いろいろな自然現象や技術を物理法則や式に関連づけて理解し、技術における問題解決や応用・発展にこれらを適切に使えるようになることを目指す。授業における到達目標は、
1.物理現象と関連する用語の意味を説明できること
2.物理法則を式を用いて表し物理量の間の関係を説明できること
3.基本的な計算問題を解くことができること
である。以下に各分野における重要なキーワードをあげる。
『力学』 :等速円運動、単振動、万有引力の法則
『熱』 :熱と仕事、熱力学第一法則
『電気』 :キルヒホッフの法則、電界と電位、コンデンサー
『波』 :波を表す式、重ねあわせの原理、回折・干渉、反射・屈折
概要:
1学年の物理 I につづき円運動、単振動、万有引力の法則を学び物理の基礎である『力学』が完結する。これをもとに『熱』、『電気』、『波』の分野に進む。身の周りのさまざまな自然現象に見られる共通性からその法則を理解し、自然界の真理の美しさにせまる。技術は自然法則を人類の幸福のために生かすものであるが、物理では現象や法則を数式で扱うこととその意味を理解することに重点をおく。
授業の進め方・方法:
授業用のプリントを用意し、これに図や式を書き込みながら、物理法則や物理量の相互の関係についての理解を積み重ねてゆく。授業では、まず、現象を図と式を用いて説明する。物理現象の理解とは、いろいろな物理量を適切に関連づけられることであり、そのために丁寧な図を用いて考える習慣を身に着ける。また、理解の確認は主に計算問題で測られるため、例題の説明の後、各自で演習問題に取り組む。
注意点:
学ぶことの前後の関連が強く、考え方や計算に慣れることが大切になるため、授業で学んだことはその日のうちに復習するのが効果的です。考えをノートにまとめたり計算することは労力を要しますが、それに時間をかけただけ確実に授業が聞きやすくなります。毎週月曜日16時00分から17時00分までの間はオフィスアワーとして川邊研究室に待機します。成績は定期試験70%、小テスト20%、レポート10%で評価します。前期は週4時間、後期は週2時間の授業で通年3単位です。定期試験の試験時間は前期2時間、後期1時間とします。成績評価も前期分が全評価点の2/3を、後期分が全評価点の1/3の比重をもつことになります。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、【上】等速円運動、等速円運動の加速度、向心力 (以下、【上】および【下】は用いる教科書を示す) |
等速円運動の速度、加速度、向心力の計算ができる。
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2週 |
【上】慣性力、遠心力 【上】単振動 |
慣性力、遠心力について理解できる。 単振動の変位、速度、加速度および復元力について理解できる。
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3週 |
【上】万有引力 【上】万有引力による位置エネルギー |
万有引力の法則に関する計算ができる。 万有引力による位置エネルギー、力学的エネルギー保存の法則を用いた計算ができる。
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4週 |
【下】比熱、熱容量、熱量の保存、熱と仕事 (実験)比熱の測定 |
熱量、熱容量、比熱および熱量の保存に関する計算ができる。 熱と仕事に関する計算ができる。
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5週 |
【下】気体法則、理想気体の状態方程式 【下】熱力学第一法則 |
気体法則と状態方程式に関する計算ができる。 内部エネルギーについて理解し、熱力学第一法則に関する計算ができる。
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6週 |
【下】気体が外部にする仕事、気体の状態変化、熱機関 【下】電気、電流、電位差 |
気体がする仕事に関する計算ができる。 定積変化、定圧変化、等温変化、断熱変化について熱力学第一法則を用いた計算ができる。 熱機関の熱効率に関する計算ができる。 電流、電位差について理解し、これらに関する計算ができる。
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7週 |
【下】抵抗の接続 【下】ジュール熱 |
抵抗の接続における合成抵抗の計算ができる。 電力、電力量に関する計算ができる。
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8週 |
前期中間試験 |
用語、法則について説明できて、計算を含めた問題を解くことができる。
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2ndQ |
9週 |
【下】キルヒホッフの法則 (実験)オームの法則 |
キルヒホッフの法則を用いた計算問題ができる。
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10週 |
【下】抵抗の測定 【下】静電気力 |
ホイートストンブリッジ回路について理解できる。 クーロンの法則に関する計算ができる。
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11週 |
【下】電界 【下】電界の重ね合わせ、電気力線 |
電界に関する計算ができる。 電界と電気力線の関係を理解できる。
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12週 |
【下】電位 【下】電位差、等電位面 |
電位と電界、位置エネルギー、静電気力の関係を理解できる。 電位に関する計算ができる。
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13週 |
(実験)抵抗の測定 |
ホイートストンブリッジ回路を用いて抵抗を測定できる。
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14週 |
【下】導体と静電誘導、静電遮蔽、誘電分極 【下】コンデンサーと電気容量 |
導体と不導体の性質を理解できる。 コンデンサーの電気容量に関する計算ができる。
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15週 |
前期末試験 |
用語、法則について説明できて、計算を含めた問題を解くことができる。
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16週 |
復習 【下】コンデンサーの接続
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前期の学習内容についてまとめることができる。コンデンサーの接続における合成容量や各コンデンサーの電気量、電位差に関する計算ができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
【上】波の性質、横波と縦波 |
波形を表すグラフとその時間変化から波の性質(振幅、波長、周期、振動数、速さ)を読み取ることができる。 横波と縦波について理解できる。
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2週 |
【上】波の重ね合わせ、独立性 |
波の重ね合わせの原理、独立性を理解できる。
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3週 |
【上】定常波、音波、固有振動 |
定常波の性質について理解できる。 弦を伝わる波や音の波の固有振動数に関する計算ができる。
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4週 |
【上】共振、うなり |
弦や気柱の固有振動、共振・共鳴について理解でき、うなりに関する計算できる。
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5週 |
【上】正弦波 |
波の式から、波の性質(振幅、波長、周期、振動数、速さ)を読み取ることができる。
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6週 |
【上】ホイヘンスの原理、波の反射、屈折 |
ホイヘンスの原理、反射、屈折、全反射について理解でき、屈折率に関する計算ができる。
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7週 |
【上】回折 |
波の回折について理解できる。
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8週 |
後期中間試験 |
用語、法則について説明できて、計算を含めた問題を解くことができる。
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4thQ |
9週 |
【上】ドップラー効果 |
ドップラー効果に関する計算ができる。
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10週 |
(実験)気柱の共鳴 |
気柱の共鳴を利用して音の振動数を測定できる。
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11週 |
【上】波の干渉 |
波の干渉を理解できる。
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12週 |
【上】光の性質、ヤングの実験 |
光の性質(速さ、振動数、波長)について理解できる。 光の干渉に関する計算ができる。
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13週 |
【上】回折格子 |
回折格子に関する計算ができる。
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14週 |
【上】光の分散、散乱、偏光 |
光の分散、散乱、偏光における性質を理解する。
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15週 |
学年末試験 |
用語、法則を説明でき、計算問題を解くことができる。
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16週 |
復習 |
後期の学習内容についてまとめることができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 1 | 前2,前8 |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 1 | 前2,前8 |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 1 | 前1,前8 |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 1 | 前3,前8 |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 1 | 前3,前8 |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 前4,前8 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 前4,前8 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 前4,前8 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 前4,前8 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | 前4,前8 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 前5,前8 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 前5,前8 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 前5,前6,前8 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前6,前7,前8 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 前4,前7,前8 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 前6,前8 |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | 後1,後5,後8 |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | 後1,後8 |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | 後2,後8 |
波の独立性について説明できる。 | 3 | 後2,後8 |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | 後11,後12,後13,後15 |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | 後3,後8 |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | 後6,後8 |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | 後6,後7,後8 |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | 後3,後8 |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | 後3,後8,後10,後15 |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | 後4,後8,後10 |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | 後9,後15 |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | 後14,後15 |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | 後6,後8 |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | 後14,後15 |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 1 | 前14,前15,前16 |
電場・電位について説明できる。 | 1 | 前11,前12,前13,前14,前15,前16 |
クーロンの法則が説明できる。 | 1 | 前10,前15 |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 1 | 前10,前15 |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 1 | 前6,前8,前9,前10,前13,前15,後8 |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 1 | 前7,前8,前9,前15,後8 |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 1 | 前7,前8 |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前4 |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後10 |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前9,前13 |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |