機械工学概論

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械工学概論
科目番号 0010 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(専門共通科目) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 木本恭司 編著 「機械工学概論」 コロナ社
担当教員 須田 孝徳

到達目標

(1)機械の定義と機械要素の基礎を理解し、説明できる。
(2)力学(材料力学、工業力学、流体力学)の基本的な内容ついて知識を持っている。(熱力学については他の科目で学習する)
(3)機械工作、機械設計などのものづくりを行う上で必要な知識について概要を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1:機械の定義と機械要素を理解し、説明できる.機械の定義と機械要素を理解し、説明できる.機械の定義と機械要素の基礎事項を理解し、説明できるか機械の定義と機械要素を理解できない.
到達目標2:力学(材料力学、工業力学、流体力学)の基本的な内容ついて知識を持っている.機械工学に関連する基本的な公式を使って,課題を解くことができる.学、流体力学)の基本的な内容ついて知識を持っているか機械工学に関連する基本的な公式を使って,基礎的な課題を解くことができる.機械工学に関連する基本的な公式を使えない.
到達目標3:機械工作、機械設計などのものづくりを行う上で必要な知識について概要を理解している.ものづくりに必要な機械工作や機械設計を理解し,製品企画の立案ができる.ものづくりに必要な機械工作や機械設計について基礎的な事項を理解できる.ものづくりに必要な機械工作や機械設計について基礎的な事項を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP1 実践的技術者に必要な科学的基礎知識とリベラルアーツ
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力

教育方法等

概要:
機械工学を初めて学ぶことを考慮し,機械工学の体系と機械工学の柱となる力学(材料力学、工業力学、流体力学)について把握できる内容とする.また,機械材料,機械工作法,機械設計法についてもその概要について解説する.
授業の進め方・方法:
機械の定義,機械工学用語,力学(材料力学、工業力学、流体力学),機械要素と設計などについて,基本事項を事例を紹介しながら解説する.学業成績の成績が60 点未満の者に対して再試験を実施する場合がある。この場合、再試験の成績をもって再評価を行う。
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として課題・演習などを実施し,評価の対象とする。
注意点:
15時間の自学自習時間を要する.授業当日の復習を中心とした自学自習により「到達目標」についての理解を深めること.講義には関数電卓を持参すること.演習課題を出題するが,レポートとして提出すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 はじめに:機械工学の基本概念について解説する.
機械工学の基本概念について理解する。
2週 材料力学1:荷重,応力,ひずみについて解説する. 基本事項を理解し,応力計算等ができるようにする.
3週 材料力学2:熱応力,曲げ,ねじり,応力集中,疲労,クリープについて解説する. 基本事項を理解し,応力計算等ができるようにする.
4週 機械材料1:機械材料の種類とその特性について解説する. 機械材料の基本を理解し,概要を説明できるようにする.
5週 機械材料2:鉄鋼材料と非鉄材料の概要について解説する. 鉄鋼材料と非鉄材料の特徴について説明できるようにする.
6週 工業力学:力のつり合い,点の運動,剛体の運動,振動問題について解説する. 基本事項を理解し,計算等ができるようにする.
7週 機械工作法:工作法の分類と各工作法について解説する. 工作法の分類を理解し,各工作法について説明できるようにする.
8週 達成度確認試験
4thQ
9週 流体力学1:静水力学と動水力学の基本について解説する. 静水力学と動水力学の基本について説明できる.
10週 流体力学2:流体の抵抗の基本について解説する. 流体の抵抗の基本について説明できるようにする.
11週 機械要素設計1:機械の要素とメカニズムについて解説する. 機械の要素とメカニズムの概要について説明できるようにする.
12週 機械要素設計2:ねじとシャフトの基本について解説する. ねじとシャフトの基本について説明でき,応力計算できるようにする.
13週 機械要素設計3:軸受と歯車の基本について解説する. 軸受と歯車の基本について説明でき,応力計算できるようにする.
14週 機械設計と研究開発1:機械設計の方法,大切なことについて解説する. 機械設計の方法,大切なことについて理解し説明できるようにする.
15週 機械設計と研究開発2:技術者としての倫理的な観点から機械設計,研究開発を解説する. "機械設計,研究開発において技術者倫理が重要であることを説明できるようにする.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3
応力とひずみを説明できる。3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3
許容応力と安全率を説明できる。3
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。3
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。3
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。2
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。2
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。1
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。2
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。2
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。2
材料金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。2
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。2

評価割合

達成度試験定期試験レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合404020000100
基礎的能力35352000090
専門的能力0000000
分野横断的能力55000010