到達目標
終局限界状態における曲げ耐力の計算ができること。
曲げモーメントと軸力、せん断力に対する安全性の検討ができること。
プレストレストコンクリートに対する構造設計の概念を理解すること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 終局限界状態における曲げ耐力の応用計算ができる。 | 終局限界状態における曲げ耐力の計算ができる。 | 終局限界状態における曲げ耐力の計算ができない。 |
評価項目2 | 曲げモーメントと軸力、せん断力に対する安全性の検討ができ,その評価ができる。 | 曲げモーメントと軸力、せん断力に対する安全性の検討ができる。 | 曲げモーメントと軸力、せん断力に対する安全性の検討ができない。 |
評価項目3 | プレストレストコンクリートに対する構造設計を理解している。 | プレストレストコンクリートに対する構造設計の概念を理解している。 | プレストレストコンクリートに対する構造設計の概念を理解できていない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 DP3 専門知識の修得
説明
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教育方法等
概要:
社会基盤整備の材料として、セメントコンクリートは最も経済性に優れる材料の一つであるが、引張力やせん断力に対して弱く、乾燥や温度変化によるひび割れを生じやすい性質を有することから単独では用いられない。この欠点を補うため、コンクリートの中に効果的に鋼材を配置した鉄筋コンクリートとして用いられる。鉄筋コンクリートとして用いることにより、多種多様な構造物を作ることが可能になっている。本授業の目標は、鉄筋コンクリートの概念や複合材料に対する理解を通して、性能照査型設計法についての素養を習得することである。
※実務との関係
この科目は,企業でコンクリート構造物の設計を担当していた教員が,その経験を活かし,設計例を踏まえて各種設計法や破壊モードの考え方などを講義形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
この科目は,長期耐久コンクリートの開発設計を担当していた教員がその経験を活かし,第1週と第9週で,高耐久部材の設計手法,その評価手法について講義形式で授業を行う。種々の限界状態の鉄筋コンクリート構造物の力学的挙動について学び、土木学会標準示方書に従った性能照査型設計法について学ぶ。この他、プレストレストコンクリートの基本的な考え方を学ぶ。
注意点:
計算式が多く出てくるので、なぜそのような式になっているか常に考えることが肝要である。授業中に6回程度小テストと春学期の終わりに中間試験を行う。特別な理由のない欠席により小テストを受けなかった場合、事後に小テストを実施しない。A4ファイルなどを用意し、授業で配布するプリント、演習問題、小テスト答案、到達度試験答案をファイリングして残しておくこと。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバスの説明と授業の進め方、鉄筋コンクリートの概念 鉄筋コンクリートの力学的性質 |
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。
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2週 |
断面係数の導き方 荷重、各種設計法・小テスト① |
断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。 断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。 各種構造の設計荷重・外力を計算できる。 構造計算の設計ルートについて説明できる。
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3週 |
限界状態設計法:曲げモーメントを受けるRC梁 演習・小テスト② |
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。 構造計算の設計ルートについて説明できる。 建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。 せん断力を受ける部材の破壊形式を説明でき、せん断力に対する安全性を検討できる。
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4週 |
限界状態設計法:複鉄筋矩形断面と単鉄筋T型断面 演習・小テスト③ |
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。 断面内の応力の分布について説明できる。 許容曲げモーメントを計算できる。 主筋の算定ができる。 釣合い鉄筋比について説明ができる。 中立軸の算定ができる。
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5週 |
単鉄筋T型断面とたわみ曲線の微分方程式 演習・小テスト④ |
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。 主筋の算定ができる。
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6週 |
使用限界状態に対する検討(ひび割れ、たわみ) 演習・小テスト⑤ |
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。
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7週 |
演習・小テスト解説 |
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
コンクリート構造の設計(これまでの復習) 鉄筋コンクリートの力学的性質 |
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。
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10週 |
軸方向圧縮力のみを受けるRC部材 曲げモーメントと軸方向圧縮力を受けるRC部材(1) |
断面内の応力の分布について説明できる。 釣合い鉄筋比について説明ができる。 中立軸の算定ができる。 MNインターラクションカーブについて説明できる。
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11週 |
曲げモーメントと軸方向圧縮力を受けるRC部材(2) 演習・小テスト⑥ |
終局曲げモーメントについて説明できる。 許容曲げモーメントを計算できる。
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12週 |
せん断力を受けるRC部材(1),(2) |
許容せん断力を計算できる。
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13週 |
せん断力を受けるRC部材(3),(4) |
せん断補強筋の算定ができる。 終局剪断力について説明できる。
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14週 |
小テスト⑦ プレストレストコンクリート(PC)(1) |
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。
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15週 |
プレストレストコンクリート(PC)(2),(3) |
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。
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16週 |
到達度試験 (答案返却とまとめ) |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 材料 | プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。 | 4 | 前14 |
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。 | 4 | 前15 |
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。 | 4 | 前3 |
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。 | 4 | 前4 |
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。 | 4 | 前6 |
せん断力を受ける部材の破壊形式を説明でき、せん断力に対する安全性を検討できる。 | 4 | 前3 |
構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 3 | 前2 |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 3 | 前2 |
建築系分野 | 構造 | 断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 4 | 前2 |
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。 | 4 | 前2 |
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。 | 3 | 前2 |
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。 | 3 | 前1,前9 |
構造計算の設計ルートについて説明できる。 | 3 | 前2 |
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。 | 3 | 前5 |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 3 | 前4 |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 3 | 前4 |
主筋の算定ができる。 | 3 | 前5 |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 3 | 前10 |
中立軸の算定ができる。 | 3 | 前10 |
許容せん断力を計算できる。 | 3 | 前12 |
せん断補強筋の算定ができる。 | 3 | 前13 |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 3 | 前11 |
終局剪断力について説明できる。 | 3 | 前13 |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 3 | 前10 |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 3 | 前11 |
MNインターラクションカーブについて説明できる。 | 3 | 前10 |
主筋の算定ができる。 | 3 | 前5 |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 3 | 前10 |
中立軸の算定ができる。 | 3 | 前10 |
許容せん断力を計算できる。 | 3 | 前12 |
せん断補強筋の算定ができる。 | 3 | 前13 |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 3 | 前11 |
終局剪断力について説明できる。 | 3 | 前13 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 40 |
専門的能力 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |