力学基礎

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 力学基礎
科目番号 0051 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 なし(プリント配布) / 各力学現象の図やグラフ,動画等 参考教科書 材料力学: 『基礎材料力学』, 小泉 堯 監修, 養賢堂 流体力学: 『流体力学 シンプルにすれば「流れ」がわかる』,金原 粲 監修,実教出版 熱力学: 『熱力学 事例でわかる考え方と使い方』,金原 粲 監修,実教出版
担当教員 剱地 利昭,鈴木 学,川合 政人

到達目標

1.各力学の基本的な用語について説明できる.
2.各力学の基本的な物理現象の概念や公式について説明できる.
3.各力学の公式を用いて基本的な問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各力学の基本的な用語について実例を交えながら正しく説明できる.各力学の基本的な用語について概念的に説明できる.力学系分野の専門用語について説明ができない.
評価項目2各力学の物理現象について,図や数式との関係性を踏まえて正しく説明できる.各力学の物理現象や公式についてその意味を概念的に説明できる.各力学の物理現象について説明ができない.
評価項目3各力学の公式を用いて関連する問題を自力で解くことができる.各力学の公式を用いた基本的な問題の解法を説明できる.各力学の基本的な計算問題の解法が説明できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は機械工学的考え方の基本となる材料力学,流体力学,熱力学の基礎的な知識や事象,公式について学ぶ.材料力学では応力,ひずみ,フックの法則,許容応力など,流体力学では流体の静力学,熱力学では完全ガスの状態変化を学習する.これらの基本的な事象についての物理的概念と数式的理解が合致し,自分の知識となって力学の基礎的な問題を解決できることを目的とする.
授業の進め方・方法:
・主にパワーポイントを使った座学で進め,教科書は使用せず,パワーポイントと同様のスライドを印刷したプリントを配布する.配布プリントは穴埋め式になっており,教員が授業で穴を埋めながら説明するので,それを聞きながら各自で穴埋めを行う.
・授業中に使用したパワーポイント,資料等はTeamsで授業後公開する.
・毎週授業が終了する際に課題を出題する.
注意点:
○学習上の留意点及び学習上の助言
・本講義では複雑な式の導出までは求めませんが,簡単な数式を用いた各力学の基本的な問題について学習します.従って数学の基本計算および物理の力学に関して十分に復習をしておいてください.また授業は力学ごとに継続的な授業内容となるため,各回の授業内容についてしっかり復習してください.
・わからないことはわからないままにせず,授業中,放課後を問わず先生に質問をしてください.

○関連科目:材料力学,流体力学,熱力学,基礎数学,物理,微分積分
なお,本講義で扱う内容はすべてコアです.機械系を含む複合学科の卒業生,エンジニアとして習得していて『当然の知識である』と期待されることに留意してください.

評価:中テスト1・中テスト2・定期試験:80%(B 100%),課題:20%(B 100%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 全体ガイダンス(0.5h)
材料力学ガイダンス(0.5h)
荷重の分類,弾性と塑性(1.0h)
・本講義の意義と進め方,評価方法について説明できる.
・材料力学に関係する計測機器,技術分野について説明できる.
・荷重の分類,弾性変形と塑性変形の違いを説明できる.
2週 応力とひずみ ・応力とひずみについて説明でき計算できる.
・フックの法則によるヤング率,ポアゾン比について説明でき,これらを用いた計算に適用できる.
3週 材料の機械的性質と材料試験 ・材料の機械的性質を説明でき,単純な材料試験(引っ張り試験,硬さ試験,疲労試験)の特徴を理解できる.
4週 設計の考え方と許容応力 ・単純な機械設計の考え方を説明でき,許容応力を用いた簡単な設計ができる.
5週 中テスト1 材料力学パートの範囲で定期試験相当の試験を実施
6週 試験答案返却・解答解説(0.5h)

流体学ガイダンス(0.5h)
流体の性質
1)密度,比重(0.5h)
2)圧縮性,粘性,表面張力(0.5h)
・間違った問題の正答を求めることができる.

・流体力学が関係する計測機器,技術分野について説明できる.
・密度,比重,単位体積重量,比体積について説明できる.
・圧縮性,表面張力,粘性について説明できる.
7週 3)圧力,大気圧,水圧(1.5h)

流体の静力学
1)浮力(0.5h)
・圧力,大気圧,水圧について説明できる.また,これらの簡単な計算ができる.
・絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。

・アルキメデスの原理を説明でき,浮力を計算できる.
8週 2)圧力とパスカルの原理(1.0h)

流体の動力学
1) 流れと粘性の関係(0.5h)
2) ベルヌーイの定理(0.5h)
・圧力とパスカルの原理について説明でき,これらを用いた計算ができる.

・流れと粘性の関係を説明でき,これを用いた簡単な計算ができる.
・ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。
・ベルヌーイの定理について説明できる.
4thQ
9週 流体力学の応用
1)全圧力と圧力中心(0.5h)
2)マノメータ(1.5h)
・液柱計やマノメータを用いた圧力計測について問題を解くことができる。
・液体中の壁面に作用する全圧力と作用点を計算できる.
10週 中テスト2 流体力学パートの範囲で定期試験相当の試験を実施
11週 試験答案返却・解答解説(0.5h)

熱力学ガイダンス(0.5h)
熱と温度(0.5h)
熱力学第0法則(0.5h)
・間違った問題の正答を求めることができる.

・熱力学が関係する計測機器,技術分野について説明できる.
・系,温度,熱量について説明できる.
・熱力学の第0法則について説明できる.
12週 熱力学第一法則(1.5h)
エンタルピー(0.5h)
・熱力学の第一法則について説明でき,これらを用いた簡単な計算に適用できる.
13週 理想気体の状態式
・理想気体の状態式について説明でき,これらを用いた簡単な計算に適用できる.
14週 理想気体の状態変化 ・等温変化,等圧変化,等積変化,断熱変化について説明でき,これらを用いた簡単な計算に適用できる.
15週 期末試験 熱力学パートの範囲で試験を実施
16週 試験答案返却・解答解説(1h)
力学基礎総括(1h)
・間違った問題の正答を求めることができる.
・本講義のまとめと今後の学習との繋がりについて説明できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3後1
応力とひずみを説明できる。3後2
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3後2,後3
許容応力と安全率を説明できる。3後4
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3後5
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3後5,後6,後9,後10
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3後5,後9
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3後6
パスカルの原理を説明できる。3後7
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。3後7,後10
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。3後10
物体に作用する浮力を計算できる。3後7
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3後11
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3後11,後12
熱力学の第一法則を説明できる。3後12
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3後12,後13,後14
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3後13
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3後13
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3後14
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3後12,後13,後14
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3後14
材料引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。2後2,後3
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。2後3
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。2
計測制御代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。2後1,後5,後7,後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力200000525
専門的能力6000001575
分野横断的能力0000000