化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0021 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 化学(小林淳哉編著,実教出版)
担当教員 水野 章敏

到達目標

1. 原子やイオンの構造を理解し,分子の化学結合について説明ができる.
2. 物質量の意味を理解した上で,化学反応式を組み立て,化学量論的な計算ができる.
3. 酸塩基・酸化還元といった化学反応を理解し,pH計算や中和滴定の計算に応用できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的元素の原子やイオンの電子構造, 分子の化学結合の特徴の説明ができる. 原子の仕組みやイオンのでき方を理解し, 分子の化学結合の種類を記述できる.原子の仕組みやとイオンのでき方がわからず,分子の化学結合の区別ができない.
評価項目2物質量を他の物理量に換算し,化学反応式の記述から化学量論的な計算ができる.物質量の基本的な意味を理解し,計算ができ,化学反応式を組み立てることができる.物質量(mol)の意味を理解できず, 化学反応式を組み立てることができない.
評価項目3酸化還元,酸塩基とpH計算,中和滴定の計算ができる.酸化還元,酸塩基とpH計算,中和滴定の原理を理解している.酸化還元や酸塩基が分からず,中和滴定の原理を理解できていない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・板書が学習理解の中心となるので,ノートはしっかりととること.
・小テストは必ず受験し,答案返却後も復習しておくこと.
・定期試験問題も,答案返却後,保存し復習しておくこと.
授業の進め方・方法:
・わからない所が生じたら,どんな些細なことでも積極的に質問すること.
注意点:
・授業に支障をきたす行為(過度な私語・意味の無い立ち歩き・携帯電話の使用・飲食行為など)は減点対象とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス (0.5h)
化学と社会
授業の流れや注意事項(出席・成績評価)の説明
化学と社会生活の関連を理解できる
2週 物質の種類
1 混合物と純物質,さまざまな分離方法
混合物と純物質の区別を説明できる
3週 物質の種類
2 元素,化合物と単体
3 化学式

元素と化合物について説明でき,化学式 を書くことができる
4週 物質の構成粒子
1 原子と分子
原子と分子の関係について説明できる
5週 物質の構成粒子
2 原子の構造
原子の基本的構造および電子配置を説明できる
6週 物質の構成粒子
3 元素の周期表
周期表の意味と代表的な元素記号を記述 できる
7週 イオン 陽イオン・陰イオンの基本的性質とイオン性物質を説明 できる
8週 到達度試験(中間試験相当小テスト) 既習内容に関連した問題を解くことができる
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説
イオン結合
間違った問題の正答を求めることができる
イオン結合の性質と該当する物質を説明できる
10週 共有結合
1 構造式と極性
構造式を書くことができ,極性を説明できる
11週 共有結合
2 共有結合結晶
共有結合結晶の性質を説明できる
12週 金属結合と金属の結晶 金属結合の性質と該当する物質を説明できる
13週 原子量と同位体・分子量・式量
1 原子量の相対質量その求め方
同位体を理解でき,原子の相対質量を計算できる
14週 原子量と同位体・分子量・式量
2 原子量,分子量,式量とその求め方
原子量,分子量,式量を計算 できる
15週 前期期末試験 既習内容に関連した問題を解くことができる
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができ る
後期
3rdQ
1週 物質の三態 物質の三態を粒子の熱運動から説明でき、状態図から状態変化を見積もることができる。
2週 物質量
1 物質量とアボガドロ定数
物質量(mol)の意味を理解し,粒子数から 物質量を計算することができる
3週 2 物質量と質量の関係 物質量(mol)と質量との関係を使って換算 ができる
4週 3 物質量と気体の体積との関係 物質量(mol)と気体の体積との関係を使って換算ができる
5週 化学反応式
1 化学反応式とその書き方
化学反応式を組み立てることができる
6週 化学反応式
2 化学反応式が表す量的関係
化学反応式の量的関係と関連する法則を 説明できる
7週 酸,塩基の定義と価数 酸・塩基の定義を説明できる
8週 酸,塩基の強弱と電離度 酸,塩基の強弱と電離度の関係を説明でき,電離度の計算ができる
4thQ
9週 到達度試験(中間試験相当小テスト) 既習内容に関連した問題を解くことができる
10週 試験答案返却・解答解説
pH
間違った問題の正答を求めることができ る
水溶液のpHの計算ができる
11週 pHの測定法 pHの測定法および酸の電離度との関係について説明できる
12週 中和および塩の水溶液の性質 中和滴定の操作および滴定曲線について説明できる
13週 酸化と還元
1 酸化還元反応
酸化還元の原理を理解でき,酸化数の計算ができる
14週 酸化と還元
2 金属のイオン化傾向
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる
15週 学年末試験 既習内容に関連した問題を解くことができる
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができ る

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1,前8
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1,前8
物質が原子からできていることを説明できる。3前3,前8
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2,前8
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前3,前8
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2,前8
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2,前8
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前8,後1
水の状態変化が説明できる。3前8,後1
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前8,後1
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前4,前5,前8
同位体について説明できる。3前4,前8
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前4,前8
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前5,前8
価電子の働きについて説明できる。3前5,前6,前8
原子のイオン化について説明できる。3前7,前8
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前7,前8
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前6,前8
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前6,前8
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前9
イオン結合について説明できる。3前9
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前9
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前9
共有結合について説明できる。3前10,前11
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前10,前11
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前12
金属の性質を説明できる。3前12
原子の相対質量が説明できる。3前13
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前13,前14
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3後2,後9
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3後2,後3,後9
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3後2,後4,後9
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後5,後9
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後6,後9
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3後8,後9
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。2後8,後9
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。2後8,後9
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3後7,後9
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3後7,後9
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後8,後15
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後11,後15
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3後12,後15
中和滴定の計算ができる。3後12,後15
酸化還元反応について説明できる。2後13,後15
イオン化傾向について説明できる。2後14,後15
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。2後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(小テスト等)合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力90000010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000