電気電子計測Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気電子計測Ⅰ
科目番号 0064 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 コロナ社 電磁気計測, 岩崎 俊
担当教員 丸山 珠美

到達目標

1. 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。
2. 精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。
3. SI単位系における基本単位と組立単位について理解している。
4. 指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。
5. 倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について理解している。
6. 抵抗の測定、低抵抗の測定を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測方法を偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測のそれぞれについて分類できる。偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測について、計測法の分類を説明できる計測方法の分類について、偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測を説明できない。
評価項目2誤差の種類と代表的な実例を説明でき,統計的な概念で誤差を扱うことができる.具体的な誤差の伝搬を計算することができる.誤差の種類を説明でき,有効数字を意識して数値を扱うことができる.測定値を扱う際に誤差や有効数字について何も考慮していない
評価項目3SI単位の説明ができ,いくつかの具体的な単位標準とその原理を説明できる.SI単位における基本単位と組み立て単位について理解でき,計測標準について説明できる.SI基本単位を説明できない.単位は組み立てられていると言うことが説明できない.
評価項目4 指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を理解できる。指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を理解できない。
評価項目5 倍率器・分流器を用いた電流の測定範囲の拡大手法を導ける。倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について理解している。倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では、高精度の計測を実現するために必須である、計測誤差や電気計器の原理を体系的に学習する。本内容は、電気工学技術者が必ず習得しているべき重要かつ基礎的な内容である。どのようにすれば、測定精度を正確に把握し、高精度の測定を可能にできるのか、計測工学をとおして学習する.本科目の履修に当たっては電気回路基礎の直流回路の諸定理,特にキルヒホッフの法則とテブナンの定理について復習をしておく必要がある.
授業の進め方・方法:
例題や課題は、授業内容の理解のカギとなるのでしっかり取り組むこと。本科目で扱う内容は電気電子計測II,計測システムと綿密につながっていく事を忘れないで欲しい.
◎「課題」採点は期限内に提出されたもののみ行う
注意点:
※本講義で扱う内容はすべて高専・電気電子系の卒業生として習得していて当然の知識として期待されるコアであることに留意して欲しい.
※計測工学は実験や測定を伴う全ての分野に密接に関連する。また、本講義では数学の基礎を習得していることを前提としている。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(0.5h)
測定の重要性と測定法の種類(コア)
科目の位置づけ、必要性、学習の到達目標および留意点を理解する。測定法の種類の特徴、直接測定と間接測定、偏位法と零位法を理解できる。pp.1-8
2週 測定誤差と間接測定による誤差 測定法の種類の特徴を理解できる。系統誤差(かたより)と偶然誤差(ばらつき)について理解する。pp.8-10,p.16問1.2
3週 誤差の伝播、例題演習 演算による誤差の伝播を計算し例題がとける。和、差、積、商に関する誤差の伝搬を理解する。教科書だけでなく、講義と講義ノートでしっかり学ぶこと
4週 最小自乗法による曲線の当てはめ 最小自乗法がなぜ測定値の近似をできるのか理解できる。最小自乗法による曲線の当てはめができる。教科書だけでなく、講義と講義ノートでしっかり学ぶこと
5週 単位と標準 SI単位系・単位の定義(コア) SI単位について七つの基本単位、二つの補助単位とその定義を理解する。
SI組立単位について、基本単位による組み立て、他のSI単位による組み立て、SI単位の表記法を理解する。教科書pp.18-26, p.34 問2.2、2.3、2.4
6週 指示計器一般、電流計の設計(コア) 指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。pp.36-40, p.56問3.1
7週 多重範囲型電流計の設計(コア)エアトン型多重範囲型電流計の設計 多重範囲型電流計の設計法を理解し、設計できる。エアトン型多重範囲型電流計と多重範囲電流系の違いを理解し設計できる。pp.40-41、p.56問3.2
8週 中間試験 中間試験
2ndQ
9週 試験答案の返却と解説 試験で間違った問題の正しい解法を理解する
10週 電圧計の設計(コア) 電圧計の設計ができる。pp.41-43
11週 測定法と測定系 テブナンの定理 テブナンの定理を用いた計算ができる。pp.48-51,p.56問3.3
12週 測定法と測定系 負荷効果 電流計の負荷効果を計算できる。pp.51-55
13週 抵抗の測定(コア) 直読形抵抗計の設計ができるp.66-69
14週 低抵抗測定(コア) 4端子測定法を理解する。pp.69-70
15週 期末試験 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前4
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前2,前4
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前1
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前2,前6
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前5
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4前5
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4前6
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4前7
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4前12
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4前14
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4

評価割合

試してください主題合計
総合評価割合80200000100
80200000100
0000000
0000000
0000000