1. 専門用語を理解し、説明できること。
2. 理論や公式の導出過程を理解し、基本的な公式は暗記し、公式として使用できること。
3. 断面特性の算出法(複合断面の図心および図心軸に関する断面2次モーメント)を理解し、計算できること。
4. 各種応力の算出法(合成材料の軸応力、また、複合断面の曲げ応力とせん断応力)を理解し、計算できること。
5. 荷重と断面力の関係を用いた梁の解法を理解し、より複雑な静定構造を計算できること。
6. 静定梁の変形についての解法を理解し、計算できること。
7. 簡単な不静定梁の解法を理解し、計算できること。
8. 短柱と長柱についての解法を理解し、計算できること。
概要:
【開講学期】夏学期週4時間・冬学期週2時間(授業計画では、夏学期分を1週あたり2時間として前期1~15週に、冬学期分を1週あたり2時間として後期1~15週に示している)
構造力学は各種構造物の力学的性質を知り、それらを安全に設計し、建設するための基礎となる学問である。構造力学Ⅱの内容は、構造力学Ⅰを発展させたもので、構造力学Ⅰ・Ⅱによって静定構造の解法の基礎が確立する。さらに簡単な不静定構造の解法についても扱い、構造力学Ⅲへの橋渡しとなる。本授業は、他の力学系専門科目の基礎となるばかりでなく、就職試験、編入学試験で扱われることも多いので、しっかりと理解する必要がある。授業では多くの演習問題を解き、理論の理解とともに実際的な計算能力を身につける。
授業の進め方・方法:
夏学期には、構造部材の断面特性、柱の引張・圧縮応力、梁の曲げ応力、せん断応力について学ぶ。また、荷重と断面力の関係を用いた梁の解法によって、より複雑な荷重の作用する静定構造の解き方について学ぶ。冬学期には、静定梁の変形、短柱と長柱、簡単な不静定梁の解法について学ぶ。説明と演習をセットで行うので授業時間内に理解してほしい。専門用語については、英語表記も示すので覚えるようにしてほしい。
到達度試験70%、小テスト20%、演習問題10%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
総合成績が60点未満の学生に対して、授業中に教員が指示する条件(課題が提出されているか等)を満足する場合に、補充試験を実施する。補充試験の場合には、試験の点数のみで評価し、60点以上の場合に総合成績を60点とする。
注意点:
1. 基本的に教科書に沿って授業を進める。わからないと感じたときには、何度も教科書を読み直し、復習すること。
2. 自宅学習用の演習問題を適宜課す。必ず自力で実施し、提出が求められた場合には指定された期限内に提出すること。
3. 授業中に小テストを4回行う。特別な理由のない欠席により小テストを受けなかった場合、事後に小テストを実施しない。
4. A4ファイルを用意し、授業で配布するプリント、演習問題、小テスト答案、到達度試験答案をファイリングして残しておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
断面特性について 断面積・断面1次モーメント・図心・断面2次モーメント |
断面特性の算出法を理解している。
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2週 |
長方形・三角形断面の断面特性 複合断面の断面特性 |
断面特性の算出法を計算できる。
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3週 |
断面2次モーメント計算のテクニック |
応用的な断面特性の算出法を理解している。
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4週 |
梁の応力 梁の曲げ応力(1) |
梁の曲げ応力の算出法を理解している。
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5週 |
梁の曲げ応力(2) 梁のせん断応力(1) |
梁の曲げ応力の算出法を計算できる。 梁のせん断応力の算出法を理解している。
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6週 |
梁のせん断応力(2) |
梁のせん断応力の算出法を計算できる。
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7週 |
合成材料(直列・並列)の軸応力 |
合成材料の軸応力の算出法を理解している。
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8週 |
回転した軸に関する断面2次・相乗・極モーメント 主軸・主断面2次モーメント |
回転した軸に関する断面2次・相乗・極モーメントの算出法を理解している。 主軸・主断面2次モーメントの算出法を理解している。
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2ndQ |
9週 |
小テスト1(40分) 荷重と断面力の関係、梁の微分方程式と境界条件 |
荷重と断面力の関係を用いた梁の解法を理解している。
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10週 |
端部に荷重の作用する梁 三角形等変分布荷重の作用する梁(梁全体と梁の一部) |
荷重と断面力の関係を用いた梁の解法を計算できる。
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11週 |
複雑な梁(張出梁・ゲルバー梁) 曲がり梁 |
荷重と断面力の関係を用いた梁の解法を計算できる。
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12週 |
静定ラーメン 3ヒンジラーメン(反力の求め方) |
静定ラーメンの反力・断面力の算出法を理解している。
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13週 |
小テスト2(40分) 3ヒンジラーメン(断面力) |
静定ラーメンの反力・断面力の算出法を計算できる。
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14週 |
組合せ応力 |
組合せ応力の算出法を理解している。
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15週 |
到達度試験(1) (答案返却とまとめ) |
前期1~14週までの到達度を確認できる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
静定梁の変形について たわみ曲線の微分方程式、境界条件、単純梁(等分布荷重) |
静定梁の変形についての微分方程式を用いた解法を理解している。
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2週 |
等分布荷重の作用する片持梁のたわみ曲線 自由端に集中荷重の作用する片持梁のたわみ曲線 |
静定梁の変形についての微分方程式を用いた解法を計算できる。
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3週 |
弾性荷重法(1) 集中荷重の作用する片持梁・単純梁(微分方程式と弾性荷重法) |
弾性荷重法を理解している。
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4週 |
弾性荷重法(2) EIが区分ごとに異なる問題 |
弾性荷重法を計算できる。
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5週 |
弾性荷重法(3) (張出・ゲルバー)梁 |
弾性荷重法によって応用的問題を計算できる。
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6週 |
小テスト3(40分) 簡単な不静定梁の解法(1) たわみの微分方程式を用いた解法 |
簡単な不静定梁のたわみの微分方程式を用いた解法を理解している。
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7週 |
簡単な不静定梁の解法(2) たわみの微分方程式を用いた解法
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簡単な不静定梁のたわみの微分方程式を用いた解法を計算できる。
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8週 |
簡単な不静定梁の解法(3) 変形の適合条件式を用いた解法 |
簡単な不静定梁の変形の適合条件式を用いた解法を理解している。
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4thQ |
9週 |
簡単な不静定梁の解法(4) 変形の適合条件式を用いた解法 |
簡単な不静定梁の変形の適合条件式を用いた解法を計算できる。
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10週 |
短柱と長柱について 短柱(1) 偏心荷重の作用する柱の応力 |
短柱の解法を理解している。
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11週 |
短柱(2) 核点・核 |
短柱の解法を計算できる。
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12週 |
長柱(1) オイラーの座屈荷重 |
長柱の解法を理解している。
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13週 |
長柱(2) 支持条件の違いによる扱い |
長柱の解法を計算できる。
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14週 |
小テスト4(40分) 応用問題演習 |
応用問題の解法を理解している。
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15週 |
到達度試験(2) (答案返却とまとめ) |
後期1~14週までの到達度を確認できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 3 | 前1,前2,前3 |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前8 |
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。 | 3 | 前12,前13 |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 3 | 前4,前7 |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 3 | 前4,前5,前6 |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 3 | 後1,後2,後6,後7 |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 3 | 後6 |
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。 | 2 | 後8,後9 |
建築系分野 | 構造 | 断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 3 | 前1,前2,前3 |
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前8 |
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。 | 3 | 前4,前7 |
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。 | 3 | 前4,前5 |
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。 | 3 | 前5,前6 |
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。 | 3 | 後1,後2,後6,後7 |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13 |
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。 | 3 | 後10,後11 |
ラーメンやその種類について説明できる。 | 2 | 前12 |
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。 | 2 | 前12,前13 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 3 | 後6 |
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。 | 2 | 後8,後9 |