概要:
工学一般の基礎となる物理学の力学分野において、ベクトル及び微積分を用いて力学の法則とその概念を正確に理解する。さらに、実際の問題の発見と解決に物理学を応用できる力を養う。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。必要に応じて適宜、演習課題・宿題を課す。
注意点:
各中間の成績は,その到達度試験 (中間) 結果をもって成績とする。
各期末成績は到達度試験 (中間) 結果 40 %, 到達度試験 (期末) 結果 40 %,および平素の成績 (小テスト・宿題・演習課題の総合成績) を 20 % で評価する。
各期末成績 = 0.4×到達度試験 (中間) 結果+0.4×到達度試験 (期末) 結果 + (小テスト・宿題・演習課題の総合成績 20 点満点) 学年総合成績 = 0.5 × (前期末成績+後期末成績)
学年総合成績は,前期末成績と後期末成績の平均とする。合格点は学年総合成績で60点である。
特に,提出物が未提出の場合,単位取得が困難となるので注意すること。
講義中で使用することはないが,これまで物理Ⅰ・Ⅱ,及び応用物理Ⅰで用いてきた以下の教科書・問題集は本講義の予習・復習などの自学自習の参考となりうる。
・高専テキストシリーズ「物理 (上) 力学・波動 / (下) 熱・電磁気・原子」 潮 秀樹 監修,大野秀樹 他 編集, 森北出版
・高専テキストシリーズ「物理問題集」 潮 秀樹 監修,大野秀樹 他 編集, 森北出版
より深く理解したい者や難関大学への編入を考えている者は,教科書の例題・問題以外にも,自学自習として市販の大学教養程度の問題集等を利用した解法と計算の継続的な訓練を心がけてほしい。
市販の問題集として以下のものを例として挙げるが,まずは図書館等で自分に合う問題集・参考書を探してほしい。
・「基礎物理学演習Ⅰ」永田一清 編 サイエンス社 ・「大学演習 力学」山内恭彦・末岡清市 編 裳華房
(講義を受ける前)
まずは物理量の定義をしっかり把握すること。授業の前に,その日に習う範囲に目を通し,大事なところ及びわかりにくいところがどこかをチェックしておくこと。
(講義を受けた後)
物理学の概念や法則はいろいろな現象に適用していくうちに内容が豊かになり,理解が深まっていく。
この意味において,物理学に「慣れる」ことが重要であり,例えば,章末問題や市販の大学教養程度の問題集などを利用した解法・計算の継続的訓練が物理学の理解を深めるポイントとなる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業ガイダンス 「1. 質点の力学」 1. 復習(1)位置・速度・加速度 |
授業の進め方と評価の仕方について説明する。 平面極座標の変数を用いて速度・加速度を書き表すことができる。
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2週 |
1. 復習(1)位置・速度・加速度 |
平面極座標において物体に対して設定された基本ベクトルで速度・加速度を表現できる。
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3週 |
2. 単振動 -単振り子- |
単振り子の運動を極座標を用いて記述できる。
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4週 |
3. 減衰振動 その 0 |
単振動と微分方程式の関係を理解し、単振動の運動を記述できる。
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5週 |
3. 減衰振動 その 1 |
減衰振動と微分方程式の関係を理解できる。 減衰振動がどのような現象であるか理解できる。
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6週 |
3. 減衰振動 その 2 |
過減衰および臨界減衰がどのような現象であるか理解できる。
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7週 |
3. 減衰振動 その 3
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共振がどのようにして発現するか理解できる。
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8週 |
到達度試験 (前期中間) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
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2ndQ |
9週 |
試験の解説と解答 「2.力学的エネルギー」4. 仕事 その1 |
到達度試験の解説と解答 一般的な仕事を積分形で表現することができる。
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10週 |
4. 仕事 その2 |
一般的な仕事を線積分を利用して計算できる。
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11週 |
5. 保存力と位置エネルギー その1 |
保存力と位置エネルギーの関係を理解できる。
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12週 |
5. 保存力と位置エネルギー その2 |
保存力と位置エネルギーの関係を利用して、位置エネルギーまたは保存力を求めることができる。
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13週 |
6. 力学的エネルギー保存則 |
運動方程式から力学的エネルギー保存則を導くことができる。 力学的エネルギー保存則を利用して運動の物理量を求めることができる。
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14週 |
7. 中心力が働く場での運動 |
中心力が働く場での物体の運動を角運動量保存則・力学的エネルギー保存則から説明することができる。
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15週 |
到達度試験 (前期末) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
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16週 |
試験の解説と解答
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到達度試験の解説と解答
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後期 |
3rdQ |
1週 |
「3. 二体系の力学」 8. 重心の運動 その 1 |
二体系の重心 (質量中心) がどこに位置するかわかる。 質点系において重心がどのような運動をするか理解できる。
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2週 |
8. 重心の運動 その 2 |
二体系の運動を重心の運動及び相対運動に分けて記述できる。 二体系における慣性質量を理解できる。
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3週 |
9. 衝突・運動量保存則 |
ロケットの運動を、運動量保存則から始めて記述できる。
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4週 |
10. 二体系及び質点系における角運動量 |
質点系の角運動量を重心の角運動量と重心のまわりの角運動量に分解できる。
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5週 |
「4. 質点系と剛体の力学」 11. 質点系・剛体の重心 (質量中心) |
質点系および剛体の質量中心 (重心) を求めることができる.
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6週 |
12. 質点系の運動方程式 |
質点系の並進運動・回転運動の運動方程式を理解して書き表すことができる。
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7週 |
13. 剛体のつりあい |
剛体の特性を理解し、剛体のつりあいの条件を説明できる。 静止した剛体について標準的な問題を解くことができる。
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8週 |
到達度試験 (後期中間) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
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4thQ |
9週 |
試験の解説と解答 |
到達度試験の解説と解答
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10週 |
14. 固定軸のある剛体の運動 その 1 慣性モーメント |
基本的な形の剛体に対して,その中心軸に対する慣性モーメントを計算できる。 平行軸の定理を理解し、慣性モーメントの計算に応用できる。
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11週 |
14. 固定軸のある剛体の運動 その 2 剛体振り子 |
剛体振り子の運動方程式を立て、その微小振動の周期等を計算できる。
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12週 |
15. 剛体の平面運動 |
斜面を滑らずに転がり落ちる剛体の運動を記述できる。
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13週 |
16. 座標変換と慣性力 その1 |
慣性力が発現するメカニズムを理解できる。
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14週 |
16. 座標変換と慣性力 その2 |
回転座標系においてコリオリ力などの慣性力が発現することが理解できる。
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15週 |
到達度試験 (後期末) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
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16週 |
試験の解説と解答 |
到達度試験の解説と解答、および授業アンケート
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 2 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 2 | |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 2 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 2 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 2 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 2 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 2 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 2 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 2 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 2 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 2 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 2 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 2 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 2 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 2 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 2 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 2 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 2 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 2 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 2 | |