工業力学基礎

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工業力学基礎
科目番号 0046 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 機械設計 豊橋技術科学大学・高等専門学校教育連携プロジェクト 実教出版
担当教員 山田 誠,剱地 利昭,鈴木 学

到達目標

1. 力の分解・合成を理解し,質点にはたらく力の釣り合いの問題を解くことができる。
2. 剛体における力のつり合いを理解し,力のモーメントに関する問題を解くことができる。
3. 重心の定義について理解し,それに関する問題を解くことができる。
4. 剛体の回転運動,慣性モーメントの意味について理解し,それに関する問題を解くことができる。
5. 摩擦力に関する問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11点に働く力の合成.分解ができ,力の釣り合いの条件を求めることができる.2つの力の合成,および直交座標系での力の分解が計算できる.力の合成.分解ができない.
評価項目2剛体に働くモーメントや力の合成ができ,トラスに働く部材力を求めることに応用できる.剛体に働くモーメントや力の合成ができる。モーメントを求めることができない.
評価項目3重心の定義について説明でき,平面における重心点を計算できる。重心の定義について説明でき,一方向における重心点を計算できる。一方向における重心点を計算できない。
評価項目4剛体の回転運動,慣性モーメントについて説明でき,慣性モーメントを用いた計算ができる。剛体の回転運動における慣性モーメントを用いた計算ができる。剛体の回転運動における慣性モーメントを用いた計算ができない。
評価項目5すべり摩擦の計算をすることができる.簡単なすべり摩擦の計算ができる.すべり摩擦の計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
力学の基礎知識である質点および剛体における力とつりあいに関する基本法則を理解し,実際の機械や機構の力学に関する基礎的な問題を解決できることを目標とする.
授業の進め方・方法:
数学や物理などの基礎知識に基づき,静力学の基本原理を理解出来ることを目標としている.「物理」や「数学」で履修した内容を基礎としており,その内容を十便理解していることを前提に授業を進めるため,基礎となる科目の内容を復習しておく必要がある.また,授業内容は継続的な内容であるため,各回の授業内容についてしっかり復習することが必要である.
注意点:
なお,本講義で扱う内容はすべてコアです.複合学科の卒業生として習得していて当然の知識として期待されることに留意してください.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 力のベクトル
1点に作用する力の合成と分解
学習意義,授業計画,評価方法,諸注意を理解する
力のベクトル表記と加算,減算ができる
1点に作用する力の合成および分解ができる
2週 直角な2力への分解とそれを用いた合成 直角な2力への分解と,それを用いて合力を計算できる。
3週 1点に作用する力のつりあい
力のモーメント
1点に作用する力のつりあいに関する計算をできる。
モーメントの定義と単位を説明でき,モーメントを計算できる。
4週 剛体に作用する力のつりあい
偶力 3力以上の力の合成および剛体働く力のつりあい
偶力と力のおきかえができる
剛体に働く3力以上の力の合成ができる剛体に働く力のつりあいの計算ができる。
5週 トラス(節点法;支点反力の計算および1点に作用する力のつり合いの応用) トラスおにおいて,支点反力を計算でき,接点法で部財力を計算できる。
6週 トラス(切断法;剛体に作用する力のつり合いの応用)
課題
トラスおにおいて,支点反力および,切断法で部財力を計算できる。
7週 課題解答 課題を解くことができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験答案返却・解答解説 試験問題の解説を通じて正しい解答を理解し,説明できる。
10週 摩擦力(すべり摩擦,ころがり摩擦)
静止摩擦と転がり摩擦に関する問題を計算できる。
11週 重心
直線運動
平面図形の重心の計算ができる。
直線運動において,変位,速度,加速を計算できる。
12週 回転運動 剛体の回転運動について理解し,それに関する問題を解くことができる。
13週 慣性モーメント
課題
慣性モーメントの意味について理解し,それに関する問題を解くことができる。
14週 課題解答 課題を解くことができる。
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 試験問題の解説を通じて正しい解答を理解し,説明できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
物体に作用する力を図示することができる。3後1
力の合成と分解をすることができる。3後2
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
力のモーメントを求めることができる。3後3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後7,後10
重心に関する計算ができる。3後12
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4後1
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4後2
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4後4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4後3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4後6
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4後5
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4後12
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3後13,後14
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000