概要:
【開講学期】「春学期週4時間」
社会人としてより良い生活を送るために必要不可欠な(I)社会全体、心理(青年心理)、(II)法律、政治、経済や国際関係の基礎的な知識を習得する。工業技術者として活動するうえでも基礎となるものである。家庭、地域、職場で主体的に生きる手がかりと確かな思考力を身につけることを目指す。
授業の進め方・方法:
(I) 社会学および心理学の基礎的知識を講義したあと、いくつかのテーマについてグループワーク(さまざまな媒体を用いて各自が調べてきたことをもとに、グループで討論する)を行う。(高橋担当)
(II) 政治、法律や経済の基本的知識や考え方を教科書や資料集を使い学習する。報道された事件や社会問題を事例として解説し、技術が社会情勢や仕組みと密接に関係することについて考えを深める。毎回、経済統計の確認を行い、経済の動きを知ること。
上記(I)と(II)をそれぞれ50点満点で評価し、合せて100点満点として60点以上を合格とする。なお、
(I) は、到達度試験50%、グループワークでのレポート50%
(II) は、到達度試験80%、小テスト、レポート等20%として評価を行う。
注意点:
(I) 授業で得た知識を基にして、提起されたテーマについて書籍やネットなどを利用して調べ、それを他人に伝え、ともに考える姿勢が必要とされる。
(II) 新聞やテレビ・ラジオの報道・ニュースから現代社会の政治経済の動きに関心を持ち情報を集めておくこと。為替(円とドル、ユーロ、中国元)、原油と金価格、東京証券市場第一部の株式市場の状況を調べておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
(I) 社会とは何か。社会科学における社会学の位置とその範囲。 |
社会学と他の社会科学との違いを理解し、その意義を理解する
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2週 |
(II) 現代社会の学び方について、 現代社会における政治、法律、経済の基礎の基礎 |
政治、法律、経済の現代社会における仕組みの概略を理解する
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3週 |
(I) グループワーク(現代社会の諸問題) |
fake newsとpost truthの意味を理解し、それが広がる背景を考察する
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4週 |
(II) 政治 民主主義と人権思想の発達 |
民主主義と人権思想がどのような政治的背景の下に形成されてきたかを理解する
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5週 |
(I) 社会思想、社会規範、文化、コミュニケーション |
社会学における「社会」と社会構造を理解する
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6週 |
(II) 民主政治の基本原理、法の支配と社会契約論 |
社会契約の考えから現代の民主政治の基本原理が導かれたかを理解する
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7週 |
(I) グループワーク(家族の意味) |
同性婚への賛否から結婚および家族の意味について考えを深める
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8週 |
(II) 日本の近代国家としての成立と大日本帝国憲法 |
日本が近代国家として成立していく過程を理解する
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2ndQ |
9週 |
(I) 「こころ」のありか。心理学の視点と方法。 |
心理学における「こころ」および情動と動機付けを理解する
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10週 |
(II) 日本国憲法の成立とその特徴 |
大日本帝国憲法との比較を通じて日本国憲法の三つの特徴を理解する
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11週 |
(I) グループワーク(欲求) |
欲求と欲求不満との関係を理解し、不満解消の方法を探る
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12週 |
(II)法律と日常生活、少年法と死刑制度について考える。 |
法律が日常生活に及ぼす影響について少年法および死刑制度の点から理解を深める
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13週 |
(I) 欲求不満と自我防衛機制 |
欲求不満の構造と防衛機制の意義を理解する
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14週 |
(II) 日本の政治機構、 日本の政治状況と課題 |
代表民主制と議院内閣制をとる日本の政治機構における問題点を調べ解決策を検討する
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15週 |
到達度試験 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | |
公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | |
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。 | 3 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | |
工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 3 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 3 | |
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。 | 3 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | |