製作に取り組むことができる。
7週 関数電卓の使い方/専門系の体験学習(2) 関数電卓の使い方を理解し、計算問題を正確に解答することができる。/専門系の実験・演習に取り組むことができる。
8週 ロケット(打上げ)/専門系の体験学習(2) グループで協力して安全な打上げを行う。/専門系の実験・演習に取り組むことができる。
2ndQ
9週 Word/専門系の体験学習(3) Wordの基本的な使い方を理解する。/専門系の実験・演習に取り組むことができる。
10週 Pythonプログラミング(1)/専門系の体験学習(3) Pythonで基礎的なプログラムを作成することができる。/専門系の実験・演習に取り組むことができる。
11週 Excel/専門系の体験学習(4) Excelの基本的な使い方を理解する。/専門系の実験・演習に取り組むことができる。
12週 Pythonプログラミング(2)/専門系の体験学習(4) Pythonで基礎的なプログラムを作成することができる。/専門系の実験・演習に取り組むことができる。
13週 PowerPoint/専門系の体験学習(5) PowerPointの基本的な使い方を理解する。/専門系の実験・演習に取り組むことができる。
14週 Pythonプログラミング(3)/専門系の体験学習(5) Pythonで基礎的なプログラムを作成することができる。/専門系の実験・演習に取り組むことができる。
15週 キャリアパス講演/センサー演習 長年最先端で働いてきた技術者の講演を聴講し、職業に対するイメージを明確にすることができる。/センサーからデータを取得して表示することができる。
16週
後期
3rdQ
1週 プレゼン技法/組込みシステム演習(1) 工学分野で必要となる基礎的なプレゼンテーション資料の作成方法について理解する。/Pythonを用いて組込みシステムのプログラミングを体験する。
2週 プレゼン演習・発表/組込みシステム演習(2) 発表できる。発表を聞いて質問できる。/Pythonを用いて組込みシステムのプログラミングを体験する。
3週 半導体(1)/組込みシステム演習(3) 半導体が身の回りの多くの製品でどのように使われているか説明できる。/Pythonを用いて組込みシステムのプログラミングを体験する。
4週 知的財産/専門系の調査研究(1) 知的財産の基礎を理解し、特許検索ができる。/グループで協力し専門系の調査を行うことができる。
5週 ジョブトーク/組込みシステム演習(3) OB・OGによる企業技術者へのインタビューを通して、種々の仕事内容について考えることができる。/自分が作ったシステムを他者にわかりやすく説明できる。
6週 データサイエンス(統計)/専門系の調査研究(2) 統計の基礎を学び、データを分析することで意味のある情報が得られることを理解する。/グループで協力し調査内容を整理できる。
7週 製図(1)/専門系の調査研究(3) 基本的な図面の書き方を理解できる。/調査内容を発表したり、他の発表に質問することができる 。
8週 インキュベーション講演/AIリテラシー OBの講演を聴講し、事業の創出や起業の必要性を説明できる。/AI利活用のための技術や最新動向について説明できる。
4thQ
9週 製図(2)/AIロボット演習(1) 製図の基礎を理解し演習に取り組むことができる。/AIロボットを操作して機械学習のしくみを説明できる。
10週 半導体(2)/AIロボット演習(2) 半導体が身の回りの多くの製品でどのように使われているか説明できる。/AIロボットを操作して機械学習のしくみを説明できる。
11週 製図(3)/AIロボット演習(3) 製図の基礎を理解し演習に取り組むことができる。/AIの動作原理を他者にわかりやすく説明できる。
12週 画像処理/技術者倫理 画像処理のしくみを説明できる。/ケーススタディーを通して技術者および研究者としての倫理の基本事項について理解する。
13週 データサイエンス(検定)/ドローンプログラミング(1) t検定を用いて仮説の結論を導くことができる。/Pythonを用いてドローン自動操作のPBL課題に取り組むことができる。
14週 情報セキュリティ/ドローンプログラミング(2) 情報セキュリティーの基礎的な項目について理解する。/Pythonを用いてドローン自動操作のPBL課題に取り組むことができる。
15週 データサイエンス(相関)/ドローンプログラミング(3) 実データを用いた演習を通じてデータの傾向を評価することができる。/自分が作ったプログラムの動作を他者にわかりやすく説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術工学実験技術目的に応じて適切な実験手法を選択し、実験手順や実験装置・測定器等の使用方法を理解した上で、安全に実験を行うことができる。2
実験テーマの目的を理解し、適切な手法により取得したデータから近似曲線を求めるなど、グラフや図、表を用いて分かり易く効果的に表現することができる。2
必要に応じて適切な文献や資料を収集し、実験結果について説明でき、定量的・論理的な考察を行い、報告書を作成することができる。2
個人あるいはチームとして活動する際、自らの役割を認識して実験・実習を実施することができる。2
技術者倫理技術者倫理工学や科学技術が人類に果たしてきた貢献、成果について説明できる。2
科学技術の発展動向を踏まえ、現代社会における工学や科学技術の役割、意義について説明できる。2
科学技術の発達が社会、環境、人々に対して与える影響や変化について説明できる(応用倫理学を含む)。2
法的責任の基本について説明できる。1
倫理的責任の基本について説明できる。1
情報リテラシー情報リテラシー社会の情報化の進展と課題について理解し説明できる。2
代表的な情報システムとその利用形態について説明できる。2
基礎的なプログラムを作成できる。2
計算機を用いて数学的な処理を行うことができる。2
基礎的なアルゴリズムについて理解し、任意のプログラミング言語を用いて記述できる。2
情報の真偽について、根拠に基づいて検討する方法を説明できる。2
情報の適切な表現方法と伝達手段を選択し、情報の送受信を行うことができる。2
情報セキュリティの必要性を理解し、対策について説明できる。1
データサイエンス・AI技術の概要を説明できる。2
データサイエンス・AI技術が社会や日常生活における課題解決の有用なツールであり、様々な専門領域の知見と組み合わせることによって価値を創造するものであることを、活用事例をもとに説明できる。2
データサイエンス・AI技術を利活用する際に求められるモラルや倫理について理解し、データを守るために必要な事項を説明できる。 2
データサイエンス・AI技術の利活用に必要な基本的スキル(データの取得、可視化、分析)を使うことができる。 2
自らの専門分野において、データサイエンス・AI技術と社会や日常生活との関わり、活用方法について説明できる。 2
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル他者の考えや主張を理解するために、相手を尊重し配慮する態度をとることができる。2
目的に応じた適切な方法で自分の考えや主張を伝えることができる。2
多様な他者との間で良好な人間関係を形成するための行動ができる。2
チームワークとリーダーシップチームワークとリーダーシップチーム活動において意見の相違や対立を踏まえて合意形成に向けて行動できる。2
チームの協働関係の形成、維持、向上を促すための行動ができる。2
チーム活動の目標共有を図り、目標達成に向けた行動を実践し、また、チームの協働を促進するための行動ができる。2
情報収集・活用・発信力情報収集・活用・発信力ディジタルツールを含む種々の手段や各種メディアを活用し、情報を収集できる。2
信頼性・妥当性・有効性などを考慮しながら情報を検証・評価できる。2
自己及び他者の権利に配慮し、適切な方法を用いて情報を活用し、効果的に情報発信できる。2
基盤的資質・能力自己理解自己理解自分の経験や活動を振り返り、自分の考え方や価値観などを認知できる。2
自己理解に基づき必要な対応や行動を検討できる。2
主体性主体性自分が果たすべき役割や行動について認識できる。2
自分が果たすべき役割や行動を実践できる。2
自己管理と責任ある行動自己管理と責任ある行動自分に求められる役割や行動を把握し、確認できる。2
やるべきことを実行するための具体的行動や計画を考えることができる。2
自分に求められる役割や行動を実践し、その過程や結果の振り返りができる。2
倫理観倫理観自分の判断や行動、及びそれらがもたらす結果や影響について、倫理的観点から検討、評価できる。2
自分の判断や行動の基盤となる倫理観を振り返り、表現できる。2
キャリアデザインキャリアデザイン自分の体験や行動を振り返り、自分の特性や強みを把握できる。2
将来のキャリアについて計画を立てることができる。2
社会や環境、人々に対する影響などを踏まえた上で、専門職(エンジニアなど)に求められる役割について考えることができる。2
専門職(エンジニアなど)の業務内容について説明できる。2
様々な業種、職種、企業の社会的意義や責任について説明できる。2
継続的な学習と学びの目的継続的な学習と学びの目的学習状況、学習成果を把握し、それぞれの特性、必要、目的に応じて学習計画を考えることができる。2
主体的、継続的な学習の実現に向けて自分の学習活動や学習内容を点検し、改善を検討できる。2

評価割合

課題(小テスト含む)合計
総合評価割合100100
基礎的能力4040
専門的能力3030
分野横断的能力3030